メンデルスゾーン/序曲「静かな海と楽しい航海」

N響の名誉指揮者としても馴染み深いホルスト・シュタイン氏が亡くなりました。私にとっては映像やCDでの存在でしたが、豊かで重厚な音づくりや、あの独特の頭の形が印象深いです。そのシュタイン氏がウィーン交響楽団を指揮した録音で、メンデルスゾーンの序曲「静かな海と楽しい航海」を聴いています。

弦楽器が静かに歌い、「静かな海」を想像させる美しいアダージョから始まります。どこまでもつづく一面の青空と、穏やかに広がる海を思わせるスケールの大きさ。そしてその中をゆく船が。明快な旋律とともにテーマは「楽しい航海」へと移っていきます。希望に満ちた伸びやかな旋律は弾むようなテンポを伴って、船上での楽しいひと時そのもの。そして再び大海原にフレームアウトしていき曲は結ばれます。これを聴きながら、メンデルスゾーンは一級の風景画家である(ワーグナー談)という話を思い出しました。

シュタイン氏はこの作品を日本の公演でも取り上げているようで、気に入ったレパートリーだったのかもしれませんが、その自信あふれるダイナミックなサウンドは順調な航海そのもの。海原の雄大さは天国的な雰囲気すら漂います。

ご冥福をお祈りします。
posted by stonez | 2008.07.31 01:39 | Comment(2) | TrackBack(3) | 音楽 - 管弦楽曲

祝・iPod Classicもこの手に

おまけにMacBook Proを手に入れた感動の余韻が未だ消えない私ですが、人気のiPhone 3Gを尻目に、今度は念願だったiPod Classicを手に入れました。しかも当面困らない160GBもの大容量。待ちに待ったギャップレス再生。このブログのアドレスで刻印した本体デザイン。お金で買えない価値がある、買えるものはマスター VISAカードで。というわけで禁断の決済に突入です(笑)

さて、まずはなんといっても一番に試したかったこと、ベートーヴェンの「運命」と、シベリウスの第2番を聴いてギャップレスを確かめることです。あの終楽章に入る感動的な場面で『プツッ』となってしまっていた曲間の「空白」がなくなったこと、当たり前のようにスムーズに演奏されたことに感動でした。これでシベ7とかも大丈夫です。

そして次にやってみたかったこと。それはムービーです。あいにく、iTunes Storeにはクラシック系の映像は転がっていなかったので、過去に録画したビデオを取り込んでみました。エネルギッシュにタクトを振るアラン・ギルバートに、汗の飛び散るヤンソンス、そして奏者たち。電車通勤の楽しみがまた一つ増えました。

おしまい暗くすると。。開けてみるとこんなところに

ハードな仕事と暑い夏はこれからが本番ですが、これで乗り切りたいと思います。そうそう、iPodに刻印した都合上ブログがんばらないといけません(笑)。運営会社のシーサーさんにもお世話になります。以上、よろしくお願いいたします。

Tags:ipod 
posted by stonez | 2008.07.28 02:08 | Comment(4) | TrackBack(0) | いろいろ

ブルックナー/交響曲 第7番

rainy dayブログはこの体たらくでありますが、それでも写真の方は折に触れパシャパシャやっています。パフォーマンスの良いMacBook Proを手に入れたことで、デジカメライフはこれまで以上に身近なものになりました。まあボツ写真ばかり量産中なのは言うまでもありませんが(笑)。久々の1枚は「雨の日デビュー」を果たしたわが子です。あいかわらず元気いっぱいです。

さて、ここしばらくずっと聴いている音楽です。ブルックナー作曲、交響曲第7番 ホ長調。ブルックナーが交響曲作曲家としての地位を固めたといわれる傑作です。聴いてみてわかりましたが、どの楽章も親しみやすく長大な演奏時間もさほど気にならなくなりますね。私にとっての鑑賞は通勤時にiPodを通してですが、じっくり耳を傾ければいろんな情景が浮かんで楽しいですし、反対に本などを読みながらとか、電車の座席で半分眠りながら流しっぱなしでいても、心地よい悠久の時の流れに身を委ねられます。

ブルックナーらしい弦のトレモロに始まる第1楽章は、やがて重厚さを増して大自然を目の前にしたかのような響きです。そして美しい第2楽章アダージョ。次第に天国的な響きが増していくのは、やはりワーグナーのための葬送音楽だからでしょうか。この作品の一番のクライマックスでしょう。場面は変わり開放感あふれる第3楽章スケルツォと、軽快でさらに親しみやすい第4楽章へと続きます。

いくつか聴いた録音の中で、今回はこちらを取り上げてみました。カラヤンと同じく今年で生誕100年を迎えた、日本が誇るマエストロ 朝比奈隆 指揮、東京交響楽団によるライブ録音(1994年)です。骨太で実直な音作り、悠然としたテンポ設定は、この交響曲の持っている崇高さや深い情緒を素直に引き出しているように感じられます。また第2楽章クライマックスで打楽器が入らないハース版というのも個人的には好みです。存命のうちに一度は聴いておきたかったマエストロです。

posted by stonez | 2008.07.09 22:13 | Comment(4) | TrackBack(3) | 音楽 - 交響曲