
それはさておき、今日はエリック・サティの誕生日です。思えば去年の今日もサティでエントリーしていました。それによると今年は生誕140年なのですね。今回もフィリップ・アントルモンのピアノで、短い3曲からなる曲集『太った木の人形のスケッチとからかい』です。
それにしても、名前からしてシュールですよねぇ。『太った木の人形のスケッチ』までなら辛うじてイメージが湧かないでもないのですが、いや聴いてもやっぱり湧きませんでしたが(笑)。2曲目の「やせた踊り」という名前もヘンです。太ったりやせたり。そもそも彼の曲にはそういうユーモラスな名前が多いですが、まあ曲名そのものにあまり捕らわれる必要はないのかもしれませんね。
曲の方はというと、日常と非日常の間ををふわふわ行ったり来たりしつつ、空気のように自然に耳に収まります。アントルモンの演奏は甘くて美しくて、フランス語のささやきみたいです。そして至るところに散りばめられたサティ流のパロディ。このあたりが『からかい』なんでしょうか。
3曲目の「スペイン」を聴いたとき真っ先に、”あっ、これシャブリエのスペイン”と思いましたがそれもそのはず、サティがドビュッシーやシャブリエのスペイン趣味を皮肉ったものなんだそうです。他にも1曲目の「トルコ風のチロル舞曲」では、モーツァルトのトルコ行進曲をもじっていて遊び心満点。
フランス系ピアノ曲はクセになりますね・・・
Tags:アントルモン