モーツァルト/歌劇「魔笛」

早くも12月ですね。モーツァルトイヤーも残すところわずかとなりました。そして今日はモーツァルトの命日。今年は『生誕年』なので没日は関係ないですが、彼は1月に生まれ12月に亡くなったという意味で、メモリアルイヤーの節目をちゃんと押さえています。なので今年最後のモーツァルトとして、彼の最後のオペラ「魔笛」(K.620)で締めくくりたいと思います。

このオペラは、どことなく太古の中東っぽい設定だったり、王子が王女を助ける冒険に出て成長していくというファンタジー路線で、それがセリフで進行するジング・シュピール(ドイツ語の歌芝居)です。途中で正義と悪の立場が逆転したり、モーツァルトに関係の深いフリーメーソンの思想が絡んだりと複雑ですが、そのへん気にしなくても素直に楽しいです。

音楽は本当に贅沢で、夜の女王の魅惑のコロラトゥーラをはじめ、その娘パミーナと王子タミーノの正統派アリア、そしてコミカルでオペラ・ブッファみたいなパパゲーノ、逆にザラストロは厳格で宗教的。3人の童子に至っては天から降りそそぐコラールのようです。最後は賛美歌の大合唱かと思うばかりの感動的なエンディングでした。これはまぎれもなく死が迫ったモーツァルト最後の魅力でしょう。

私が観たのはレヴァイン・METによるモーツァルト没後200年記念でのライヴDVDですが、幻想的なステージデザインに独創的な衣装、レヴァインならではのスピーディでドラマチックな音楽。しかも笛やグロッケンシュピール(鈴)といった小道具たちへの音色がこれまた素敵で思わず巻き戻したくなります。

印象的な場面といったら、パパゲーノとパパゲーナが「パパパパ・・・」と歌いあう微笑ましいシーンとか、言わずと知れた夜の女王が登場する全シーン(→鳥肌)、ちょっと控えめな主人公2人ですが、タミーノは他でも聴きたくなるロマンティックな声でしたし、パミーナはさすがバトル、目を閉じて聴きたくなる可憐な歌声にセリフ。オーラが出ている感じすらしたのでした。

■主な配役
パミーナ・・・キャスリーン・バトル(S)
タミーノ・・・フランシスコ・アライサ(T)
パパゲーノ・・・マンフレート・ヘム(Br)
夜の女王・・・ルチアーナ・セッラ(S)
ザラストロ・・・クルト・モル(Bs)

■演奏・制作
メトロポリタン歌劇場管弦楽団&合唱団
指揮:ジェイムズ・レヴァイン
演出:グース・モスタート
制作:1991年2月 メトロポリタン歌劇場(ライヴ収録)

■あらすじ
娘パミーナをザラストロに奪われた夜の女王は、王子タミーノに救出を依頼。タミーノはお供のパパゲーノと旅立つが、やがてザラストロは高僧で、夜の女王からパミーナをかくまって養育していることが発覚。タミーノはパミーナと出会い、ともに結ばれるためにザラストロのもとで試練を受ける...。
posted by stonez | 2006.12.05 20:43 | Comment(4) | TrackBack(2) | 音楽 - オペラ・声楽
この記事へのコメント
あらタイムリー。
来週魔笛観に行くのです。
とっても楽しみです。
Posted by petite-tomo at 2006.12.06 00:40
ぷちともさん、どうもです(^^
それはうらやましい!このオペラは見どころがたくさんで飽きないですよ。自分的には夜の女王がどうやって登場してくるか気になりますね。メトのDVDでは閃光とともに岩山が真っ二つに割れて、そこの地面からせり上がってきました。何でも天井から降りてきたり、バイクに乗ってやってきたりする演出もあったとか(笑)
Posted by stonez at 2006.12.07 00:08
こんばんは。

5日は、モーツァルトの命日だったのですよね。
いろいろあって、忘れていました。(汗)
魔笛は、いつ聴いても素敵なオペラですよね。
私もこの映像、レーザーディスクで持っています。
レヴァインも、気のあったメンバーとほんとに楽しく演奏していると思います。

620番というケッヘル番号からも明らかですが、晩年に向かうにつれて、だんだんシンプルにかつ童心に帰っていったモーツァルトを偲ぶという意味で、最高の音楽かもしれません。
Posted by romani at 2006.12.07 22:38
romaniさん、コメントをありがとうございます。
私は忘れっぽいので、少し前からこの日を狙っていました(笑)。最近になって、モーツァルトの音楽っていいなと思うようになりましたが、それを後押ししたのはやっぱりこの「魔笛」だったと思います。たくさん詰まって宝石箱のようです。それにromaniさんがおっしゃる通りだと思いました。モーツァルトが童心に帰っていくような音楽になったところに、魅力と一緒に、寂しい思いも湧いてきます。残り少ない日々、音楽を噛みしめているモーツァルトを想像してしまいます。ケッヘル番号も550番以降は、特別な感情で聴いてしまいますね。
Posted by stonez at 2006.12.09 00:37
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