ベートーヴェン/交響曲 第6番「田園」

ベートーヴェン作曲、交響曲第6番「田園」は、「運命」でおなじみの交響曲第5番と同時期に作曲され、同じ日に初演されています。ただ「運命」はのちの人たちが呼んだニックネームに過ぎませんが、交響曲第6番は、タイトルの「田園」から各楽章に至るまでベートーヴェン自身によって表題付けされています。そして、面白いのはベートーヴェン本人による説明です。

この田園交響曲は、田園の風物を音で描写したのではなく、田園での喜びが人々に与える感情を描いたものである


 第1楽章「いなかに着いた時の愉快な気分」
 第2楽章「小川のほとり」
 第3楽章「いなかの人達の楽しい集まり」
 第4楽章「雷と嵐」
 第5楽章「牧歌、嵐の後の喜びと感謝」

この頃のベートーヴェンは既に聴覚に問題を抱えていて、そのことが風景や音そのものから、呼び起こされた気持ちへと向かわせたのかもしれません。となると私が行ったことのないベートーヴェンゆかりの地、ドイツ・ハイリゲンシュタットの田園風景を想像できなくても、考えようによっては、この曲を聴きながら私が生まれ育った水と緑が美しい日本の田園風景に感情移入することもできるということですね。

というわけで今日は、ベートーヴェン作曲 交響曲第6番「田園」を、指揮ハンス=マルティン・シュナイトさん、神奈川フィルハーモニー管弦楽団の演奏で。今年3月29日に川崎市のミューザ川崎シンフォニーホールにて行われた、神奈川フィルハーモニー管弦楽団特別演奏会での録音です。

印象的なのは、第1楽章の出だしからしっとりと響いてくる弦楽器の音色です。その響きは、出るべきときは激しく、抑えるべきところは繊細に、シュナイトさんの指揮にきっちり応えながら進んでいく神奈川フィルが想像されます。

第1楽章の副題などは、思わずワクワクしてしまうような盛り上がり。小川のほとりの様子も鳥のさえずりも心安らぐような穏やかさがあります。一方で、人々の活気や雷鳴の思い切った激しさなどは生々しくリアルに。聴いていて飽きません。フィナーレの安堵感に満ちた感謝の気持ちまで、一気に聴き終わりました。録音の状態もいいですし、低音もよく効いていると思います。

小さい頃跳びまわった故郷、水と緑にあふれる田舎での記憶が目に浮かぶような、楽しい演奏でした。是非、次はコンサートに足を運んで生の音に触れてみたいと実感したのでした。

リンクです。yurikamome122さんによる、このCDのレビューです。
ベートーヴェン作曲、交響曲第6番「田園」 シュナイト指揮、神奈川フィル

そして演奏会当日のレポートです。yurikamome122さんの興奮が伝わります。
神奈川フィルハーモニー管弦楽団特別演奏会 ”名匠シュナイトの「田園」”
posted by stonez | 2005.07.03 22:59 | Comment(4) | TrackBack(4) | 音楽 - 交響曲
この記事へのコメント
嬉しいなぁ。私が褒めるとみんな欲目だと思って信じてくれないでしょうからね。エントリーしてくださって本当に嬉しいです。この人の演奏は「シュナイト・シリーズ」というのを県立音楽堂で行いまして、それが素敵だったんです。そちらをTBさせて頂きますね。今年の秋からまた、新シリーズをやるそうなので、大いに期待しているところです。末永く聴き続けていきたい指揮者です。そして神奈川フィルのコンビでたくさんいい演奏を聴かせてほしいものです。
Posted by yurikamome122 at 2005.07.04 18:46
yurikamome122さん、ありがとうございます!
TBの記事さっそく読ませて頂きました。CDもいいですけど、やっぱり生演奏の方が魅力ですね。コンマスの石田さんの音色と、現田さんの指揮を是非見てみたいです。指揮者さんがロビーでお見送りしてくれるというお話だけでも感動しますね。残念ながら昨日の演奏会は予定が合いませんでしたが、継に期待です!奇遇にも私も神奈川県民ですしね!ありがとうございます。
Posted by stonez at 2005.07.04 22:18
ぜひ、いらしてください。このアマチュアのようなモチベーションの高いオケは、音楽を聴く楽しみをいつも味あわせてくれます。そして、録音よりもっといい音がするのですよ。コンサートにたくさんの方が足を運び、意見交換を活発にできると楽しいと思います。ありがとうございます。
Posted by yurikamome122 at 2005.07.05 06:25
コメント遅くなってしまいました...yurikamome122さん、どうもありがとうございます。そうですね、今度は録音ではなくて、生の音を堪能しに行きたいと思います。魅力のあるオーケストラが県内にあることもすばらしいですし、近くで聴けるというのもありがたいことです。次回の演奏会を楽しみにしたいと思います。ということで、またよろしくお願いしますね!
Posted by stonez at 2005.07.12 10:02
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