ドビュッシー/レントより遅く

はからずも9連休となったGWなんですが、週間予報によると今日は貴重な良い天気、ということで千葉のマザー牧場に行ってきました。

川崎だから東京湾アクアラインを使えばわけないだろうという発想でしたが、いやぁ甘かった(笑)。道に迷ったのと大渋滞が災いし3時間半かかりました。実家より遠く感じました。写真は帰りの海ほたるPAにて。やっぱり海は大きかった!。マウスオンはそのマザー牧場にて。大混雑でした。

今日はドビュッシー作曲、レントより遅く。サンソン・フランソワのピアノです。

おなじみフランソワのちょっと気だるく気まぐれなピアノですが、それがこの音楽にはぴったりです。

レントより遅くなんだけど、やけに速くなったり。それは今日の私たちの、楽しかったり美味しかったりしたときの高揚感なんだろうな。渋滞にどっぷり浸かった時はぐったりしつつ、まったりと。

全体的には約7時間を車の中で過ごした気分そのものということで。
posted by stonez | 2007.04.29 23:59 | Comment(2) | TrackBack(0) | 音楽 - 器楽曲

追悼 ロストロポーヴィチ

マイスキーのチェロを取りあげたばかりすが、彼のチェロに欠くことのできない恩師であり、音楽ファンにも馴染み深い名チェリスト、ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ氏が今日亡くなりました。享年80歳。

私にとってはロストロポーヴィチというと、チェリストとしてはもちろんですが指揮者としての印象も強いです。持っている録音は指揮のものでした。そんなわけで彼がナショナル交響楽団と残した、ショスタコーヴィチの交響曲第7番「レニングラード」で冥福を祈りたいと思います。

同じレニングラード交響曲でも、そして同じソ連を経験してきた音楽家としても、ロストロポーヴィチにはヤンソンスやゲルギエフといったまだ若いマエストロの作り出す派手さ、リズミカルさはさほど感じません。そこにあるのはちょっと緊迫感をもって並べられていく音楽という印象です。これが、政治的に厳しかったという昔のソ連を見、そしてひどい仕打ちを受けてきたかどうかの違いなのかと、知らないなりに想像します。

この録音がなされた1990年に彼が来日した折、ペレストロイカの進むソ連について、熱っぽく語ったといいます。彼のチェロをいつか聴いてみたいと思います。
posted by stonez | 2007.04.27 23:22 | Comment(2) | TrackBack(2) | いろいろ

ベートーヴェン/チェロ・ソナタ 第1番

今日も雨。風邪っぴきの息子は一週間たってやっと熱が下がりましたが、通院6回、血液検査4回、点滴2回、大学病院も体験しました。収穫といったら治療の過程で貧血が判明したことくらいでしょうか。今度はこちらを治療中。確かに顔青白いもんなぁ、そんなとこ似なくてもなぁ、将来日焼けできなくて悩むんだろうなぁ。。。

さて。チェロというと、その音色から哀愁をおびた秋がイメージされますが、なかには明朗快活で今の季節によく合う作品もあります。ベートーヴェンのチェロ・ソナタ第1番 ハ長調 Op.5-1 もその一つ。全2楽章からなるベートーヴェン初期の作品。ミッシャ・マイスキーのチェロ、マルタ・アルゲリッチのピアノで。

チェロ・ソナタといいつつも、実はベートーヴェンが弾いたピアノの方が存在感を発揮するあたりは、ロマン派のさきがけことベートーヴェンのオレ様ぶりを知る格好のエピソード。でもそれがアルゲリッチの情熱的な演奏にぴったり。そして優しく受けとめつつ躍動するマイスキー。チェロに感じる春の息吹。

ベートーヴェンにしてはめずらしく甘い香りもただよったりするのは、息の合ったパートナー同士の成せる技でしょうか。
posted by stonez | 2007.04.25 00:06 | Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽 - 室内楽曲

シベリウス/交響曲 第3番

桜前線を追いかけるように帰省して、そこで寒さを体感して戻ってきたら川崎もなぜか寒く、まずは息子が風邪でダウンして初めて点滴する羽目に。ついに妻にもその兆候が。ここが核家族のアキレス腱で、仕事を休むかどうかに関わってきます。

