そんなわけですが、桜が散ってしまう前にこの曲をエントリーしたいと思います。ヴィヴァルディ作曲、協奏曲集「四季」より「春」Op.8-1。ヴァイオリンは鬼才ギドン・クレーメル、指揮クラウディオ・アバド/ロンドン交響楽団。iTMSより。
数あるクラシック音楽の中でも屈指の有名曲ですが、いろいろ聴いてみると演奏する人によって随分と表情が違っているものです。このクレーメル&アバド盤の「春」は、チェンバロは控えめで、主役クレーメルのヴァイオリンなど弦楽器の音色を最前面に押し出した艶やかな演奏。美しい夜桜を見るような風情があります。
第1楽章。歯切れのよい楽しいトゥッティ、そしてソロヴァイオリンとオーケストラの掛け合いは、鳥のさえずりのような対話に始まって、泉の流れ、轟くような春雷。でも場面がめまぐるしく展開されても、一貫して明瞭な旋律は損なわれていません。
第2楽章。犬のそばで羊飼いが居眠りする情景だそうですが、ビオラによる犬の鳴き声がなんとも可愛らしい。ヴァイオリンは息が長く、のどかで気だるい様子が伝わってきます。
第3楽章。静かな夜に物思いに耽りながら桜に見入る、そうまさに今みたいな感じ。バグパイプ風の音色の上にしっとり弦の音色が浮かび上がります。弦のふくよかさが本当に心地よく、それが安心感につながります。
写真は近所の桜並木。朝、少し早めに家を出て撮ったのですがケータイなのでこんなところです。
様子が伝わったようで嬉しいです〜。桜って写真に撮ろうとすると難しいものですね。おまけにケータイですからね(笑)
残念ながら、このアバド氏の演奏は聴いたことがありません。手元に数枚「四季」CDはありますが、何故か古楽器演奏のものが多いのです。
私もまた近いうちに、「四季」を聴いてみたくなりました。
古楽器による「四季」も今回の演奏とは違った表情をもっていて素晴らしい演奏ですよね。私の住んでいるところでは、昨日の雨で桜は終わりかなという感じですが、久々に「四季」を聴いて更に春の訪れを実感しているところです(^^
私は小沢盤でエントリです。
クレーメルの演奏はまだそれほど聴いたわけではありませんが、それにしましても印象に残る存在感ですね。おっしゃる通り、あれほどアップテンポで艶やかな冬の2楽章は私も初めてでした(^^ 小沢盤、是非聴いてみたいです。