ベートーヴェン/ヴァイオリン協奏曲

ベートーヴェンの「ヴァイオリン協奏曲 ニ長調」は、のちにロマン・ロランによって「傑作の森」と呼ばれた、ベートーヴェンの創作上の絶頂期に作られた曲で、他にも交響曲第5番(運命)、ピアノ協奏曲第5番(皇帝)といった、数々の名曲が堰を切ったように誕生しています。

なお、ベートーヴェン、ブラームス、チャイコフスキー、メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲は「4大ヴァイオリン協奏曲」と呼ばれていますが、数々の名曲を残してきたこの4人の作曲家は、面白いことに「ヴァイオリン協奏曲」をたった1曲しか作曲していません。

そんなベートーヴェン唯一のヴァイオリン協奏曲は初演当時こそ不評だったといいますが、それだけ時代に先駆けた作品だったのかもしれませんね。
現在ではこの分野を代表する曲として挙げる人も多く、私自身も好きな曲として真っ先に出てきますし、実際にコンサートにも足を運びました(^^)

横?(・みなとみらいホールにて行われたそのコンサート、終わってみればヴァイオリンを弾いているソリスト(漆原啓子さんでした)しか見ていなかった(^^;)ということで、当たり前ですが協奏曲ではソリストの役割は重要ですね。技巧や美しさなどのテックニックと、オケとの協調を両立させているわけですから奥が深いです。

さてさてヴァイオリン協奏曲ですが、その穏やかで美しい旋律や生き生きとした躍動感が全体を通して伝わってきます。
第1楽章と第3楽章は軽快に小気味よく楽しめ、第2楽章ではしっとりと聴かせる、このメリハリもいいと思います。また、第2楽章から第3楽章まで間をおかずに続けて演奏されますが、ここを途切れさせずに聴かせることで程よい緊張感を持続させてくれます。

この曲は原曲はヴァイオリンですが、この他にベートーヴェン本人の編曲によるピアノ版(ピアノ協奏曲 ニ長調)や、現代のフルート奏者ウィリアム・ベネットによるフルート版(フルート協奏曲 ニ長調)があり、いずれもヴァイオリン協奏曲を元にしているので、同じ曲をピアノやフルートのソロでも楽しむことができ、楽器本来の魅力をより感じながら聴くことができます。
また、カデンツァ(ソロ楽器による即興演奏)はそれぞれの楽器によって異なり、楽器の持つ音色や音域を最大限に生かした美しい演奏で楽しませてくれます。

そんなわけで、私が好きなCDをご紹介します。

Beethoven_vn.jpgヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品61 ほか
作曲: ベートーヴェン

アイザック・スターン(ヴァイオリン)
ダニエル・バレンボイム指揮 ニューヨーク・フィルハーモニック, その他



本家本元のヴァイオリン版です。品のある重厚感たっぷりの音色でしっとりと聴かせてくれるアイザック・スターンの演奏には説得力があります。指揮者のバレンボイムはピアニストとしても(の方が?)有名ですし、彼のソロによる「ピアノ協奏曲 ニ長調」も聴いてみたいものです(^^)
なお、一緒に収録されている「ロマンス ヘ長調」は、女性雑誌MaquiaのCM曲として使われていました。

Beethoven_vn.jpgピアノ協奏曲 ニ長調 作品61 ほか
作曲: ベートーヴェン

オリ・ムストネン(ピアノ)
ユッカ=ペッカ・サラステ指揮 ドイツ・カンマーフィルハーモニック, その他



ピアノは音色がクリアで、しかも楽器の中でも一番広い音域を持っていることと、ムストネンの情熱的な演奏によって、ダイナミックで気持ちよく聴くことができます。
カデンツァもヴァイオリン版やフルート版に比べて長めになっていて聴き応え十分です。
<<追記 2005年3月24日>>
なんとオリ・ムストネンが今年5月末に東京オペラシティで来日コンサートを行うようです。今回のヴァイオリン協奏曲(ピアノ版)ではありませんが、ベートーヴェンのピアノ協奏曲第3番などを、ピアノを弾きながら指揮するらしいです。「しながら」ってどんな感じなんでしょう??見たいです。まだ間に合うかな...高そうだな...

