網膜剥離の治療日記(入院4日目)

起床。一斉に照明が灯されるのは、寝不足の自分にとってはたたき起こされる気分。その流れで体重測定に呼ばれる。普通。ベッドに戻ってまたうたた寝したあと朝食。近くのおじいさんのAMラジオから「音楽の泉」なる番組が聞こえてくる。曲目はブラームス作曲、弦楽五重奏曲第2番。ブラさんは何でこんな厚みのある豊かな音色の音楽をシンフォニーにしなかったのだろう。小さなラジオの貧弱な音だったけど、豊かな音の重なりあいが充分伝わってきた。

そしていつもの診察。このときの先生の指示、ハイ上見て、ハイ右見て、とたくさん目を動かすのが痛くってちと苦痛。戻ってからの点滴は今日で終わり。病室の窓から陽が差し込んでくる良いお天気。そういえば入院してからいつもお天気だなぁ。部屋でのんびりするだけなら雨の日なんて結構好きなんだけど、これじゃあ外に飛び出したくなってしまうよ。窓から富士山が見える。だいぶ遠いけどやっぱり立派なもんだなぁとか思いながら、補聴器「ピー」のおじいさんとお話する。若いのに大変だなぁ、と気遣ってくださる。耳が遠いのでなかなか会話がかみ合わないんだけど、ほのぼのする明るいひと時。

昼前に妻がやってきて一緒に食事。妻にはいつもながら頭が下がる。大部屋とはいえ一人で黙々と食べる食事は味気ないもんですから。午後は妻が仕事の書類書きなどをするかたわら、のんびりとうたた寝して過ごす。のどかな時間。まあ夕食後に妻が帰ってまた一人の世界になった時の孤独な感じとのギャップが凄い。夜はいつもの薬と枕をもらうんだけど、やっぱり寝つけない。午前3時半くらいまで記憶がある。眠れずにぼんやり周りを見渡すと、ここが独房のように思えてくる。

○愛聴盤○
♪ベートーヴェン/ピアノ協奏曲第2番、第5番
 朝食が楽しみになってくる。今日一日まあのんびり行こうという気分。
♪古今亭志ん朝/愛宕山、宿屋の富
 叔母の差し入れ。一流の噺家というのは景色が浮かんでくるから凄い。
 そこに行ったこともないのに。その時代も知らないのに。
♪柳家小三治/文七元結(ぶんしちもっとい)
 本当に涙がこみ上げるよ。なんだか入り込みすぎて次がどうなるのか
 気になって気になって笑えなかった。生で見たいもんだなぁ。
♪ブラームス/ドイツ・レクイエム
 どこまでも続く地平線。染み一つない空。広がる大地。
 その向こうからそそがれる音色。これ以上ないスケール。


posted by stonez | 2006.02.05 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 網膜剥離の治療日記
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