J.S.バッハ/無伴奏チェロ組曲 第1番 [ヴィオラ演奏版]

最近なかなか更新できない日々が続いております。仕事の合間に報告書を作っていて、この一週間の勤務時間が70時間を超えたのを知りました。こんなことは本当に久しぶり。あと一か月が正念場なのです。

ところで今月誕生した息子ですが、先日出生届も無事に提出でき戸籍上でも家族の一員となりました。今週は帰れませんでしたが、週末実家に帰って会う度に顔かたちや表情が変わっていきます。最近は泣き声がたくましくなってきたので隣で寝ている両親に気を遣う、と妻がぼやいておりました。

今回はバッハ作曲のチェロ組曲第1番 ト長調 BWV1007です。とはいっても今回は趣向を変えてチェロではなく、今井信子さんのヴィオラによる演奏です。聴きたくても、日頃なかなかじっくり聴くことが難しいヴィオラ。でも瑞々しさと安らぎを合わせ持ったこの楽器本来の魅力が演奏を通して伝わってきます。まさしく伴奏は必要ありません。

原曲でのチェロのように、深く落ち着いていて電気を消してしっとり楽しみたくなるような味わいというよりも、穏やかな昼下がりに緑を見ながら聴くのにぴったり。しかも、お世辞にも美味しいとは言えない都会の空気も心地よいそよ風に変えてしまうような、空気清浄機みたいな音楽がそこにはあります。

もちろん、これを演奏している今井信子さんが名演奏家だということは承知ですが、こういった録音のようにヴィオラ独自の表情を私たちに伝えるために積極的に活動されていることにも、聴く側として喜びを感じます。

連休に実家に帰る車の中で、緑とそよ風を感じてゆっくり走りながら聴くのが今から楽しみです。
posted by stonez | 2006.04.30 23:52 | Comment(6) | TrackBack(0) | 音楽 - 器楽曲

シューマン/交響曲 第1番「春」

本日23時58分、体重3,050g、身長50.5cmの元気な男の子が誕生しました!おかげさまで母子共に順調です。妻のおなかにいた時はずいぶん大きなもんだ、と思っていましたが、いざ対面してみると本当に小さくて小さくて・・・廊下に泣き声が聞こえてきたときは本当にゾクゾクするものがありましたが、とにかく後ろ髪をひかれる思いで病院を後にしました。

妻は里帰り出産ですので故郷の宇都宮にいますが、自分もこうして帰ってきてすぐに対面できるウィークエンドを選んで生まれてきてくれるなんて、誕生早々親孝行をされてしまったようで何だか照れくさい気分です。と、こういうのを親ばかというのでしょうね(笑)。まあでも、これからが大変。なんでもいいから健康にすくすく育ってほしいと思います。

そんな舞い上がった気分ですが、このときのためにとっておいた、シューマン作曲、交響曲第1番 変ロ長調 Op.38「春」を、クリストフ・エッシェンバッハ指揮/北ドイツ放送交響楽団の演奏で。

暖かく晴れわたった春の日のおだやかさ。それから、新緑がまぶしく目に飛び込んでくるようなダイナミックさ。そういった春到来の硬軟織り交ざった喜びが、時に心地よく、そして時に生々しく感じられる音楽だと思います。そう、まさに今の私の気分です。

エッシェンバッハというと彼自身の音楽性から、そんな生々しい演奏を想像していましたが、それでもこの「春」は弦や管、そして打のバランスも取れていますし、テンポも心地よく揺れていて聴き心地がいいです。北ドイツ響の音色によるところもありそうです。

でもまあ、こんなときですし日も変わって深夜ですし(今は翌15日の3時半)、もうこれ以上の文章が出てきません...とりあえず、この辺にしておきたいと思います(^^;

<追記>
たくさんの暖かいコメントを頂き感激です。本当にありがとうございます!
私は仕事に備えて川崎の自宅に戻ってきましたが、気力充分で明日からを過ごせそうです。またこれからもよろしくお願いいたします!
(2006年04月17日 0:50)
posted by stonez | 2006.04.14 23:58 | Comment(30) | TrackBack(1) | 音楽 - 交響曲

ブラームス/交響曲 第1番

昨日からぐずついたお天気。仕事が相変わらずなのと、妻が出産に備えて先月から帰省しているので食生活が不規則で偏りがち。なので、余裕がある日は菜食でいくことに決めました。今日はチャーシューなしのラーメンで(?)

