ショパン/ノクターン 第13番

猛威を振るっている台風14号の影響で、関東でもぐずついた天気が続いています。今は強い雨。日中でも外の景色が見えにくい、いつもの開発ルームでもさすがに外の暗さが伝わってきました。そんな日の帰り道に、なんとなくアシュケナージが演奏する、ショパンのノクターン13番を聴きました。

日も暮れ、漆黒と化した空の下。そして恐ろしいほどの澄んだ静寂がつつみこむように始まる、美しいピアニッシモ。左手が奏でる低音は不気味な空の深さ。右手からは、平静を装いつつも、これからやってくる嵐におののく落ち着きのない心のようです。それにしてもアシュケナージのピアノは、すっと体の中に入ってきます。それに透明な間合いと音色。

やがて、ぱらぱらと雨が降り出す中間部。静かな分散和音からは、乾いた路地や建物がだんだん水を含んで徐々に濃い黒に変わっていきます。でも、まだこの程度の雨ならむしろ涼しくて気分は悪くありません。そのとき、遠くから雷鳴が。それがだんだん近づいてくるとともに雨脚と雨粒はさらに勢いを増し、やがて激しい嵐に!そして、冒頭のメロディが再び戻ってきた頃には、肌を刺すような豪雨に支配されています。自然の叫び。荒々しいのに、なのに、奥底にどことなく漂う暖かさ。アシュケナージの演奏を聴くとほっとします。

ところで、「ノクターン」は「夜想曲」と訳されるように、「主にピアノのための、夜の情緒を表す叙情的な楽曲。」とありますが、この13番のように情熱的だったり、他にも幻想的な曲もあったりと、ショパンの21曲のノクターンは「夜想」だけでなく、様々な感触や表情が散りばめられています。

ですので、注意が必要です。寝付きが悪かった時に、ショパンのノクターンを流して静かに目を閉じていたところ、この13番の大嵐に遭い(笑)その晩眠れなくなったことがありますので...

posted by stonez | 2005.09.07 00:41 | Comment(2) | TrackBack(1) | 音楽 - 器楽曲
この記事へのコメント
アシュケナージのショパンも良いですね。夜想曲、練習曲、前奏曲、スケルツォにバラード・・・・アシュケナージでショパンを知りましたので、今でも刷り込みなんでしょうね、一番好きです。
夜想曲ではフランソワもアラウもルービンシュタインも良いんですが、やっぱり、ピアノの音が美しいアシュケナージに戻ってしまいます。
久しぶりに、ゆっくりノクターンを聴きたくなりました。季節も秋、夜も長くなりました。ショパンにいい時候ですね。
Posted by mozart1889 at 2005.09.07 17:52
mozart1889さん、いつもありがとうございます!
私もショパンはアシュケナージの演奏で育ってきましたので(笑)そういう意味では、ホッとするところがありますね。フランソワはドビュッシーでその存在を知りましたが、彼のドビュッシーから想像すると、スケルツォあたりを聴いてみたいですね。音楽を本格的に聴くにはもってこいの季節に入ってきましたね!
Posted by stonez at 2005.09.08 01:19
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Tracked: 2005-09-07 19:47