マーラー/交響曲 第1番「巨人」

今朝は、家を出たときからマーラーの交響曲第1番 ニ長調「巨人(Titan)」を聴き始め、仕事先に着くところでちょうど演奏が終了しました。通勤時間にほぼぴったりの演奏時間(笑)

私の場合どちらかというと、マーラーはこれまであまり聴いてこなかった音楽に入りますが、この「巨人」だけは例外的に高校生の時から聴いている馴染みの曲です。そんなわけで、いくつか聴いた中でのお気に入りのCDは、今日も聴きましたがズービン・メータ指揮/イスラエルフィルハーモニー管弦楽団の演奏です。

決め手は、なんといっても作曲者本人によってカットされてしまった幻の第2楽章「花の章」が収録されていること。確かに「巨人」という標題が似合わないほど、優美な旋律の楽章ではあります。(ただ、その後「巨人」という標題も取り除かれてしまったものの、愛称として定着しているようです)

メータ/イスラエルフィルの演奏には、間合いを自在にコントロールした聴きやすさを感じます。第1楽章の森の自然を感じさせるような旋律は、ゆったりした心地よさですし、センチメンタルな第2楽章「花の章」は、テンポを落としてじっくり歌いこまれています。どこまでも続きそうな安らいだ時間は、緩徐楽章好きの私にはこたえられません。トランペットの音色が本当に美しい!マーラーはこの曲の後、どうせ交響曲の概念に捕らわれない多くの音楽を作ったわけだから、この楽章を残しておいて欲しかったなぁ・・・

第3楽章は、鮮やかに彩られた活発なスケルツォ楽章。メータの躍動感に満ちた堂々とした演奏は快感です。第4楽章は、足取りまで見えてきそうな葬送行進曲。続いてやってくるオリエンタルな旋律は響きにどことなく懐かしさを感じてしまいます。そしてクライマックスの第5楽章は、絶望の淵から天国の楽園へ。聴かせどころの激しい部分は、わざとテンポを落とし、打楽器のタイミングをブレさせているので、より派手に聴こえてきます。

まさに熟練を重ねたツボを押さえた演奏と、タイタンの名にふさわい猛々しさを備えた演奏でした。
posted by stonez | 2005.09.21 01:06 | Comment(17) | TrackBack(6) | 音楽 - 交響曲
この記事へのコメント
stonezさん
おはようございます♪
>作曲者本人によってカットされてしまった幻の第2楽章「花の章」が収録されていること。
・・・聴いてみたいです。
カットしてしまったなんて、もったいないですね。。。
どんな感じの楽章なんですか?
Posted by おさかな♪ at 2005.09.21 07:38
おさかな♪さん、コメントとTBどうもありがとうございます!
実は最近まで、取り除かれた「花の章」の存在は知りませんでしたが、どうせ「巨人」の標題もカットしてしまったのなら、この楽章は復活させて欲しかったです。この楽章は、トランペット・ソロの甘くて優しい主題が素敵なんです。それをサポートする弦楽器やハープの音色も印象的で、まさに「花」の名前通りの美しさですよ♪
Posted by stonez at 2005.09.21 13:33
TB有り難うございました。
メータの「巨人」は、NYPを振ったレコードを聴いています。イスラエル・フィルとの演奏もあったんですね。
メータのマーラーでは、ロスPO時代にDECCAに録音した3番が好きです。ウィーン・フィルとの「復活」も素晴らしかったことを覚えています。メータは大編成の音楽が得意で、クッキリと明快、実にオケがよく鳴りますね。
Posted by mozart1889 at 2005.09.21 14:01
追記です。
通勤片道で「巨人」(花の章つき)が聴けてしまうなんて、渋滞でしょうか、大変ですね。都会の人は大変だなと思います。(でも、その分、音楽に浸れていいかもしれませんね)

ボクは四国の田舎住まいですので、「巨人」には往復でもやや時間が不足します。ベートーヴェンの田園が、往復にちょうど良いです。
Posted by mozart1889 at 2005.09.21 14:25
はじめまして。
TBとコメントありがとうございました。
リンクして頂きまして光栄です。
今後も宜しくお願いします。

