そんな昼下がり、ラウンジで聴きました。ブルッフ作曲、七重奏曲 変ホ長調 遺作。ベルリン・フィルハーモニー八重奏団員。クラリネット、ホルン、ファゴット、ヴァイオリン×2、チェロ、コントラバスという編成。
ブルッフのセプテット、一度聴いただけで好きになりましたが、それから何度聴いても色褪せることがありません。春を思わせる若々しさ、広がる色彩感、シンフォニックな構成。これを11歳(!)でつくったブルッフの早熟ぶりもさることながら、最近まで発見されずにずっと冬眠状態だったという事実が凄い。
第1楽章は瑞々しく、晴れやかな田園風景を思わせる。第2楽章はしっとり穏やかなアンダンテ。第3楽章は飛び跳ねるような可愛らしさがあって、でも優雅なスケルツォ。第4楽章はラルゴの序奏に、充実したアレグロ・ヴィヴァーチェが続く。快活な疾走感、充実したハーモニーとともにクライマックスへ。
室内楽的にはちょっと変わった、しかも大きめな編成ということになりますが、風通しの良さはそのままに豊かな響きがプラスされた演奏はさすがBPO。それぞれ全部の楽器にある見せ場も鮮やかに楽しませてくれます。それにしても、楽器ができたらこんな楽しい曲を演奏してみたいなぁ!