Beethoven_vn.jpgフルート協奏曲 ニ長調 作品61 ほか
作曲: ベートーヴェン

ウィリアム・ベネット(フルート)
スチュワート・ベットフォード指揮 イギリス室内管弦楽団



フルートの魅力は何といっても、透き通った美しい音色でしょう。
なのにベネットのフルートはオーケストラの勢いにまったく力負けしていません。
また、ゆったりとしたテンポでじっくりと聴かせてくれます。
フルート版は編曲者ベネットによるこの1枚のみのようです。
カップリングのジュヴィンドゥルのフルート協奏曲もメロディが美しく、聴き応えがあります。
posted by stonez | 2005.03.13 03:12 | Comment(6) | TrackBack(3) | 音楽 - 協奏曲
この記事へのコメント
拙文ながらトラックバックさせていただきます。
私の当該記事に、こちらの記事へのリンクを張りたいのですが宜しいでしょうか。
Posted by shinsaqu at 2005.11.04 00:26
shinsaquさん、コメントとTBどうもありがとうございます。
最初のティンパニの印象的なリズムから釘付けです(笑)それにしても、ベートーヴェンは印象的なリズムを上手く使い分けていますね。リンクの件ですが、このような駄文でもよろしければ(^^ゞ どうぞよろしくお願い致します。
Posted by stonez at 2005.11.04 10:12
stonzさん、お久しぶりです。
最近ぼくもベトベンが良くなってきたのデス。
お奨めは、カデンツァがシュニトケ編のクレー
メルですが...
Posted by こばけん at 2005.11.05 02:19
スターンのベートーヴェン、素晴らしいテクニックに強い美音。実にイイです。
バレンボイムの指揮も良いので、スタンダードな名盤だなぁといつ聴いても思います。
当方もTBさせていただきますね。
よろしくお願いします。
Posted by mozart1889 at 2005.11.05 18:22
こばけんさんご無沙汰しました、コメントとTBありがとうございます!
シュニトケ編のカデンツァ是非聴いてみたいですね。この音楽は演奏者もバリエーションも豊かですし、聴いているこちらを飽きさせない魅力たっぷりですね。こちらからもTBさせて頂きますね。
Posted by stonez at 2005.11.06 01:05
mozart1889さん、コメントとTBどうもありがとうございました!
私は知らず知らずのうちに、いい組み合わせの音楽を聴いていたという感じですね。この曲の入り口としては有意義だったと思います。いろいろ聴いたあと、ふっと戻ってくると妙に懐かしい演奏でもあります。
Posted by stonez at 2005.11.06 01:18
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック

お気に入りの演奏:ベートーヴェン作曲ヴァイオリン協奏曲
Excerpt:  のだめを読んでいたら音楽が聴きたくなって一枚のCDを手に取りました。 私が持っている中で一番のお気に入りの演奏なんです。 一番好きな曲というわけではないんですが、演奏が抜群に素晴らし..
Weblog: shinsaqu発表会
Tracked: 2005-11-04 00:22

ヴァイオリン協奏曲 / ベートーヴェン
Excerpt: Violin Concert in D major op.61 / Ludwig van Beethoven 最近こういう曲が良くなってきたのですが、やばいでしょうか。 我が家に存在する..
Weblog: アマオケ_ホルン日記
Tracked: 2005-11-05 02:17

アイザック・スターンのベートーヴェン ヴァイオリン協奏曲ニ長調
Excerpt: 相変わらず休日出勤が続きます。やれやれ。 喉が「イガイガ」してきてます。風邪引いたなぁ。久しぶり。朝のジョギングを始めてから病気知らずだったんだがなぁ。職場の若い士がゴホゴホやっていたので、うつされた..
Weblog: クラシック音楽のひとりごと
Tracked: 2005-11-05 18:18