チャイコフスキー/交響曲 第4番

東京の中目黒まで仕事しに行くようになって1か月。まだこの街の人気の秘訣はわかりません。やっぱり歩いて回る時間がないからなぁ。あと寒いのがネックですねぇ、なんて言ってみても、このままだと暖冬なのでウソだったというオチになりそうな。写真は中目黒の立体交差にて。奥が中目黒駅です(マウスオンで昼になります)。

さて、ブラームスの哀愁ただよう曲想が秋にぴったりなように、チャイコフスキーのあたたかい情感は冬によく合うと感じている今日この頃。チャイコフスキー作曲、交響曲第4番 ヘ短調 Op.36。ユージン・オーマンディ指揮、フィラデルフィア管弦楽団。1973年。

チャイコフスキーがやや前のめりになって、気張って作ったんじゃないかと思うほど、パワーと感情が炸裂するこの作品。それだけにそれを充分に発散させてあげるような、壮麗で濃厚なこの演奏が良く映えます。あぁ聴いたなぁという満足が得られる演奏。それが「フィラデルフィア・サウンド」、これが「オーマンディ・トーン」の真価なのでしょう。

第1楽章。金管の暗い運命の動機にはじまって、その動機を断定したところで終わる。ささやかな希望も運命に打ち消される。それはチャイコの悩み、同性愛とか結婚の失敗といった体験からなのでしょうか。第2楽章では、それによってやる気を失い脱力する感じ。でもそこに彼の憂いに満ちた流麗なメロディが花開く。オーマンディもそれを心ゆくまで堪能させてくれます。

第3楽章。さらに深刻になり酒に溺れる。と思いきやちょっと脳天気で落ち着かない様子で速いピチカート。ピチカートでも豊かにしっかり響いてくるし、そうオーボエがまた素敵。飛び入りしてくる酔っぱらいのフニャフニャ感が出てる(笑)。軍楽隊の登場は意味不明だけどそこがまた楽しい。

そんなお気楽な気の持ちようが幸いして、ハッピーエンドの終楽章。途中で顔をのぞく運命のおぞましい主題は勢いとプラス思考でカバー、という雰囲気で元気を取り戻してフィナーレです。これはチャイコの願望?とにかく、乱れることなく迫力へと導いていくオーマンディです。
posted by stonez | 2007.02.09 00:57 | Comment(6) | TrackBack(2) | 音楽 - 交響曲
この記事へのコメント
夜から昼への写真の切り替え楽しめました(^^
オーマンディの演奏は聴き応えがあるでしょうね。私は高校時代に買ったカラヤン、BPOのLPが今でも最高です。

Posted by よし at 2007.02.09 08:35
おはようございます。
チャイコフスキーは大好きな作曲家です。
仰るように、確かにチャイコフスキーは冬に良く合いますね。

この曲は、チャイコフスキーが結婚に破綻を来たし自殺を企てた直後に完成した曲と、私も聞き及びます。
それでも不思議に、そんなに暗くは感じません。彼を救ったという弟の兄弟愛が為せる技でしょうか。

第4番、第5番、第6番とも、適切な言葉が見つかりませんが、人生を見つめる何か共通のものを感じます。
なお、私の盤は、オットー・クレンペラー指揮/フィルハーモニア管弦楽団です。
Posted by アスカパパ at 2007.02.09 10:07
あまり曲に関してシリアスに語るのは私の苦手とするところなのですが、チャイコフスキーはこの曲を境に明らかに変化したように思うのです。多くの人が好むように彼の交響曲は4,5,6番が圧倒的に人気があるようですよね。
これを境に、彼の創作意欲の向く方向が突然変化したのでしょうが、それまでのメルヘンチックで暖かみを感じる胡桃割人形の世界の彼の音楽がその豪華絢爛でリズミックな彼の音楽で、同時代のドストエフスキーの世界を彷彿させるロシアン・ロマンチズムへと進んでいったのであります。ロシアでの演奏傾向としてソ連時代も一貫してそしてその向かうところに運命と闘争をすごく意識しているように思います。つまりロシアでのベートーヴェンの代わりだったような気もします。
私はチャイコフスキーは、交響曲ではこの曲以前の3曲の世界が率直に彼の音響世界を楽しみといった意味ではとっても好きで、この4番にしても意志の力で未来を強引に切り開くのではなく、いいわけ、先送りの後ろ向きと思える彼の苦悩から、彼の破滅的な終末を既に孕んでいるような気がしてちょっと敬遠しがちであります。
私はハイティンクで聴いております。
Posted by yurikamome122 at 2007.02.10 07:56
よしさん、コメントありがとうございます!
写真楽しんで頂けてよかったです(^^ 実は撮ったり仕込んだりしている自分(暗いですが・・・)も楽しんでいたりします(笑)。オーマンディの演奏をじっくり聴いていると、その世界にグイグイひっぱられる魔力みたいなものがありますね。カラヤンも是非聴いてみたいです。
Posted by stonez at 2007.02.10 12:32
アスカパパさん、いつも感謝です。ありがとうございます(^^
チャイコフスキーが冬に合う、同じ感想をお持ちだなんて嬉しく思います。彼の作品には、本人も含めた背後の人間関係のいろいろな問題が映し出されてくるようで、それはそれで面白いですね。兄弟愛で思い出しましたが、悲愴のネーミングについて弟とやりとりした、というのを思い出しました。ちょっとしたキーマンかもしれませんね。
ところで、私も彼の4番以降の交響曲(1〜3番は未聴ですが)は運命や宿命のような、ちょっと深刻なテーマで一貫していますよね。ベートーヴェンのように、彼にとっても特別なジャンルになっていったのかな、と思います。
Posted by stonez at 2007.02.10 12:44
yurikamomeさん、どうもありがとうございます!
確かに、久々に作品について熱く語るyurikamomeさんを堪能でき嬉しく思います。このまま一杯いきたいところですね(^^ 

私は1〜3番の交響曲は未聴ですが、チャイコフスキーの第4番は、ベートーヴェンがエロイカで大変身したものに匹敵する変貌ぶり、とモノの本で読みました。メルヘンで希代のメロディーメーカーなのがチャイコフスキー、そういう印象が強いですが、これら後期の作品は全く違いますね。後ろめたい運命を意識しているような、おびえた一面も一緒に伝わってくるように思います。「ロシアでのベートーヴェン代わり」と聞いて、yurikamomeさんが敬遠しがちなのがちょっとだけわかる気がしました。私はこの世界嫌いではありませんが、聞く時の気分は選びますね。今はとにかく、初期の交響曲を聴いてみたいところです。ありがとうございます!
Posted by stonez at 2007.02.10 14:15
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チャイコフスキー/交響曲第4番ヘ短調作品36
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