シベリウス/ヴァイオリン協奏曲

来週は群馬に帰省しますが、ちょうど私の母と祖父と祖母の誕生日が近いので、そのプレゼントを探しにデパートへ。

本屋さんに立ち寄ると、これがなかなかクラシック音楽関連の書籍が充実しています。あれこれと物色したかったのですが、まだじっとしていられない息子に気を取られるので、ゆっくり見られません。また今度。

今日はシベリウス作曲のヴァイオリン協奏曲 ニ短調 Op.47。ヴァイオリンは五嶋みどり、ズービン・メータ指揮、イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団の演奏で。

もともとヴァイオリニストになりたかったシベリウスが、こだわりにこだわって推敲を重ねて改訂したこの作品は、ヴァイオリンの技巧的なカッコ良さもさることながら、劇的な緊迫感をはらんだシンフォニックなところがまた魅力。20世紀に入ってからの作品ではあるものの、そのまま身をまかせられるほどメロディも魅力的です。

力が入っていて時間的にも巨大な第1楽章。4分割されたヴァイオリン群が描くほの暗い色彩を、切り裂くような独奏ヴァイオリンの堂々とした姿。ピンと張りつめていながらもしなやかで美しい五嶋みどりさんの音色がよく合っています。メータもそれにぴたりと合わせたダイナミックなオーケストラを聴かせます。第2楽章の穏やかさの中ににじむ物悲しさも、第3楽章のリズミカルな旋律、火の吹くようなヴァイオリンもまた素晴らしい演奏でした。
posted by stonez | 2007.09.30 23:47 | Comment(2) | TrackBack(0) | 音楽 - 協奏曲

モーツァルト/交響曲 第32番

いま住んでいるところは近くに公園が少ないのが悩みですが、最寄り駅の近くに小さいながらもいい公園ができました。写真はそこにあるこぢんまりとした池です。

それにしても公園までの上り坂をベビーカーを押して歩いただけで息切れが(笑)、まずいです。思った以上に体力が落ちています。何とかしないとこの先心配です。。

今日は、モーツァルト作曲の交響曲第32番 ト長調 K.318。オトマール・スウィトナー指揮、シュターツカペレ・ドレスデンの演奏にて。

モーツァルトがパリへの旅行を終えてザルツブルクに帰ってきた頃の作品。わずか8分程度の可愛らしい交響曲です。第1楽章が緩徐楽章をサンドイッチにしたような構造になっていて、しかも楽章間は切れ目なく自然につながっているので単一楽章のようでもあります。それからその晴れやかな雰囲気と耳なじみ良いメロディからオペラの序曲のようでもあります。

N響をはじめ日本にも馴染み深いスウィトナーですが、さすがに定評のあるモーツァルト、整然とした中にも思わず笑みがこぼれるような暖かさが素敵です。モーツァルトらしい楽しさがあります。
posted by stonez | 2007.09.27 22:17 | Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽 - 交響曲

オーケストラアンサンブル豊島 第4回 定期演奏会

<日時・場所>
 2007年9月23日(日)
 文京シビックホール 大ホール

<曲目>
 ベルリオーズ/ローマの謝肉祭
 グノー/歌劇「ファウスト」よりバレエ組曲
 ベートーヴェン/交響曲第7番

<演奏>
 指揮:小森 康弘
 オーケストラアンサンブル豊島

おさかな♪さん所属のオーケストラから招待をいただき、家族3人で行ってきました。息子はまだ1歳5か月ということで初めての親子室です。1階の左奥の防音ルーム(写真)からステージを見つめます。

まずはベルリオーズ。生き生きとした快活な演奏。息子も膝の上でじっと聴いているようで、まずまずの滑り出し。スピーカーから熱気あふれる演奏がよく伝わってきました。つづいてグノーは、徐々にボルテージの上がってくる楽しい曲たちでしたがここで問題が。ついに息子がグズり始めました(笑)。

私と妻とでなだめるも不調、他のお子たちにもそれが伝染し始めたところでついにロビーに退却です。幸い演奏はモニター(写真B面)と小音量スピーカーを通して聴くことができましたが、息子は窓の外に見える車の列に気を奪われ興奮気味。まあちょうどそういう時期、仕方がないですかねぇ。

