武満徹/雨の樹:素描

昨日の昼メシに好物マーボー麺を食べに行ったお店で、杉山清貴の『最後のHoly Night』が流れてました。もうそんな時期なんですね。いやでも古いなぁと思いつつ、なんか妙な新鮮味を感じました。歌も歌声も好きなんですが、今や「懐メロ」ですね。カラオケの1曲目にはちょっと出しにくいなぁ。

さて、今年は没後10年を迎えたタケミツ・イヤーでもあります。でも、以前何の準備もなく現代の音楽へ入って道に迷いましたので(笑)、まずはちょっとしたピアノ作品から再入場してみることにしました。

武満徹が1982年に作曲したピアノ独奏曲、「雨の樹:素描」。ピアノはピーター・セルキン。iTunes Storeにて150円。杉山清貴と同じ1980年代でも、かたや現代音楽、そしてもう一方は懐メロ。音楽って面白いです。深いです。

「雨の樹:素描」はタイトル通り、木からおちてゆく水滴をスケッチしたというだけあって、印象派の流れを感じます。不揃いでまばら。水墨画みたいなモノトーンな音色。でもセルキンのピアノには突き刺すような寒さがなくて、それがちょっとホッとする。

水を描写したピアノ曲といえば、ラヴェルの「水の戯れ」とか、ドビュッシーの「水の反映」といったあたりが思い浮かびます。何気ない自然の一コマが、作曲家のフィルターを通したとき、頭の中で一枚の個性的な絵画みたいに鮮やかに再現される。やっぱり音楽って面白いです。深いです。
posted by stonez | 2006.12.09 01:01 | Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽 - 器楽曲
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