N響の名誉指揮者としても馴染み深いホルスト・シュタイン氏が亡くなりました。私にとっては映像やCDでの存在でしたが、豊かで重厚な音づくりや、あの独特の頭の形が印象深いです。そのシュタイン氏がウィーン交響楽団を指揮した録音で、メンデルスゾーンの序曲「静かな海と楽しい航海」を聴いています。 弦楽器が静かに歌い、「静かな海」を想像させる美しいアダージョから始まります。どこまでもつづく一面の青空と、穏やかに広がる海を思わせるスケールの大きさ。そしてその中をゆく船が。明快な旋律とともにテーマは「楽しい航海」へと移っていきます。希望に満ちた伸びやかな旋律は弾むようなテンポを伴って、船上での楽しいひと時そのもの。そして再び大海原にフレームアウトしていき曲は結ばれます。これを聴きながら、メンデルスゾーンは一級の風景画家である(ワーグナー談)という話を思い出しました。
シュタイン氏はこの作品を日本の公演でも取り上げているようで、気に入ったレパートリーだったのかもしれませんが、その自信あふれるダイナミックなサウンドは順調な航海そのもの。海原の雄大さは天国的な雰囲気すら漂います。
ご冥福をお祈りします。
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ホルスト・シュタインは、ウィーン響なども振っていたんですね。ディスクがあるのは知りませんでした。メンデルスゾーンもエエですねえ。
あの独特の風貌での熱演、N響が見事に鳴ったものでした。独墺系の音楽は最高でした。イイ指揮者でした。
このウィーン響のディスクは輸入もので見つけてきた掘り出し物でして、ライブ版なのに拍手がカットされていたりして残念な部分もあるのですが、正統派の独墺系らしい重厚で聴きごたえのある演奏が十分に伝わってきます。今度はシュタインのワーグナーのDVDでも探してみたいものです。ありがとうございます。