ハイドン/交響曲 第88番「V字」

今週から仕事で五反田に行っています。この町に馴染みのない私にとっては歓楽街の印象しかありませんでしたが、実際に来てみると昼食には困らないし、本屋さんも多いし(ブックオフ含む)好印象です。写真は東急池上線の五反田駅。都内とは思えない昭和のレトロ感を今に残します。

さて今日は、そのブックオフで見つけてきた掘り出し物。ハイドン作曲、交響曲第88番 ト長調 Hob.I-88「V字」です。オットー・クレンペラー指揮、ニュー・フィルハーモニア管弦楽団。1964年の録音から。

ハイドンは「交響曲の父」として知られている通り、その数、実に100曲以上の交響曲を残しているためか、主要なものにはニックネームがついていたりします。そしてそれは曲の内容を示す標題ではなく、たんなる識別用だったりすることが多いようです。この「V字」はというと、初版の表紙にアルファベットの「V」が書き込まれていた、というだけなんだとか。

この交響曲は、エステルハージ宮廷のお抱え音楽家だったハイドンが、外部からの注文に応えられるようになってからの作品ということで、ちょっと吹っ切れた肩のこらない感じがいいですね。厳かな序奏と、反対にユーモラスな旋律のオンパレードの第1楽章や、耳馴染みのよい爽快さが光る第4楽章の楽しさは言うに及ばず、それに挟まれた2つの楽章の素晴らしいこと。

まずは、メロディ・ラインの美しい第2楽章。シンプルな旋律が丁寧に奏でられていくさまと、ティンパニによるアクセントの妙。緩徐楽章にトランペットが入ることはハイドンにしては珍しいそうです。そして優雅ですぐにでも口ずさめてしまう第3楽章。ティンパニと木管の存在感が際立ちます。ベートーヴェン以前にこれだけティンパニが活躍する作品があったんですね。

演奏は、クレンペラーらしくエネルギッシュかつ整然とハイドンの品の良いところを引き出しています。テンポ設定も程よく自然な聴き心地です。それからヴァイオリンが対向配置となっていて、弦のふくよかさを十分に堪能できるところはさすがです。
posted by stonez | 2006.11.11 17:10 | Comment(10) | TrackBack(1) | 音楽 - 交響曲
この記事へのコメント
おはようございます。ハイドンのV字、とても
いいですね。爽快で気持ちよく大好きです。
私も最近記事にしました。TBを・・・と思い
ましたが、「※言及リンクの・・・・」。
さて、どういう意味かな?出来ないのかな(?)
・・愚痴言っているようで、どうもすみません。
Posted by at 2006.11.12 07:53
丘さん、コメントどうもありがとうございます(^^ゞ
私も丘さんの先日のエントリーを拝見していまして、じっくり聴きたいなと思っていたところなのです。色々と遊び心が詰まった、でも単純に聴いても楽しい作品ですね。名だたる指揮者が多くの録音を残しているという点でも今後も楽しめそうです。

ところでTBですが、失礼を致しました。運営している会社側で気を利かせて自動的に設定したようなのですが、私にも意味がよく分かりませんでした。特に問題ないので設定を外しました。差し支えなければTBお願い致します(^^)。どうもありがとうございます。
Posted by stonez at 2006.11.12 12:23
こんにちは。
ハイドンのV字は、仰る通り、第1楽章と最終楽章に挟まれた第2〜3楽章が輝きますね。
 ところで、TBを2度試みましたが反映されませんので、私のブログ公開文を以下にコピーしました。TB代用としてお読み頂ければ光栄です。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 クラシックを聴き始めた頃はハイドンをよく聴いた。ハイドンの曲にクラシックの基礎教科書的な匂いを嗅いたからかもしれない。殊に第99番から第104番まではその集大成ではあるが、所謂ザロモン・セットの前座に位置するこの曲や第92番「オックスフォード」なども興を惹いたものである。

 「Letter V」とも呼ばれる「V字」は、特にVの意味はなく、ハイドンの交響曲をフォースター社がロンドンで出版する際、Aから始まる記号を付け第88番の表紙にV、第89番にWの字をつけたことによると聞き及んでいる。

 1961年にハリウッドで録音されたブルーノ・ワルター指揮/コロンビア交響楽団演奏盤はクラリネットが無い。
 オーボエと独奏チェロが奏するテーマが荘重な第2楽章に入って、初めて参加したトランペットとティンパニーが第3楽章でも小気味よい旋律で魅惑する。

 最終楽章は第1楽章と共に力強い。全般的にハイドンらしい明るさが、澄み渡る秋の空に染み入るようである。
Posted by アスカパパ at 2006.11.12 15:25
stonezさん、わざわざTB処理でお手数煩わして有難うございます。
TB試みましたら無事出来ました。
ご好意に感謝いたします。
Posted by at 2006.11.12 20:43
こんにちは。
たまに東京に出張するときは、
五反田の「ゆうぽうと」に泊まる事が多いので、
「ブックオフ」も何度か利用したことがあります。
やっぱり東京はブックオフも大きいですね。
Posted by 木曽 at 2006.11.13 06:57
アスカパパさん、コメントをありがとうございます(^^
またTBの件、ご迷惑をおかけし申し訳ありません。私も調べてみたのですが、確かにgooブログさんからのTBがうまくいかないようです、もう少し調べてみます。。。
ところで、V字になったいきさつは面白いですね。この音楽のニックネームがあくまでもニックネーム以上でも以下でもないことがよくわかりました。ワルター/コロンビア響の録音は、掘り出し物として偶然見つけたりすることがありますので、私も楽しみに探したいと思います。ありがとうございます!
Posted by stonez at 2006.11.13 23:21
丘さん、ご丁寧にありがとうございます。
どうやら海外からのアルファベットTBへの対策として付加された機能のようです。煩わしいお手間を取らせてしまい、すみませんでした。またよろしくお願い致します(^^
Posted by stonez at 2006.11.13 23:27
木曽さん、コメントどうもありがとうございます!
「ゆうぽうと」ですか、私がこのところ行っている客先も、その周辺なんです(^^)。あそこの簡易保険ホールでよくコンサートやオペラなどをやっていますが、仕事が終わってしまう前に聴きにいってみたいものです。ブックオフの大きさはさすがですよね。それに対して、うちの近所のブックオフにはほとんどクラシックが扱われていません。。。
Posted by stonez at 2006.11.13 23:34
五反田ですか。
昔、PILZジャパンがまだやっていたときはそこでしたので、何回か商談に行きました。
懐かしいですね。
当地Bオフも敵情視察に行くと、まともなクラシックは皆無です。
ひとつだけまともなはずのショルティの「ワーグナー:リング」全曲セットがアニメのコーナーに鎮座しておりました。
がっくりです。
Posted by ensemble at 2006.11.18 10:36
ensembleさん、コメントありがとうございます!
五反田に縁がおありなのですね。あそこのブックオフ、といいますかあのお店全般に言えそうですが、だいぶ汚れた中古CDが1000円以上だったり、逆に新品同様のメンデルスゾーンやマーラーが300円だったりします。確かにクラシックは守備範囲ではないのでしょうね。アニメコーナーにワーグナーはおかしかったです(笑)。ありがとうございます。
Posted by stonez at 2006.11.19 23:19
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