休憩を挟んでメインはお気に入りのベト7でしたが、ロビーで走り回る息子を追いかけながら耳を傾けるという感じで。でも弦の美しさと熱気は伝わってきました。面白かったのが、前半で親子室にいた人たちもロビーで子守りに追われていたところ(笑)、みんな同じなんですね。

そんなわけで興奮のベト7が終わったところで、後ろ髪をひかれる思いでホールを後にしたのでした。しばらく子連れは厳しそうです。とはいえ今回も貴重な体験ができたわけで、おさかな♪さんどうもありがとうございました!
posted by stonez | 2007.09.24 23:55 | Comment(4) | TrackBack(0) | 音楽 - コンサート

ムソルグスキー/交響詩「はげ山の一夜」

写真は小田急小田原線・向ヶ丘遊園(むこうがおかゆうえん)駅。切妻屋根のレトロな木造駅舎は、刷新の進む小田急にあって数少ない昔の面影です。同名の遊園地は既にありません。

今日はムソルグスキー作曲、交響詩「はげ山の一夜」。ムソルグスキー原典版です。クラウディオ・アバド指揮、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団です。

通常よく演奏されているのは、実はR.コルサコフによる編曲版だったということを最近知りました。確かディズニー・アニメのファンタジアではストコフスキー編曲版だったと思いますが、どうやらムソルグスキーの場合は、その荒削りな作風からか比較的編曲されているものが多いようです。

魔物たちが一斉に集合してドンチャン騒ぎをする様子がそのまま伝わってくる、この原典版の演奏。R.コルサコフ版では登場する、魔物たちが退散した後の静かな描写はありませんがそのぶん勢いに圧倒されます。R.コルサコフ版が、あの映画ジョーズのような不吉な怖さだとすると、ムソルグスキーのそれはまるで木々を豪快になぎ倒しながらやってくる恐竜です。

アバドは大のムソルグスキー・フリークだそうで、いろいろなバージョンの「はげ山〜」を録音しているようです。こういう面白い演奏を広めたことは少なからずベルリン・フィル時代の功績といえるかもしれません。このおどろおどろしい原典版にかなり近い、合唱つき版も録音しているそうです。聴いてみたいです。
posted by stonez | 2007.09.22 01:04 | Comment(6) | TrackBack(0) | 音楽 - 管弦楽曲

ウェーベルン/パッサカリア

初めてのメガネ生活が始まりました。かけたときの違和感は多少ありますが、じき慣れるでしょう。日常生活に不安がなくなるのは良いことです。

メガネをかけると、今まで直接見ていたところから一歩引いて、少し客観的に見える気がします。その感覚が新鮮です。温かいソバを食べつつレンズを曇らせるのも体験しました。

新鮮という意味では、ウェーベルンを聴いたときの感想がまさにそうでした。このあたりの作品になってくると、観賞対象というよりも学術的な成果というイメージがありますが、それでもこの作品は割りと取っつきやすいです。それは、パッサカリア Op.1。胸騒ぎのする不穏な静けさが、やがて巨大な濁流へと飲み込まれていくスリリングな感覚は、聴いていると結構ハマります。

それまでの調性に縛られた音楽を自由に解き放って無調へ、そして12音技法へと進みながら終着点を目指すにあたり、最初の作品にパッサカリアというバロック時代にまでさかのぼる、古典的な変奏の技法を用いて調性との決別を宣言した、と言われていますが。このあたりはよくわかりません。。。

聴いている演奏はヘルベルト・ケーゲル指揮、ライプツィヒ放送交響楽団です。研ぎ澄まされた鋭さと爆発したときの迫力、リアリティに満ちた演奏です。ケーゲルといえば、ドイツ統一後にピストル自殺を遂げたことでも有名ですが、銃といえばウェーベルン自身も米兵の誤射により命を落とすという憂き目に遭っています。
posted by stonez | 2007.09.20 01:20 | Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽 - 管弦楽曲

