リスト/交響詩「前奏曲」

前の会社にいた頃、社長から一枚の大きなカレンダーをもらいました。それは50年後までが一覧なったカレンダーで、月毎に一言書き込める空欄がついたもの。それを見て10年後、20年後に自分がどうなっていたいかを常に考えながら行動しなさい、という人生のアドバイスでした。

サッカー日本代表・中田選手の現役引退のニュースをあれこれ読んでいて、そのことを思い出しました。彼は常に(しかも相当前から!)数十年先、もしかしたら人生を終えるまで引っ張ったスケジュールを意識しながら、そのための準備を怠りなく冷静に実行に移し、その過程で得たものも継ぎ足しつつ引き続き進んでいくのみ、ということなのかもしれません。頂点を極めた選手生活は彼にとって「前奏曲」に過ぎなかったのかも・・・

なんてことを考えながら、リストの交響詩「前奏曲」を聴いてます。演奏はヘルベルト・フォン・カラヤン指揮/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団。

この交響詩「前奏曲」は、『我々の人生は死への前奏曲である』というフランスの詩人マルティーヌが作った詩の一節と関連しているそうで、生と死をテーマにした音楽となっています。不穏に始まり、やがて光が差し込む様子は誕生を想像させますし、それが荒れ狂う嵐によって死に向かうのもはっきり分かります。そこへ田園風景が広がってしばし癒されますが、それも束の間、戦いのラッパが鳴り響いて堂々としたマーチとともにズンズン盛り上がっていく。まさに4コママンガよろしく起承転結が明快です。

カラヤン/BPOは繊細な描写からズシンと響く迫力まで、その一方で歌いこむところでは伸びやかに美しく、本当に絶妙なさじ加減でツボを刺激してきます。ちょっと大袈裟とも思えるくらい、交響詩を交響詩らしく雄弁に鳴らしてくれます。

それにしても、この音楽みたいに劇的なハッピーエンドだったら、「それまでの人生は前奏曲であった」なんて言えそうですが。現状は「人生楽ありゃ苦もあるさー」という黄門様のテーマソング通りです。今後の中田選手に期待しますヽ(´ー`)、なんて偉そうなこと言ってられませんです。
posted by stonez | 2006.07.05 22:53 | Comment(4) | TrackBack(2) | 音楽 - 管弦楽曲
この記事へのコメント
うまいことつなぎますなあ!
やーでもほんと、「前奏曲」だったのかもしれませんねえ。
そこまで好きなわけじゃなかったけど、なんかかっこいいなっておもいました。
実業家?になるとか言われてますけど、それで成功して、でも最後にはサッカーに戻ってきてほしいなあなんておもったりしてます。べつにサッカーファンじゃないですけども。
Posted by petite-tomo at 2006.07.05 23:51
ぷちともさん、お褒めいただきありがとうございます!
いや、なんとなくiPodをザッピングしていたんですが、この曲が目に留まった時に「あ、これだ」という感じでした。さすがiPod、懐が深いですね。私もサッカーにそれほど詳しいわけではないのですが、自分の物差しがしっかりあるっていいなと思いますね。実現するかは微妙かもしれませんが、将来サッカー日本代表を率いたら面白いかもしれませんね。
Posted by stonez at 2006.07.06 23:42
stonezさん、こんばんは。
「ジュノム」へのコメントとTBをわざわざ
有難うございました。
本当に当時では斬新だったのでしょうね。
ベートーヴェンの第4番を先取りしたようで。

リストの「前奏曲」はショルティの盤を持っています。3月にエントリーしたのですが、参考までにTBさせてもらいます。
Posted by at 2006.07.09 20:16
丘さん、いつも感謝です。どうもありがとうございます!
ベートーヴェンの4番コンチェルト、いいですね。確かにピアノが初めから登場する音楽は、わりと印象深い音楽が多いように思います。さっそくTB頂きました、リストの前奏曲のエントリー楽しませていただきますね!
Posted by stonez at 2006.07.10 22:33
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