南イタリアの思い出4 〜マテーラ〜

去年の秋、生まれて初めて海外旅行(新婚旅行)に行ってきました。その思い出を写真とともにふりかえるこの旅行記。4回目は世界遺産にも登録されている洞窟の町、マテーラです。イタリアを長靴に例えると、ちょうど土踏まずのところにあります(地図)。


まずはこの写真を。高台の新市街を歩いていると、建物の切れ間から突然この幻想的な大パノラマが目の前に広がります!

これは古くは先史時代にまで遡れるそうですが、人々が凝灰岩の岩盤を掘り抜いてつくっていった「サッシ」とよばれる洞窟が幾重にも折り重なった様子なのです。一見カオスですが、洞窟の天井は上にある別の洞窟のための階段や通路になっていたりと、起伏の多い地形をうまく生かした、高密度でこんなにも迫力のある洞窟都市をつくりだしています。


その洞窟に近づいてみたのが上の写真です。どこまでが天然でどこからが人工物なのかよく分からないほど自然です。ただ、今でこそ世界的な評価を受けていますが、以前は「貧しさ」の象徴だったとのこと。16世紀のナポリ王国支配のもとでマテーラが栄えて貧富の差が広がった結果、裕福な人々は高台に住み、農民など貧しい人々が狭くて不便なこのサッシ地区に取り残されるという図式になってしまったといいます。


こちらの写真は洞窟内部の様子です。見学用に当時の様子が再現されているので、奥にいる馬は本物ではありません(笑)。でも、こんな感じで人間と家畜が同居していたわけで非衛生だったようですね。

そして、やがてここに住む貧しい人たちが高台の新市街へと強制移住させられた結果、このサッシ地区は完全に廃虚と化してしまいました。でもこの洞窟住居の価値が見直され、世界遺産に登録された今では逆に人々が戻って来つつあり、荒廃をくい止めるための動きも活発になっているそうです。中には、はるばる移り住んでくる外国人たちもいるとのこと、実際にこの目で見てみるとそれがわかる気がしました。


最後に、高台にある新市街の様子です。ここは現在ではマテーラ県の県庁所在地だそうですが、そうには見えないほど静かで落ち着いたたたずまいでした。日本で暮らしている私にとっては、これでも充分異国の景色なのですが、あれほど歴史にも印象にも残る光景とごく自然に共存していることに、改めて驚いたのでした。
posted by stonez | 2005.12.19 02:13 | Comment(6) | TrackBack(0) | 旅行記
この記事へのコメント
「マテーラ」という街の名前をここではじめて知ったのですが、世界遺産に登録されてるんですね。歴史にうとい私ですが、大パノラマや洞窟をみて私も歴史を肌で感じたいなあと思いました。2枚目の写真が「貧富の象徴」とは驚きです。
Posted by カンナ at 2005.12.19 17:19
カンナさん、いつもありがとうございます!
私も、旅行でこの場所に行くということがわかるまで「マテーラ」という名前も存在も知りませんでした。世界遺産も様々ですね。
この洞窟住居群を最初に見たときは「おしゃれ」なイメージが先行して、不便さや貧困という言葉は浮かばなかったです。ここで近日オープンするという「洞窟ホテル」を見学させてもらいましたが、やっぱり「おしゃれ」でした(^^ゞ
Posted by stonez at 2005.12.19 19:07
こんばんは。
南イタリア、いいですねえ。
青い空と青い海。そのそれぞれで個性を主張する素晴らしく伝統のある街や村。
私は行ったことがないのですが、ほんと是非一度行ってみたいとあこがれております。
もし都合がつけば、スカラ座やフィレンツェのオペラハウスにも行ってみたいなあ。
Posted by romani at 2005.12.20 00:58
凄い街ですね。洞窟都市はトルコやスペインにも残っているようですが、こちらは白一色で不思議な光景です。歴史や伝統と同居するのはそれなりの苦労があると思うのですが、こうして後世に、また異国の人の心に残る何かがあるなんて素敵なことですね。
Posted by shinsaqu at 2005.12.20 09:22
romaniさん、どうもありがとうございます!
本当に刺激的で新鮮でした。確かに、機会があったら音楽に関わる施設も訪ねてみたかったです。海外の自然や文化の素晴らしさを見たあとは、今度は日本の素晴らしさも見たくなります。贅沢なことですが、またこうしてあちこち見て回りたいですね。当面はお金と時間が全くありませんが(笑)
Posted by stonez at 2005.12.20 12:47
shinsaquさん、どうもありがとうございます!
他の洞窟都市も是非とも見てみたいものです。おっしゃる通り、とにかくマテーラは乾燥した白さを感じさせる風景でした。世界遺産に登録されたことで、廃墟になるのを食い止めて、この歴史を後世に伝えていくというのはいいことですね。あとは、日本の世界遺産でもそうですが、見学する人たちのマナーも重要ですね。
Posted by stonez at 2005.12.20 13:00
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