マーラーの交響曲の中で第1番「巨人」が最も取っつきやすいのは確かですね。私もLP盤時代は、巨人を真っ先に買ったのを覚えています。
Posted by アスカパパ at 2005.09.21 14:38
mozart1889さん、コメント&TBどうもありがとうございます!しかも、mozart1889さんのブログへのコメント間違いお手数おかけしました<(_ _)>
今回エントリーしたCDは最近店頭でよく見かけるのですが、メータ自身にとってイスラエルフィル→ニューヨークフィル→イスラエルフィルということで、3度目の録音になるそうです。それを知ってしまうと、mozart1889さんのお聴きになられた演奏も聴いてみたくなりますね。確かに演奏の方は、明快で落ち着きがあって聴きやすいと思いました!
ところで、そうなんです。私はドアtoドアで1時間ちょっとの通勤時間、しかも乗換え3回(汗)ということで、「花の章付き」でぴったりくらいでした。電車通勤は混雑と騒音が難点ですね。良い事といえば、ボーっとしていても大丈夫ということくらいです(笑)mozart1889さんの環境うらやましいです。
Posted by stonez at 2005.09.21 15:03
アスカパパさん、さっそくのコメント&TBどうもありがとうございます。
やはり、この交響曲第1番はマーラーの中でも入っていきやすい曲なんですね。久々に聴いたのですが、以前とは違ってより豊かな音色に聴こえてきました。この曲とつながりの深い「さすらう若人の歌」も今度聴いてみようと思います。こちらこそ、どうぞよろしくお願いします!
Posted by stonez at 2005.09.21 15:13
どうもTBありがとうございます。メータのこの曲は初録音時のイスラエル・フィルのは持っています。グラマラスで伸び伸びしているいい演奏だったと記憶していますが、残念ながらこのこの演奏は聴いていません。でもいい演奏のようですね。ところで、「花の章」は、いい曲ですよね。爽やかで美しいと思います。でも交響曲にこれを加えればいいと言うわけではないのはご承知の通りで、「花の章」と交響曲第1番はオケの編成が違うのです。私は若杉盤で持っています。以前TBさせて頂いたかな?でもこちらもTB致しますね。
Posted by yurikamome122 at 2005.09.21 19:43
yurikamome122さん、コメントとTBをありがとうございます!
マーラー自身の手によって手直しがされていった経緯はライナーを読んで知りましたが、編成が違うという事まで考えていませんでした。また、yurikamome122さんのエントリーを拝見しましたが、マーラーが「交響曲」の体裁と統一感を重んじて、本人の意思によって現在の形としたことを考えますと、公式なものとしてはそれが全てなのだなと納得できます。このCD、初めは「花の章」を飛ばして聴いていましたが、これを入れると全体的に違った音楽に感じます。どちらにしても死はあまりイメージしませんでしたが、聴く演奏によって別の感想を持つこともあるかもしれませんね。「花の章」はあくまでも、「交響詩」から「交響曲」へ整備する過程で淘汰した遺物として、あくまで番外編として楽しめる点でよかったと思います。若杉さんの記事にもTBさせて頂きますね。ありがとうございます!
Posted by stonez at 2005.09.22 00:00
僕はイスラエルpoとのデッカへの旧盤を持っています。そういえば東京にいたころは僕はデュトワの幻想交響曲を聴きながら出社すると会社に着いたときにちょうど終了していましたよ。
Posted by リベラ33 at 2005.09.22 11:45
リベラ33さん、コメントどうもありがとうございます!
メータの1度目の「巨人」をお持ちなんですね。彼が録音を重ねていくうちに、どんなところが変化したか興味あります。ところで、幻想交響曲ということは私よりは通勤時間少なめという感じでしょうか。ヘッドフォンステレオなどで気軽に聴きたい時は、通勤時間の範囲内に収まるかどうかが、ちょっとした基準になりそうですね。
Posted by stonez at 2005.09.22 12:55
先日、プロのバイオリニストさんのブログを拝見していて、こんなヒトコトが・・・

マーラー 交響曲1番「巨人」 第3楽章より
「こーがーねむし、こーがーねむし、かーねもちだ、かーねーもちだ♪」

。。。ちょっと笑ってしまいました。。。
Posted by おさかな♪ at 2005.10.06 17:35
おさかな♪さん、どうもありがとうございます。
お、ホントですね。そういうところありましたね。コガネムシって、ドヴォ8でも出てきますし(笑)作曲家さんに人気あるなーと思います。なんだか、よく利用される節回しなんでしょうかね。最近マーラーもぼちぼち聴き始めたので、今度エントリーしようと思います!
Posted by stonez at 2005.10.07 00:44
stonez様 こんにちは
TBを頂き、ありがとうございました。私の場合、メータ氏と言えば高校時代に聴いた最初の「復活」が、同氏の演奏でした。懐かしいですね。CDでは、残念ながら買い直していないのですが、stonez様の記事を読んで、また購買意欲が湧いて参りました。
 ところでこの「巨人」で「花の章」が収録されているCDですと小沢征爾氏の演奏(DG)を聴いております。このCD、今年yurikamome122さんにご紹介頂いたものです。(若杉氏のCDがうまく探せなくて。。。)最近80年代の学生の折、幾度と無く小沢氏の演奏会に通った頃を、懐かしく思い出せてくれる一枚です。お薦めです。
Posted by みー太 at 2005.11.27 17:12
みー太さま、コメントどうもありがとうございます!
「復活」もいいですね。メータ盤是非聴いて見たいです。メータの演奏は実はそれほど多くは聴いていないこともあり、他の演奏ではどんな感じなのか楽しみなところが大きいです。
ところで、小沢さんの演奏でも花の章が聴けるのですね。今となっては小沢さんの演奏は聴く機会が少なく、しかも高額ということでなかなかチャンスがないのが残念です。いつかは生演奏に接してみたいところです(^^ゞ
Posted by stonez at 2005.11.27 22:55
TB有り難うございました。ハイティンク/BPO盤ですが、よろしくお願いします。スカッと明るい音の「巨人」です。
今、通勤の車の中でメータ/イスラエル・フィルの「復活」を聴いています。CD1枚の「復活」でして、テンポもやや速め、メータにしてはスッキリ系です。ウィーン・フィルとの「復活」はもっとマッチョだったんですが。(そのマッチョなところがボクは好きです)。
Posted by mozart1889 at 2005.12.20 03:10
mozart1889さん、いつも感謝いたします!
ハイティンク盤いいですね。マーラーの巨人というと、夜のイメージといいますか、あまり明るい音という印象がなかったものですから非常に興味深いです。
復活もいいですね。久々ですが今度ゆっくり聴いてみようと思います。こういう大規模な音楽は、この年末の時期に聴きたくなります。
Posted by stonez at 2005.12.20 12:59
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