
昨日は妻の大学時代の恩師であるピアニスト、三谷 温(みたに おん)さんがソリストを務められるコンサートがありました。三谷さんは2003年に文化庁から文化交流使に任命され、クロアチアで芸術交流を深める活動をされたそうですが、今回の国際交流コンサートはこうした活動が生んだ成果の一つだと思います。ということで、何と言っても三谷先生の「皇帝」が聴けるとあって、喜んで行ってきました!
<日時・場所>
2005年9月16日
東京オペラシティコンサートホール
<演奏>
指揮:ヨハネス・ヴィルトナー
ピアノ:三谷 温
ザグレブ・フィルハーモニー管弦楽団
<曲目>
ヴェルディ/歌劇「運命の力」序曲→ウェーバー/歌劇「魔弾の射手」序曲 に変更
ベートーヴェン/ピアノ協奏曲 第5番 変ホ長調op.73「皇帝」
[アンコール]ベートーヴェン/ピアノソナタ 第8番「悲愴」第2楽章
[アンコール]シューマン/トロイメライ チャイコフスキー/交響曲 第6番 ロ短調op.74「悲愴」
[アンコール]ブラームス/ハンガリー舞曲 第5番
[アンコール]イヴァン・ザイン/
オペラ「ニコラシュビッチ・ズリーンシキー」より「ウボイ」
(共演:六本木男声合唱団)まずは「国際交流」を印象づける、クロアチアと日本の国歌の演奏。クロアチア国歌の素晴らしい力強さはもとより、スネアや木管の効いた迫力の君が代にも鳥肌です。奏者は半分以上が女性で色とりどりの頭髪。金銀赤茶灰黒・・・目にも新鮮です。そして、
ヴェルディ ウェーバーを聴くなり感じたのが、このオーケストラの放つダイナミックレンジの広さ。木造りのホールの音響特性を差し引いたとしても凄いものがあります。指揮者のヴィルトナーさんは熱血漢。顔を真っ赤にして、大胆な身振りとジャンプ!でぐいぐいオケをリードしていきます。
続いていよいよ三谷先生の登場。かたずを飲んで見守る中での「皇帝」のピアノの華麗なパッセージ!オケの迫力を前にしても色あせない存在感。かと思えば、優しく繊細に歌いこまれる緩徐楽章。最後は軽快なテンポに乗ってオケと丁々発止の掛け合いが繰り広げられ、ホールを興奮の渦に巻き込んでいきました。盛大な歓声と指揮者の後押しで、アンコールの「悲愴」。全てが一つになり歌われていく静かな時間。その後またまた指揮者ヴィルトナーさんが三谷先生をイスまで連れていって(笑)さらにトロイメライまで聴けることに!弾き終わった後に「もうここまで」とピアノのフタを閉じて笑みを誘う三谷先生のパフォーマンスつき(笑)この指揮者、うまいなぁ...
休憩を挟んでチャイコの悲愴。悲しさ漂う弱音から、天井を突き抜けるような盛り上がりまでの迫力の凄い事!しかも、ヴィルトナーさんが興奮のあまり飛び跳ねながらドラマチックに第3楽章を終わらせてしまった為に、大拍手が起きてしまいまうハプニング(笑)仕切り直しての終楽章は悲しみのなかにも優美さが漂っていました。
大歓声に応えた、重厚なハンガリー舞曲のアンコールの後、もうびっしょり(笑)の指揮者ヴィルトナーさんのご挨拶です。英語・日本語(?)による感謝と「ヒデヨシ・ヤマノテ」という言葉。は?と思っていると、やにわにコンマスのヴァイオリンをとり、弾き始めたのはなんとJR山手線の発車メロディ。確かにあのメロディはインパクトあるかもなぁ、海外の音楽家にはなぁ、と意外な国際交流に妙に納得。
最後のアンコールは、六本木男声合唱団が加わり「ウボイ」の大演奏!ウボイは、オスマン・トルコとの決死の戦いに挑むクロアチア戦士たちの様子を歌ったオペラ曲で、サッカーのワールドカップでも応援団に歌われたとか。これを日本の男声合唱とクロアチア伝統のオーケストラが見事な交流を果たし、大満足のうちに幕を閉じました。
長くなってしまいましたが、友好的で楽しさ一杯のコンサートでした。指揮者ヴィルトナーさんにしてやられた感もなくはないですが(笑)もう、お見事!クロアチアにも強い興味を抱くきっかけになりそうです。また、三谷先生には公演終了後にご挨拶させて頂きましたが、多くの後輩達の尊敬を集める、気さくで心優しい人柄。感動しました。先生の素晴らしいご活躍とこの機会に感謝したいと思います。
<追記>
kohkouさん、変更された1曲目お教え頂きありがとうございました!
posted by stonez | 2005.09.17 03:59
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音楽 - コンサート