パガニーニ/ヴァイオリン協奏曲 第1番

先日のコンサートでヴァイオリニスト木野雅之さんの超絶技巧に感動してから、しばらくヴァイオリンの曲を聴いていましたので、今日はパガニーニのヴァイオリン協奏曲第1番を。演奏は、ヴァイオリン独奏・メニューイン、エレーデ指揮/ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団です。

「ヴァイオリンの鬼神」ことパガニーニは、イタリアが生んだ超人的なヴァイオリニストですが、その曲芸ともいえるような卓越した演奏技術や、次々に開発した演奏技法ゆえに「悪魔に魂を売った男」などと噂され、生前から既に伝説の人物だったようです。また、リストやシューマンのピアノ技法にまで影響を与えていますし、シューベルトは家財を売り払ってまで彼の演奏を聴きに行った、というエピソードが残っているくらいです。

彼はベートーヴェンまでのヴァイオリン曲では技術的に満足できず、自分の為の楽曲を数多く書いたそうです。ただ残念なのは、彼が技術が盗まれることを恐れてか弟子をとらず、しかも譜面の公開を拒んだため殆どの曲が散逸してしまったことや、ヴァイオリンの技巧に才能を捧げてしまい、オーケストレーションまで手が回らなかったと言われていることです。

そんなパガニーニのヴァイオリン協奏曲第1番ですが、第1楽章の冒頭からシンバルが鳴り響き、それに合わせるような元気なオーケストラなので、オペラの序曲のようなわくわく感があります。イタリアの陽気さをみるようでもあります。引き続いてパガニーニ劇場の開幕です!。メニューインの奏でるきらびやかな音色が響き渡り、めくるめく技の世界が展開されます。オーケストラは弦が合いの手を入れて引き立てる以外は静まり返ります。こんな感じでオーケストラとヴァイオリン独奏が交互にやってきて、協奏というより競奏という感じがしますし、気がついたらカデンツァにも自然に入っているところがおもしろいですね。

第2楽章は始まりこそジャーン!ですが、叙情的な味わいの美しい楽章です。シューマンはこれを聴いて「パガニーニに天使の歌を聴いた!」と言ったとか。ヴァイオリン特有の美しい音色をメニューインさんが余すとこなく聴かせてくれます。終楽章は、印象的な美しい旋律をソロヴァイオリンが奏でながらも、華やかな技巧のオンパレード。詳しくはわかりませんが、二重フラジオレット(左手の指4本を使った二重音で、弦を軽く押さえて弾く)や、スタッカート・ポランテという素早いスタッカート、それから素早い左手のピチカートなどなど。この目で見たくなるような速さと音色でした。

ヴァイオリンが秘めている表現力を存分に楽しむことができました。こういう曲こそ生演奏を見たいものです。ただ、オーケストラでももっと多彩な音色が楽しめたらと思うと惜しい気もします。
posted by stonez | 2005.07.14 01:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽 - 協奏曲
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