さて、こんなモノトーンな日には、静かに目を閉じてブラームス。交響曲第1番 ハ短調 Op.68。ハンス・マルティン・シュナイト指揮/神奈川フィルハーモニー管弦楽団。

ブラームスが着想から実に21年も費やして丹念に作りあげたこの交響曲。バッハ、ベートーヴェンに次ぐ「ドイツ3大Bだ」とか、「この曲はベートーヴェンの第10交響曲だ」と言ったのは当時の指揮者ハンス・フォン・ビューロですが、確かにそれだけの存在感、熱意を感じられる音楽といえます。

シュナイトさんと神奈川フィルによる演奏は、そんなこの音楽の持ち味を存分に引き出すような非常にゆっくりとしたテンポ。いくつか聴いたブラ1の中でも飛びぬけています。でも、これが鈍重にならないような響きを持った神奈川フィルの特性を知った上で、シュナイトさんは振ったのではないかと想像します。

第1楽章のティンパニの連打と緊張感溢れる弦楽器。重量感とともに悲壮感が漂よう一方で、第2楽章の優しい響き。コンマス石田さんのソロは細くてピンと筋の通った音色。もはや凪の世界。そしてアットホームな第3楽章。短いけど繊細でまとまりのあるハーモニーを充分堪能。終楽章、クララ・シューマンに捧げられたメロディは、落ち着いたこのテンポにこそ優しさがあります。そして今この瞬間を確かめるかのように、着実に感動的なフィナーレに向かって進んでいきます。

毎回同じことを言うようですが、生で聴きたかった・・・

posted by stonez | 2006.04.12 23:02 | Comment(8) | TrackBack(4) | 音楽 - 交響曲

ハイドン/チェロ協奏曲 第1番

まだ仕事中ですが、気晴らしにこの出だしを書いています。数年前ならタバコを吸って気分転換したでしょうが、今はあの臭い自体が苦手です。人間て勝手なものですね(笑)。今のプロジェクトが長丁場とはいえずっと集中することが無理なタチですし、そろそろ目がチカチカしてきました。

そこで、ここは一服の清涼剤として殺伐とした心を癒してくれている音楽を。ハイドンのチェロ協奏曲です。2曲あるうちのどちらにしようか迷いましたが、日中はあたたかい青空の一日だった気がするので(ずっと室内なので推測)明瞭で快活な第1番 ハ長調で。演奏はジャクリーヌ・デュ・プレのチェロ独奏、ダニエル・バレンボイム指揮/イギリス室内管弦楽団です。

200年以上も前に活躍したハイドンのチェロ協奏曲第1番。しかし日の目を見たのは、なんと1961年。まだ50年も経っていない幻の音楽なんですね。しかも、デュ・プレは指揮者バレンボイムの元奥様にして、若くして難病に倒れた名チェリスト。結婚2か月前の彼らの素晴らしい音楽を、音質の良い演奏で楽しめる時代に生まれたことに感謝します。

この音楽はバレンボイム率いる明るく豊かな管弦楽と、それとは対照的に堰を切ったようにあふれ出てくるチェロとのコントラストが魅力。デュ・プレの苦難に満ちた短い生涯という先入観を取り払っても、彼女のチェロには何か際立った思いが込められているように思います。

第1楽章はスッキリ爽やか春のように陽気な始まり。テンポも心地よく。そこへチェロが入ってくるのですが、その格好よさといったらありません。これこそ一度は生演奏で聴きたいものです。そして第2楽章の穏やかさ、翳り、そしてそれに呼応するかのようなカデンツァ。弦だけに許された静かな時間。再び快活に戻った第3楽章は歯切れよく。ただ底抜けに明るすぎないのはやはりデュ・プレだからでしょうか。

これは一服の清涼剤にするのはもったいないですね。
休日にもゆっくり楽しみます。
posted by stonez | 2006.04.05 00:55 | Comment(2) | TrackBack(1) | 音楽 - 協奏曲