ニールセン/交響曲 第1番

高校時代、公立の男子校に通っていましたが、男女共学校は一部を除いて実業高か遠くの私立高しかありません。それほど群馬は保守的(?)なところで、国政でいうといま総裁選をやっている政党しか選択肢がありません。ですが今回ばかりは同郷の福田さんに頑張ってもらいたいです。そういえば麻生さんのマンガ好きは有名ですが、福田さんのクラシック音楽好きはあまり知られてなさそうです。

さて、ここしばらくはニールセンを聴いています。ヘルベルト・ブロムシュテット指揮、サンフランシスコ交響楽団の全集盤ですが、その中から交響曲第1番 ト短調 Op.7です。

なんだか北欧作曲家ニールセンの交響曲への意気込みが伝わってくる、記念すべき第1番の交響曲。なんと第1楽章はアレグロ・オルゴリオーゾ(誇らしげに)という指示つきです。ブロムシュテットらしい重厚で統率のとれた一つ一つの響きがこの雰囲気に花を添えています。

そんなわけで第1楽章は雄弁にして快活で聴き応え十分です。つづいて、ホルン以外の金管が沈黙、そよ風のように美しい弦の音色が印象的な第2楽章。第3楽章は深い森の中をゆっくり分け入っていくような気分になる不思議な旋律。そしてアレグロ・コン・フォコの通り、火のように駆け抜けるフィナーレでした。

そういえば、福田さんが「ほうぼうから推薦の声をいただき・・・」と言ってましたが、その言い方に懐かしさを感じたのでした(笑)
posted by stonez | 2007.09.18 02:41 | Comment(4) | TrackBack(0) | 音楽 - 交響曲

ブラームス/ヴァイオリンとチェロのための協奏曲

先日、息子が扁桃腺を患いましたが、ついにそれが妻にも出てしまいました。それがようやく回復してきた折、またも息子が熱を出しヒヤリとしましたが、今のところ熱は引いて落ち着いています。ついでに私も一瞬寝込みました。健康のありがたさが身にしみます。

今日はブラームス作曲、ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲 イ短調 Op.102。演奏は独奏がギドン・クレーメル(ヴァイオリン)、ミッシャ・マイスキー(チェロ)、そしてレナード・バーンスタイン指揮、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団です。

もともとブラームスの第5番交響曲になる予定だった、という”いわく”つきの作品なだけあってオーケストラの充実ぶりはさすがという印象。それだけに、少しだけマニアックなこの編成になったのはもったいなかったのでは、と写りましたが。。。でもそこに至る経緯が興味深いです。

ブラームスが、古くからの親友だった名ヴァイオリニスト、ヨーゼフ・ヨアヒムの離婚問題で夫人の味方についたために、ヨアヒムとは絶交状態になってしまったものの、計画中の交響曲をヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲に変更し、ヨアヒムに助言を求め関係を回復した、というもの。

理由にもよりますが、だいたい親友夫婦がモメたとして、大抵は親友の肩を持つのがよくある話かなと思いますが、そこでわざわざ親友との関係を投げ打ってまで、しかも特別にこだわってきた交響曲のスタイルを崩してまで生き方に筋を通したところはさすがブラームスですね。シューマン亡き後のクララとの接し方にも通じるところがありそうです。

そんなブラームスらしさがにじみ出ているこの作品。2つの独奏楽器がオクターブで寄り添ったり、それぞれが追いかけっこをしたりと、まさに和解の協奏曲を感じさせますが、まずは交響曲らしい威厳と風格に満ちた第1楽章。牧歌的でブラームスならではの暖かさが感じられる第2楽章。リズミカルで充実した第3楽章。

バーンスタインらしいゆったりした構え、情熱的な表現をクレーメル、マイスキーもしっかり支えて聴き応え十分。そんな演奏です。
posted by stonez | 2007.09.11 00:44 | Comment(6) | TrackBack(1) | 音楽 - 協奏曲

巨星墜つ・・・パヴァロッティ死去

ルチアーノ・パヴァロッティ死去・・・前々から膵臓ガンのため体調が芳しくないことは聞いていましたが、なにせ、ついこの間のトリノオリンピックで「誰も寝てはならぬ」を颯爽と歌っていた姿が脳裏に焼き付いていましたから、さすがに驚きました。

