カゼッラ/ハープのためのソナタ

ここ数日の関東地方は、曇りがちで湿気を含んだ暑さが続いております。そして夜も更けた今は、雷を伴う激しい雨。そんな翳りのある時には、しっとりしたハープの音色を聴くと意外と落ち着くものですね。

そんなわけで、ハープ奏者・吉野直子さんのアルバムを取り出してみました。彼女の奏でるハープの音色はふくよかな響き、そしてやわらかい音色が魅力。聴くととても心が休まります。その中から、カゼッラ作曲「ハープのためのソナタ Op.68」を。

1883年、イタリア生まれのカゼッラは、ストラヴィンスキーやプロコフィエフとほぼ同年代ということで、比較的現代寄りの作曲家で、作風はフランス印象派の音楽に影響を受けていると言われます。この「ハープのためのソナタ」は彼の晩年に、同じくイタリア人のハープ奏者のために作曲されたソナタとありますが、この曲も印象派音楽の雰囲気がよく顕れている気がします。

第1楽章「アレグロ・ヴィヴァーチェ」
快活な出だしでテンポよく奏でられていきますが、吉野さんの奏でるやわらかな音色を通して聴こえてくるのは、生き生きとした表情というよりも、やさしい風のような心地よい旋律です。

第2楽章「サラバンド(重々しく、荘重に)」
日本の「さくら」のような旋律で始まり、そして純和風のメロディを聴いていると、ふと琴の音色を聴いているような錯覚を覚えます。しっかりとした、でも前に出すぎない音色で落ち着いた空間を演出してくれます。低音の響きが心地よいのも印象的です。

第3楽章「フィナーレ(生き生きとして、陽気なマーチのテンポで)」
心地よいリズム感に支配されていますが、ここでも和を思わせるような、どことなく懐かしい気持ちにさせてくれます。幾重にも重なり合って響いてくる音色は、伴奏している楽器が他にあるかのような錯覚を覚えるほど豊かです。

このCDに収録されている、ドビュッシーの「月の光」もハープならではの魅力と、吉野さんの素晴らしさを堪能できますが、この曲こそ彼女のハープの魅力を楽しめる名曲だと思います。
posted by stonez | 2005.08.12 23:58 | Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽 - 器楽曲
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