ラフマニノフ/ピアノ協奏曲 第2番

2月になりました。今月はいよいよトリノオリンピックが開催されますね。私が楽しみにしているのはフィギュアスケートですが、その中でも選手たちの華麗な演技に欠かせない伴奏として、ラフマニノフの音楽はよく使われているのではないでしょうか。

中でも「ピアノ協奏曲第2番 ハ短調 Op.18」といえば、アルベールビルオリンピックで伊藤みどり選手がトリプル・アクセルを決めて銀メダルに輝いた時の曲として有名ですね。

そんなわけでこの音楽を聴くと、凍てつくような寒い冬がイメージされます。曲の冒頭から聴こえてくる鐘は、ひたひたと忍び寄る冬の足音にも聴こえます。でも全体を通してロマンティックでメロディが美しく、またピアノは繊細でテクニカル。一度聴いただけでも鮮烈な印象が残るので、フィギュアスケートに限らず多くの映画でもひっぱりだこなのは納得です。

このピアノ協奏曲第2番を、ウラディーミル・アシュケナージのピアノ独奏、そしてベルナルト・ハイティンク指揮/アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団による演奏で。

まずは第1楽章。ラフマニノフらしい、深く思いにふけったような甘美な旋律。アシュケナージの透き通ったピアノの響きは健在で、技巧はさりげなく披露。さすが。オーケストラも均整の取れたアンサンブルで応え、叙情的な旋律をバランスよく奏でていきます。終わり方もラフマニノフらしくジャンジャンと。

ゆったりとしたロマンティックな第2楽章は、これぞラフマニノフの真骨頂。アシュケナージの透明度の高いピアノの音色が冴え渡り、フルートとクラリネットのソロも入ると、さらに夢のような空間を作り出していきます。

終楽章。力強いスケルツォ風の旋律と、そしてどことなくオリエンタルな旋律が交互に現れながら進行していきます。特に後者の美しさは格別で、ここではアシュケナージのピアノもハイティンク率いるオケも、程よくゆっくりと歌い込んでいます。本当に美しい。

ところでこの曲は、ラフマニノフが交響曲第1番の不評により極度のスランプに陥った後、彼の才能を知る精神科医の助けで復活するきっかけとなった曲です。ただその不評の原因となった初演、実は指揮者がラフマニノフを快く思っておらず、酔っ払っていいかげんな演奏をしたんだとか。それがなければラフマニノフは精神を病むことはなかったかもしれませんが、そのかわりにこの傑作が生まれたかどうかわかりません。奇妙な因果関係の産物といえそうですね。


さて、また明日からしばらくお休みします。今回で右目の治療の総仕上げ、入院と手術を伴います。3月頃にはしっかり完治させて、また戻ってきたいと思います。


posted by stonez | 2006.02.01 23:57 | Comment(17) | TrackBack(2) | 音楽 - 協奏曲
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