ベートーヴェン/ピアノ協奏曲 第3番

重く暗い旋律で始まります。
でも情熱的で、オーケストラもダイナミックに響きます。
ピアノのスケールは大きく、そして表情も豊かです。

ベートーヴェンの「ピアノ協奏曲第3番 ハ短調」は、曲全体の構成こそ第1番・第2番の流れを引き継いでいますが、中身は、それまでの2曲の上品な印象から一変して第4番・第5番に近く、堂々とした風格があります。

ふと「何でこんなに変化したんだろう?」と思い立って調べてみたところ、なんと第3番の作曲直前に、聴覚の悪化と失恋から「ハイリゲンシュタットの遺書」が書かれた、とあるじゃないですか!しかも、遺書を書いた段階で既に死ぬ気はなく、ピアニストから作曲家としての再出発を決意していたそうです。
そして彼の全盛期「傑作の森」はすぐそこです...

なるほど「苦悩から歓喜へ」、そういう経緯があったんですね。
どおりで、吹っ切れたような生き生きとしたベートーヴェンらしさを感じるわけです。
確かに第3番は全体的には暗めで苦悩している様子にも聞こえますが、最後は力強く、希望らしい光が差し込んで終わります。納得。しかも、ふと私のiTunesを見ると5曲あるピアノ協奏曲の中で一番多く再生しているというおまけ付き(^^;)

いくつか聴いた第3番の中で一番再生回数の多かったのは、園田高弘氏のピアノ独奏と大山平一郎氏指揮/九州交響楽団による演奏。今のところiTunesでの再生回数は実に31回!自分でもびっくり。
終楽章の最後、ピアノ・カデンツァ冒頭で鋭い速さで一気に弾き上げた後、ゆっくり、ゆっくり余韻に浸って、やがて盛大にフィナーレを迎えるのですが、ゾクゾク鳥肌きました。このCDはコンサートのライブ録音なのですが、拍手の中にお客さんのブラボー!が聞こえます(^^)自分もブラボー!を心で叫ぶ、通勤電車の中でした。

ピアノ協奏曲 (第1弾) ※第3番・第4番
作曲: ベートーヴェン

指揮: 大山平一郎
演奏: 園田高弘, 九州交響楽団
日本クラウン - 1999/07/23


そんな園田高弘氏の演奏を一度生で聴いてみたいと思っていました。
しかし、惜しくも2004年10月にお亡くなりになったとのこと、とても残念です…
心よりご冥福をお祈りすると共に、この言葉をお借りして締めくくりたいと思います。

理想を掲げる限り、茨の道の先にも光は見えると確信している。

園田高弘(ピアニスト)

posted by stonez | 2005.03.28 23:46 | Comment(2) | TrackBack(2) | 音楽 - 協奏曲
この記事へのコメント
私はこの曲の第2楽章にはまってます。
「ハイリゲンシュタットの遺書」が直前に書かれていたというのも納得です。
Posted by ラーマ at 2005.05.29 10:04
ラーマさん、遅くなってすみません、コメントありがとうございます!確かに、この第2楽章を聴くと悟りの境地が垣間見えるような感じですよね。遺書と無関係とは思えません。
またよろしくお願いします!
Posted by stonez at 2005.06.05 09:39
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