
さて今年は、グリーグの没後100年、シベリウスの没後50年と、北欧を代表する巨星たちが区切りよく節目を迎えたので『北欧イヤー』だそうです。私もこの流れに乗りたいと思います。まずは20世紀を代表する交響曲作家でもあるシベリウスから。交響曲第1番 ホ短調 Op.39。サー・コリン・デイヴィス指揮、ボストン交響楽団による全集録音から。
シベリウスが最初に手がけたこの交響曲、この伝統的な交響曲という枠組みの中に北欧の大自然やおとぎ話をギュッと詰め込んで真空パックにしたような作品とでもいいますか、聴いた瞬間にそれが耳元で広がって、あっという間にまだ行ったことのない北欧の風景の中にいるような、そんな気分にさせてくれるのです。
第1楽章。暗い序奏が明けたとき、目の前にぱっと広がる光と水と緑の世界。自然が織りなす神秘。第2楽章。そこに暮らす人々のあたたかさを見るような、どことない懐かしさ。悲劇的な高揚はこの国の負ってきた歴史の暗示か。第3楽章。再び大自然。巨大なフィヨルド。氷河。ハープのアクセントが心地よい。第4楽章。交響詩のような雰囲気。雪解け、夜明け、そして人々が伝説の時代から今に至るまで大切にしてきた尊厳を取り巻くドラマティックな世界。
コリン・デイヴィスとボストン響の一番の魅力は、透明感が感じられるところ。そして重心の定まった音の響き。それが寒さ厳しい気候の中にあって、綺麗で美しい北欧の大自然そのもののように伝わってきます。スケールの大きさを感じさせる豊かな金管も素晴らしい。残響音が適度に効いた録音状態もまた素敵です。
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ます。第1番はあまり聴かない方ですが、初演の時からフィンランド人の心を掴んだ傑作だったのですね。
記事を拝読して、久しぶりに聴きたい気持ちが強くなりました。
相変わらず読みにくい文章ですが、そう言って頂けて嬉しく思います。実は、私も最初に全集として手にしたのがこのデイヴィス盤でした。それまで彼の演奏は、やや性急で淡泊に感じるところがあったのですが、これを聴いてそれが180度変わってしまいました。同じく全集としてはバルビローリでも楽しんでいますが、どちらにも違った魅力があって病みつきです(^^ゞ ありがとうございます。
今年はシベリウス・イヤーですね。4番と後期の交響曲があまり得意ではないので、今年は沢山聴いてモノにしたいなと思っています。
1番交響曲はエエですね。旋律も美しく民族的で聴きやすいです。ボクも丘さんと同様、デイヴィスのLP全集(廉価盤5枚組7500円)からシベリウスに入門しました。思い出多い演奏です。
ヴァンスカ盤を含むBISの作品集を買いましたので、そちらからTBを。ベルグルンドではyurikamome122さんがあげたヨーロッパ室内管の一つ前、ヘルシンキPO盤を。
私も実は、4番は最後の砦かなと思っていたところです(笑)。番号が進むにつれて、より内向的になっているといいますよね。デイヴィス盤は、なかなかの名盤のようですね。私も大切にしたいと思います。
ところで、ヴァンスカ/ラハティ響ですが、輸入盤の交響曲全集が比較的お手ごろだったので、私も迷ったことがあります。さっそく参考にさせて頂きますね!