モーツァルト/弦楽五重奏曲 第3番

毎日暑いといいつつ日中は涼しい職場にいるわけで、少々季節感に乏しい私でございます。先日息子が念願の寝返りを果たし、以来眠かろうが飲んだミルクを戻そうが構わずうつ伏せになって、見たいモノを自由に見る喜びに浸っております。

今回はモーツァルト作曲、弦楽五重奏曲第3番 ハ長調 K.515。演奏はアルバン・ベルク四重奏団です。編成はヴァイオリンとビオラが各2名、そしてチェロ。

お金に困ったモーツァルトが、新聞に広告を出してまで買い手を募った、という生々しいエピソードが全く信じられないほど気品に満ちています。それでも底抜けな明るさではなく、時おりのぞく暗いかげりが彼自身の苦悩を表わしているようにも思われ、才能と運命の織りなす綾は奥深いことだなぁと感嘆せずにはいられません。

まずは雄弁なヴァイオリンがしなやかに歌い、そして諭すように寄り添うチェロが優しい第1楽章。そして今度はビオラが穏やかにやってきて子守歌のように包み込んでくれる第2楽章。まったく俗っぽさのかけらもなく、ただ天から降り注ぐアルバン・ベルクの音楽に身をまかせるだけです。

そして第3楽章のうっとりするようなアンダンテは、聴いてる方が思わず身を乗り出してしまうようなどこか肩の力の抜けたところがあって不思議な魅力です。第4楽章はビオラとチェロの刻むリズムに支えられて、ヴァイオリンが生き生きと躍動する、ラストにふさわしい充実の音楽と演奏。

もうすべてが名旋律というのは疑いようのないことで、さすが室内楽における「ジュピター」と例えられるだけのことはあるなと思います。
posted by stonez | 2006.08.12 02:44 | Comment(16) | TrackBack(1) | 音楽 - 室内楽曲
この記事へのコメント
こんにちは。ト短調が特徴ある最初の旋律で最も知られているかも知れませんが、ハ長調も堂々としていていいですね。私はDENONのPCM録音が出た頃のLP盤で、スメタナ四重奏団+スークの演奏を持っています。
Posted by at 2006.08.12 09:47
丘さん、コメントどうもありがとうございます!
スメタナ四重奏団の演奏はドヴォルザークのアメリカが素晴らしくてとても印象に残っています。機会があったら是非とも聴いてみたいところです。ト短調とどちらをエントリーしようか迷いましたが、こちらもいずれ取り上げてみたいところです(^^ゞ
Posted by stonez at 2006.08.13 19:16
うわ!可愛い赤ちゃんですね。
こりゃ楽しみです。
えーと音楽の方も探して聴いてみます。
Posted by よし at 2006.08.16 08:58
おおっ、そっくりじゃないですか。
かわいいでしょう?。泣いているときも笑っているときも。
子供は不思議ですよね。抱き上げているときの満たされた気持ちもふくめて。
健やかに成長なさることを祈ります。
Posted by yurikamome122 at 2006.08.16 10:33
うふふ、かわいい〜。
いつかお会いできるかな?楽しみです♪
Posted by カンナ at 2006.08.16 20:26
よしさん、コメントありがとうございます!
お恥ずかしいですが、ただの親バカ写真(笑)ということでお許しを(^^ゞ 私はこちらの音楽はまだまだ聴きはじめたばかりです。他の演奏も折りを見て是非探してみたいところです。
Posted by stonez at 2006.08.16 22:52
yurikamomeさん、コメントありがとうございます!
お恥ずかしい限りですが、そういっていただけると嬉しい親バカです。最近はいろいろと感情の起伏が目に見えるように分かるようになって面白くなってきました(^^ゞ もう少ししたら神奈川フィルの演奏会に家族で参加したいと思います。息子は託児所ですが(笑)
Posted by stonez at 2006.08.16 22:57
カンナさん、こちらにまで!
どうもありがとうございます(^^ゞ
いずれコンサートに連れていきたいですね。もちろん託児所なんですが(笑)、また是非お会いしましょう。その時を楽しみにしています。
Posted by stonez at 2006.08.16 22:59
わぉ、お初!可愛らしい、優しいお顔だちですねぇ。この間生まれたと思ったら知らぬ間にすくすくと大きくなって〜。仕草ひとつひとつが愛おしくて仕方ないでしょうね〜。
なんて言うのでしょう、曲の解説にもstonezさんの優しい眼差しが溢れてますね♪
Posted by iketomo at 2006.08.17 21:33
こんばんは。
ほんと可愛い!
10年経っても20年経っても、ずっとこの愛らしい印象はstonezさんの心の中に残っていると思いますよ。
私も、子を持つ父として、子供は立派に成長して欲しいと願う半面、「できれば1年に1回くらいコピーして、置いとけないかな」と真剣に思っていました。(笑)
健やかに成長されることを願っています。

Posted by romani at 2006.08.19 00:58
アルバン・ベルクというので、四人かと思ってましたが、五重奏編成もできるんですね。いつもの四人に、誰かを招く、ということなんでしょうか?それにしても赤ちゃんを拝見して、STONEZさんとお会いしたのは一瞬がいきなり蘇ってきました。つまり、うりふたつ!お父さんと同じくいい音楽をたくさん聴いて、ゴハンもいっぱいたべて大きくなってくださいね。
Posted by kyoko@epoch at 2006.08.20 10:01
お盆休みをとって実家に行ってきました。お返事遅くなりました(^^

iketomoさん、どうもありがとうございます。
お褒め頂き恐縮です(^^ゞ 生まれたばかりの子供は顔も体もどんどん変化していくので驚いています。たしかに、これを見ていると反抗期とかこないでほしいなー(笑)と思ったりしてしまいます・・・ところで、音楽の感想を書くのは難しいですね。たった5種類くらいのボキャブラリーを使いまわすような感じですがお読みいただき感謝です!
Posted by stonez at 2006.08.22 21:22
romaniさん、どうもありがとうございます。恐縮です(^^ゞ
そうですね、今の気持ちをちゃんと忘れずにいたいものです。今回実家に帰って自分が親からも言われたように、息子にもいずれこの気持ちを話してやれるといいなと思います。それにブログを拝見していて、romaniさんからもそんな暖かいご家族の様子が伝わってきます。それにしても、コピーとっておきたいというのはなるほどでした(笑)おっしゃること、よくわかりました(^^
Posted by stonez at 2006.08.22 21:28
kyokoさん、どうもありがとうございます!
似ているとのお言葉、嬉しく思います(^^ゞ 先日はお会いできて光栄でしたが、今度また改めてゆっくりお会いできるのを楽しみにしています!
ところで書き忘れてしまいましたが、kyokoさんのおっしゃる通りでアルバン・ベルクは4人ですよね。この演奏では第2ヴィオラとして、マルクス・ヴォルフさんが加わっての録音だそうです。彼らの録音は本当にあちこちで目にしますので、その人気はすごいのでしょうね。
Posted by stonez at 2006.08.22 21:41
赤ちゃんながら、すでにして気品をたたえています。
楽しみですね…
そこへもってきて、ご両親が良い音楽をたくさん聞かせてくれる環境。
いいですね!
Posted by ensemble at 2006.09.04 11:47
ensembleさん、コメントどうもありがとうございます!
また過分のお言葉、お恥ずかしい限りですが、なにぶん親ばかな状態となっております(^^; 最近は写真よりも太ってまいりました。
ところで、ensembleさんのブログのマイ・ベスト3いつも楽しみにしています!
Posted by stonez at 2006.09.05 08:59
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