というわけで、ここ数日は凍えるような雨や風の日ばかり。そこでじんわり内側からあったかくなるような音楽でゲンかつぎ。シベリウス作曲、交響曲第3番 ハ長調 Op.52。

フィナーレで喜びに到達する、というのは前作の第2番に似てますが、その表情はずいぶん違っていて内面からにじみ出てくる人間味と、大自然がより間近に感じられます。馴染みの良いメロディはそのままに、大衆向けからシベリウス自身への作風の転換。派手さはなくても充実があります。暖かい部屋でチビチビ飲みながら聴くのにもよいかと。

弦の低音と管の高音が独特のモノトーンをつくりだす第1楽章も、終楽章の湧き上がる喜びももちろん素晴らしいですが、印象的なのはじんわりと匂いたつ第2楽章。厳しさの奥底に流れているあたたかさ。私には屈指の緩徐楽章です。

お気に入りはパーヴォ・ベルグルンド指揮、ヨーロッパ室内管弦楽団。落ち着きがあって緊密なアンサンブル。音の隅々までがよく聴こえて好奇心が刺激されます。

さて明日も通院なので早じまい。春はどこいった?
posted by stonez | 2007.04.20 23:15 | Comment(8) | TrackBack(2) | 音楽 - 交響曲

モーツァルト/弦楽四重奏曲 第14番「春」

息子が1歳になりました。さっそく群馬の実家でお祝いの儀式をしてもらいました。30年前は自分もこんなだったのかと感慨深いですが、いかんせん記憶がないもので(笑)。まあいよいよこれから大変だなあと神妙になったりして。マウスオンは一年前のワンショットです。

今日はモーツァルト作曲、弦楽四重奏曲第14番 ト長調 K.378。モーツァルトがハイドンから影響を受けて作曲し、そして直接ハイドンに捧げたという「ハイドン・セット」の1曲目にあたるこの作品は、最近になって「春」と呼ばれるようになったんだとか。

若々しさの中に躍動感が息づく第1楽章。朗らかで伸びやかな第2楽章、メヌエット。しっとり深みのある第3楽章、アンダンテ・カンタービレ。うきうきと軽快なステップのフィナーレ。聴けば聴くほど感じる解放感、これを「春」と呼びたい気持ちがよくわかります。

演奏はiTunes Storeであれこれ試聴していてみつけました。ザロモン弦楽四重奏団。飛び抜けて澄んだ音色、豊かな抑揚、まるで静寂を切り裂くようにしながら立体的に聞こえてきます。調べてみたらなんと1stヴァイオリンはサイモン・スタンデイジ。先日驚いたばかりでした。

ピリオド楽器のイメージがガラッと変わった彼らの演奏に、これからも注目してみます。

<追記>翌日にリベンジを果たしたので、写真を差し替えました(^^ゞ
posted by stonez | 2007.04.14 22:05 | Comment(4) | TrackBack(0) | 音楽 - 室内楽曲

グリーグ/ピアノ・ソナタ

もう見納めの夜桜です。桜が咲くと、その後は決まって雨ばかりのような気がします。「決まって雨」といえば小学校の運動会を思い出しますが、あれは何かの試練だったのでしょうか。それはさておき息子が歩きました。親にとっては忘れられない8歩でした(マウスオン)。

今日はグリーグ作曲、ピアノ・ソナタ ホ短調 Op.7。ピアノは北欧フィンランドと日本で活躍するピアニスト、舘野泉さん。

グリーグのピアノといったらまずはコンチェルトですが、私の好みはこちらのソナタです。ショパンを思わせる情感とドビュッシーのような色彩を持った、北欧らしい透明な音楽です。あまり多くを語りすぎず、それでいて詩的というところは日本人の感覚にも合っている気がします。舘野さんのピアノにはそういう「間」というか空気感が感じられます。

第1楽章のしんしんと雪が降るような響きとか、第2楽章の水が流れてくような色彩感なんて好きですね。体に染み込んでくような優しさです。このあとは穏やかなトリオを持ったメロディアスなメヌエット、厳しい気候を思わせる疾風のフィナーレへと続きます。