私のように、オペラで活躍する彼を見たことがない人間でも、三大テノールでもひときわ存在感を放った巨人だったこと、キング・オブ・ハイCの名を欲しいままにしたことなどを知っているくらいです。あの圧倒的で張りのある歌声を聴くことがもうできないというのは寂しい思いです。

彼のベストアルバムから、レオンカヴァッロのオペラ「道化師」より「衣裳をつけろ」を聴いています。ここからは、最愛の妻に裏切られて絶望的な気分に沈むパリアッチョというよりも、悲嘆に暮れつつパワフルに主張するパヴァロッティ本人が浮かんできます。演じている役柄を超越してしまうような、強烈な個性と存在感を持った歌声はもう聞こえなくなってしまいました。合掌。

期待の新iPod発表に、猛威を振るう台風に、パヴァロッティの訃報に。
大きな出来事がいっぺんにやってきた一日だった。。。
posted by stonez | 2007.09.06 23:28 | Comment(4) | TrackBack(1) | 音楽 - オペラ・声楽

ラヴェル/ソナチネ

昨年、網膜剥離の手術をしてくださった大学病院の先生が独立、開業することになり、私もそちらに通院してきました。いよいよ人生最初のメガネをつくることになりそうです。写真は最寄りのJR横浜線・十日市場駅。シンプルでほのぼのした駅舎です。

今日はラヴェル作曲のピアノ曲、ソナチネ。その名前が示すとおりの小さな小さなソナタ。でもその表情は色彩と透明感がひろがる大人な世界。ピアノはマルタ・アルゲリッチです。

1曲目は小雨が降りしきる中を、うつむき加減に歩いていくような気分になる音楽。音の中に涼があります。次のメヌエットは静かな夜に聴きたい、繊細で美しい1曲。そこを流れる空気を浄化してくれそうな心地よさです。最後の曲は本降りになった雨のよう。雨粒が生き生きと躍動しているように聞こえてきます。

メヌエットでのしっとり落ち着いた中に見せる憂鬱、そして、ほとばしる情熱の一端が垣間見える第3楽章。この小さな小さな作品の中にも、アルゲリッチの魅力はしっかりと感じ取れます。

さてさて、このあと深夜2時から始まるAppleのイベントで新型iPodが発表されるらしいです。楽しみに待ちたいと思います(^^
posted by stonez | 2007.09.05 23:59 | Comment(0) | TrackBack(2) | 音楽 - 器楽曲

グリーグ/チェロ・ソナタ

ちょっと薄暗い天気のせいもあるでしょう。日に日に涼しく、過ごしやすさを感じるようになってきました。写真は東京・晴海通りの勝鬨橋にて。屋形船も見えます。月末に客先へ報告に行くときは、少しのんびり外の空気を吸うのが楽しみです。B面は初めて浴衣を着たときの息子です。

今日はグリーグ作曲、チェロ・ソナタ イ短調 Op.36。チェロはフィンランド・チェロ界の重鎮エルッキ・ラウティオ、そして舘野泉さんのピアノです。

どちらかといえば小規模な編成による抒情豊かな作品を多く残したグリーグ。このチェロ・ソナタもそうした中の1曲ですが、編成からは想像もできないほどスケールが大きくてシンフォニックです。情熱がほとばしるようなラウティオ氏のチェロと、舘野さんの繊細で透明感のあるピアノとが絶妙です。


第1楽章、北国の厳しい自然と、グリーグの情熱とが交錯するようなダイナミックな響きが印象的。第2楽章、密やかに奏でられるピアノと情感のあるチェロ。奥行きを感じる本当に美しい調べです。第3楽章は舞曲風の旋律が小気味よく、徐々に興奮を増していき幕を閉じます。

舘野さんは、先日テレビを通じて拝見することができましたが、脳溢血で倒れ右半身がマヒしてから左手のピアニストとして再出発していくまでに大変な苦悩があったことを知りました。このCDに収められているグリーグの3つのソナタはもう聴くことができないかもしれませんが、いつか彼のために生まれた左手のための作品を聴いてみたいものです。
posted by stonez | 2007.09.02 02:10 | Comment(2) | TrackBack(0) | 音楽 - 室内楽曲