ヘンデル/組曲「水上の音楽」

久々に聴いてみました。トレヴァー・ピノック指揮/イングリッシュ・コンサートによる、古楽器ありの演奏ということで、チェンバロが聴けるのですが、この音色結構好きです。それから、ホルンも上品な響きです。体に優しい、心にしみわたる。嗚呼バロックな組曲です。

ところでこの曲で面白いのが、その背景にあるエピソードです。
ドイツのハレで生まれたヘンデルは、同時期のバッハが生涯ドイツで過ごしたのとは対照的に、イタリアに行ったりイギリスに行ったり、そして最期はイギリスで葬られるというチャレンジャーな生涯でした。

そんなヘンデルさんは、25歳当時に就いていた、ドイツ・ハノーヴァー選帝候の宮廷楽長の職を放って、しかも再三の帰国命令を無視して、イギリスのロンドンに居座っていたそうです。当時のロンドンはオペラや公開演奏会が盛んで、報酬も高かったそうです。なるほど。
そんな折、当時のイギリス国王アン王女が死去、なんと遠縁のハノーヴァー選帝候が新イギリス国王ジョージ1世となってイギリスにやってきたのでした。

気まずい(笑)ヘンデルは、ジョージ1世がテムズ川で舟遊び(水上での音楽会)をしているところへ出向いてご機嫌を伺うために、この壮大な組曲「水上の音楽」を演奏して王の喝采をもらい、和解することができましたとさ。めでたし、めでたし。
と、この話、細かいところでは諸説あるようですが、面白いですね。

ヘンデルさんのちょっと不純な動機(ごめんなさい)のおかげで、私も楽しむことができた、組曲「水上の音楽」でした。めでたし、めでたし。

蛇足ですが、高校の世界史で習ったのをせっかく思い出したので書いておきますと、先ほどのハノーヴァー選帝候だったジョージ1世(英語は話せなかったらしい)から始まるイギリス王朝を「ハノーヴァー朝」といい、その血統は現在のエリザベス2世女王まで受け継がれています。ところが第1次世界大戦でドイツと戦った際に、敵国ドイツの「ハノーヴァー」はちょっとね、ということで王宮の場所にちなんで、現在の「ウィンザー朝」に改められたのだそうです。
posted by stonez | 2005.05.13 23:49 | Comment(0) | TrackBack(3) | 音楽 - 管弦楽曲
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ヘンデル作曲、「水上の音楽」
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