
先日、息子が扁桃腺を患いましたが、ついにそれが妻にも出てしまいました。それがようやく回復してきた折、またも息子が熱を出しヒヤリとしましたが、今のところ熱は引いて落ち着いています。ついでに私も一瞬寝込みました。健康のありがたさが身にしみます。
今日はブラームス作曲、ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲 イ短調 Op.102。演奏は独奏がギドン・クレーメル(ヴァイオリン)、ミッシャ・マイスキー(チェロ)、そしてレナード・バーンスタイン指揮、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団です。
もともとブラームスの第5番交響曲になる予定だった、という”いわく”つきの作品なだけあってオーケストラの充実ぶりはさすがという印象。それだけに、少しだけマニアックなこの編成になったのはもったいなかったのでは、と写りましたが。。。でもそこに至る経緯が興味深いです。
ブラームスが、古くからの親友だった名ヴァイオリニスト、ヨーゼフ・ヨアヒムの離婚問題で夫人の味方についたために、ヨアヒムとは絶交状態になってしまったものの、計画中の交響曲をヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲に変更し、ヨアヒムに助言を求め関係を回復した、というもの。
理由にもよりますが、だいたい親友夫婦がモメたとして、大抵は親友の肩を持つのがよくある話かなと思いますが、そこでわざわざ親友との関係を投げ打ってまで、しかも特別にこだわってきた交響曲のスタイルを崩してまで生き方に筋を通したところはさすがブラームスですね。シューマン亡き後のクララとの接し方にも通じるところがありそうです。
そんなブラームスらしさがにじみ出ているこの作品。2つの独奏楽器がオクターブで寄り添ったり、それぞれが追いかけっこをしたりと、まさに和解の協奏曲を感じさせますが、まずは交響曲らしい威厳と風格に満ちた第1楽章。牧歌的でブラームスならではの暖かさが感じられる第2楽章。リズミカルで充実した第3楽章。
バーンスタインらしいゆったりした構え、情熱的な表現をクレーメル、マイスキーもしっかり支えて聴き応え十分。そんな演奏です。
posted by stonez | 2007.09.11 00:44
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音楽 - 協奏曲