個人的にはラヴェルあたりのオーケストレーションでも聴いてみたい気がしましたが、やっぱりピアノだからいいんでしょうね。グリーグは器楽や室内楽といった小規模なジャンルにも魅力的な作品を多く残しているようです。
posted by stonez | 2007.04.10 00:15 | Comment(2) | TrackBack(0) | 音楽 - 器楽曲

R.シュトラウス/交響詩「英雄の生涯」

横浜港北ニュータウンの阪急デパートにはよく行きます。そこの最上階にはなぜか観覧車があって前々から気になってましたが、先日ついに初乗車。天気は悪かったものの息子は景色に釘付けでした(マウスオン)。

今日はエイジオブエイジこと、大植英次指揮/大阪フィルハーモニー交響楽団による、リヒャルト・シュトラウス作曲、交響詩「英雄の生涯」Op.40を。以前リベラ33さんがいらして横浜サミットが開かれた折に話題になった大植さんの音源を入手しました。

シュトラウス最後の交響詩は圧倒的なスケールと完成された中世騎士道の世界。颯爽とした「英雄」に、にっくき敵。英雄の伴侶は安らぎをくれるけど割って入るように敵との戦いが。それに見事勝利し、業績が称えられた英雄は惜しまれつつ静かに去ってゆく。そんな感じでしょうか。

大植さんを聴くのは初めてですが、隅々までキメ細かな音色で迫ってくる演奏でした。穏やかな旋律はより透き通り、戦慄のリズムは更にリアルに響きます。それに俊敏に応える大阪フィルも素晴らしいですね。

ところで、実のところ「英雄」というのはシュトラウス本人がモデル、批評家やライバルを「敵」に設定し、自分の残した業績(作品)を掲げているそうで。確かにティルやドン・ファンが出てきます。

なんだか現実的で夢がない感じですが(笑)、でも彼が30代の若さで「これで交響詩は終わり」と決意した意気込みは伝わってきます。
posted by stonez | 2007.04.04 21:25 | Comment(4) | TrackBack(2) | 音楽 - 管弦楽曲

プッチーニ/歌劇「ラ・ボエーム」

桜が満開になりました。写真は東京・目黒川にて。普段はあまり気にしない小川ですが、この時ばかりは風情のある清流に(笑)。昨日はうちのチビを連れて近所を散歩してきました。やっぱり外は気持ちいいですね。マウスオンもあります。

昨日はNHK芸術劇場の、藤原歌劇団によるオペラ「ラ・ボエーム」公演の放送を楽しみました。なかなかゆっくりコンサートやオペラを見に行けない最近の私にはありがたいプログラムです。

パリで芸術家を目指す若者たちを描いた青春群像。そして悲劇的な恋。体の弱いヒロインが死を迎えるというストーリーはヴェルディの椿姫に似ていますが、違うのは貧しくて、寒くて、暗闇に包まれているところ。一段と悲劇的。それなのに登場する若者たちには前向きさ、ユーモア、魅力的な個性、情熱があふれていて、生きるということを問いかけられている気がしました。

ポルタメントが美しく、スケールが大きいアリアの数々はプッチーニの醍醐味ですね。ロドルフォの生き生きした「冷たい手を」、ミミが可憐に歌い上げる「私の名はミミ」の若々しさにも生を感じたし、それぞれの人物の個性と雰囲気がよく出ていたと思います。ミミの最期のシーンは本当に可哀想で寂しくなりました。

とにかく男声が多いので、そのぶんミミやムゼッタが際立ちました。ロドルフォとミミがすぐに恋に落ちたり、ムゼッタがなぜか凄くいい人に変わったり、というのもありましたが、それはこの作品の魅力のうちということで(^^ゞ 絵画調の舞台も素敵でした。

■主な配役
ミミ・・・砂川涼子
ロドルフォ・・・村上敏明
ムゼッタ・・・高橋薫子
マルチェルロ・・・堀内康雄
ショナール・・・三浦克次
コルリーネ・・・久保田真澄

■演奏・収録
合唱:藤原歌劇団合唱部
児童合唱:多摩ファミリーシンガーズ
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
指揮:園田隆一郎
演出:岩田達宗
収録:2007年1月 Bunkamuraオーチャードホール(東京)
posted by stonez | 2007.04.02 15:55 | Comment(4) | TrackBack(1) | 音楽 - オペラ・声楽