ベートーヴェン/交響曲 第7番

とにかく軽快な曲です。気持ちを高揚させたいときにはうってつけです。
かのリストさんは「リズムの神化」と言ったそうです。はたまたワーグナーさんは「舞踏の聖化」と言ったそうです。 そういった賛辞が物語るように印象的なリズムが多用されていますし、なによりこの曲の特徴は、第1楽章の序奏以外は全て速いテンポで、というのが指示されていることです。

ちなみにこの曲は、充実した中期(傑作の森)の後、深刻なスランプに入っていたベートーヴェンが、それを打破して第九につづく晩年の重要な作品を生み出し始めた頃の作品です。

第1楽章(イ長調):ポコ・ソステヌート(少し保った長さで) → ヴィヴァーチェ(活発に速く)・・・荘厳でゆったりとした曲調で始まった後、変わって徐々にスピードアップし舞踏の世界へと入っていきます。

第2楽章(イ短調):アレグレット(やや速く)・・・実際はそれ程速くないのですが、はかなくも美しい旋律で、"不滅のアレグレット"と呼ばれているそうです。「ター、タ、タ、ター、ター」のリズムが一貫して使われています。

第3楽章(ヘ長調):プレスト(急速に) → アッサイ・メノ・プレスト(より急速に)・・・テンポとリズムのよい舞踏に入っていきます。徐々にスピードアップします。

終楽章(イ長調) :アレグロ・コン・ブリオ(快活に速く)・・・「タンタカタン、タンタカタン」のリズムで始まり、また多用されています。舞踏と緊張感は盛り上がりを増していき、最高潮を迎えて終わります。

このように、曲が進むにつれて徐々に激しさを増していき、第4楽章などはテンポも速い上に一定のビートを刻みながらヒートアップしていきます。盛り上がった宴会のようだ、というのも頷けます。さながらロックな感じです。

この曲は、クライバー/ウィーン・フィル、カラヤン/ベルリン・フィル、小澤征爾/SKO の順番に聴いていきましたが、それぞれに持ち味があって楽しめました。クライバーさんは音が美しく、バランスが取れていて聴きやすく上品な感じがしました。洗練された...という表現はこういう演奏を言うのでしょうか。
カラヤンさんは音楽そのものがしまっていて、心地良く聴けます。オケもテンポも見事に統率されているというのも聴いていて分かります。録音状態はこの中で一番よかったと思います。

その中で最も興奮させてくれたのはオザワさんでした。
なによりも、ライブ録音というのが大きいです。この曲の持つドライブ感を味わうならライブ以外にないと思うからです。テンポも軽快、曲が進むにつれてどんどん躍動感と重低音も増していきます。フィナーレを迎えて曲が終わる間もなく、聴衆による歓声が漏れて興奮に包まれる様子も、大いに鳥肌を立たせてくれます。多少音がこもった感じがするのも気にならないくらいよかったです。

この曲はきっとコンサートでは盛り上がるでしょう。
CDだけじゃなくて、生演奏を聴きに行きたいと強烈に思わせる一曲です。

『ベートーヴェン:交響曲第5番&第7番』

指揮:カルロス・クライバー
演奏:ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団




『ベートーヴェン:交響曲第7番』

指揮:ヘルベルト・フォン・カラヤン
演奏:ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団




『ベートーヴェン:交響曲第7番』

指揮:小澤征爾
演奏:サイトウ・キネン・オーケストラ



posted by stonez | 2005.04.13 00:51 | Comment(4) | TrackBack(4) | 音楽 - 交響曲
この記事へのコメント
この曲の興奮はおっしゃるとおりですね。実は私はベートーヴェンは苦手なのですが、それはさておき有無もいわせず興奮させられる演奏がありますね。これも音楽の一つの聴き方と言うことで。
Posted by yurikamome122 at 2005.05.31 06:53
コメントありがとうございます!
確かにyurukamome122さんべトーヴェンの第9のエントリーを読ませて頂いたときに、なるほどと感じたのを思い出しました。興奮させられる演奏は他もあると思いますし、探してみたいところです。ありがとうございます!
Posted by stonez at 2005.05.31 09:42
おはようございます。クーベリックの全集盤でTBさせていただきました。
サイトウ・キネン盤は未聴なんですが、カラヤンもクライバーも7番に関しては素晴らしい出来ですね。クライバーの7番は今さらボクが何を言っても仕方ない大名演、カラヤンのは彼のベートーヴェン全集の中でも最も成功している演奏ではないかと思います。
Posted by mozart1889 at 2005.07.10 05:25
mozart1889さん、コメント&TBありがとうございます!
ワクワクさせてくれるカラヤンの第1楽章、そしてクライバーの歌うような第2楽章が好きですし、盛り上がった第4楽章は小澤/サイトウキネンが今のところのお気に入りです。
エントリーされていた、クーベリックの演奏気になりますね。大好きな曲だけに、機会があったら是非聴いて見たいと思います。ありがとうございます。
Posted by stonez at 2005.07.10 23:06
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