
<日時・場所>
2005年9月10日・横浜みなとみらいホール
<演奏>
指揮:マウリツィオ・ディーニ・チアッチ
ピアノ:野原みどり
神奈川フィルハーモニー管弦楽団
<曲目>
ミヨー/バレエ音楽「屋根の上の牡牛」Op.58
ラヴェル/ピアノ協奏曲
ラヴェル/左手のためのピアノ協奏曲
[アンコール]ラヴェル/亡き王女のためのパヴァーヌ
プーランク/シンフォニエッタ
今回の演奏会のコンセプトは、フランス近代の音楽の中でもラヴェルを中心とした簡潔さを追求した音楽。ちなみに、今回はラヴェルの協奏曲でのソリストのての動きが見たいがために、ピアノの後ろ側の2階席に陣取りました(^^ゞ
まずはミヨーの屋根の上の牡牛。フランスの街中で流れていそうな明るいメロディに乗って、ヴァイオリン、ビオラの透明感、フルート、オーボエの存在感のある美しさをはじめとして、全ての楽器の美しさを交代で楽しめる構成になっていて、私にとって神奈川フィルの名刺代わりの1曲目としては最高のチョイスだと思いました。それに、チアッチさんの真剣と興奮の表情が入り交じった指揮姿。新鮮な光景です。
そして、ラヴェルのピアノコンチェルト!何といっても、野原みどりさんのピアノにただただ圧倒されるばかり。オケの暖かいサポートに包まれ、そして時には包み込みながら魅せてくれます。鍵盤の上をキラキラと舞う蝶のような第1楽章。そして、ピアノが優しく歌う第2楽章。そして、鋭い速さは弾いているというよりも、まるで鍵盤を素早くはじいているように見えた第3楽章。興奮と安らぎが喜びに変わるひと時になりました。
続いて、左手のためのピアノ協奏曲。もともと第一次世界大戦で右手を失った、ウィーンの名ピアニストのために作曲されたものですが、左手だけで弾いていると全く感じさせない、豊かで幅のある野原さんの音色!起伏に富んだ旋律の中で、際立ったり協調したりとその存在感をいかんなく発揮してくれました。第3楽章のカデンツァでは、指揮者、奏者、そして聴衆が耳を澄ます中、静かな時が流れました。
鳴り止まない拍手に引き続いて、なんと野原さんからアンコールのプレゼント!同じくラヴェルのパヴァーヌです。ピアノで聴くパヴァーヌは悲しさというより儚さを感じさせてくれます。再びゆったりした時を楽しみました。
最後はプーランクのシンフォニエッタ。憂いのある美しさとメリハリのある旋律からは、古き良き古典派の上品さと、現代的な響きの妙を兼ね備えた美しい音楽です。爽やかで透きとおった弦と管の柔らかさが、チアッチさんのエネルギッシュなタクトから紡ぎ出されていきました。また聴きたい!と思わせてくれる演奏でした。
透明感のある弦楽器に美しく歌う管楽器。そして気張らず、自然に楽しめる曲ばかり。まさに「フランスのエスプリ」に納得の、素敵なコンサートでした。
Tags:神奈川フィル
私もTBさせて頂きます。
イタリアンの振る神奈川フィルのフランス物、なかなか愉しいコンサートでしたね。
私もTBさせていただきました、よろしくお願いします。
本当に行って良かったなと思わせる、心に残るコンサートになりました。ヴァイオリンをはじめとして、透明感のあるきれいな音色でしたね。それから、フルートとオーボエも印象的で、しみじみと楽しむことができました。そうですね、今度は是非お会いして神奈川フィルの魅力など、いろいろなお話を楽しみたいですね!よろしくお願いします。
楽しいコンサートでしたね。チアッチさんの指揮は時にクール、時に情熱的で見ていても楽しい指揮でした。そして何といっても、一体感のあるオーケストラ。もちろん野原さんのピアノも。挙げればキリがありませんが、また聴きたくなりました。私もTBさせて頂きますね。