サン=サーンス/交響曲 第3番「オルガン付き」

ふと、サン=サーンスが聴きたいと思い、引っ張り出してきたCDの中から、交響曲第3番「オルガン付き」をよく聴いているこの頃です。演奏は、マリー=クレール・アラン(オルガン)、ジョルジュ・プレートル(指揮)、ウィーン交響楽団という布陣。

サン=サーンスはフランスを代表する作曲家、そして有名なオルガニスト、ピアニスト。作風は色彩感がありながらも古典的という印象、しかも依頼を受けてからかなり短い期間で作曲できてしまうという、作曲ペースの速い方だったようです。

それからリストとの親交が深く、この曲の初演を祝ってくれた直後に亡くなった彼のために、出版される際に「リストとの思い出に」と記されたとのこと。いい話です。

この「オルガン付き」は、タイトル通りパイプオルガンとオーケストラが絡み合った壮大な音色が魅力。ただ、オルガンが常に演奏されているわけではなく、ポイントを押さえた登場と音量の使い分けが絶妙です。オーケストラにオルガンを用いた作曲家は他にもいますが、この曲のように主役級の扱いというのは少ないようです。サン=サーンスのオルガン奏者としての知識なくしては生まれなかったかもしれませんね。

曲は、第1楽章のなかに第1部と第2部、第2楽章にも第1部と第2部があり、いちおう4楽章の同等の構成です。それぞれ異なるきれいなメロディが素敵ですが、「循環形式」とよばれる全曲共通の主題を用いているからか、曲全体に一体感が感じられます。

第1楽章は、静かで厳かな序奏の第1部と、オルガンの優しい響きの上に弦楽器の音色が美しい第2部。つづく第2楽章の第1部は、華麗なスケルツォ。ピアノも参加して美しさに花を添えています。第2部はオルガンの見せ所。オルガンに始まりオルガンに終わるといってもいいほどです。そして、そのオルガンと共にピアノとオーケストラが加わった贅沢な響きが感動のフィナーレを演出!という、まさにそんな感じです。

石造りの西欧建築を思わせる均整のとれた重厚な響き。
そんな、アラン/プレートル/ウィーン交響楽団による演奏でした。
posted by stonez | 2005.09.23 16:49 | Comment(14) | TrackBack(5) | 音楽 - 交響曲
この記事へのコメント
TBどうもありがとうございます。プレートルは実はスゴイ巨匠だったりしますよね。今ひとつパッとしない人気ですが、ドイツものフランスものどちらでもいい演奏ができる人だと思うのです。これも聴かせどころを押さえた演奏のようですね。
あと面白いところではメータとLAPの演奏は、サッパリフランスを感じない不思議にゴージャスな演奏ですよ。
Posted by yurikamome122 at 2005.09.23 20:00
yurikamome122さん、いつもどうもありがとうございます!
プレートルさん指揮の演奏を聴くのはこれが初めてですが、日本にも結構いらっしゃっているようですね。せっかくの機会ですし、ドイツものなど他の演奏も是非聴いてみたいですね。アランさんのオルガンとの相性もぴったりでした。確かにフランス系の、色彩的でさっぱりした系統の音楽という印象がありますので、ゴージャス系のメータの演奏も聴いてみたいですね!
Posted by stonez at 2005.09.23 23:54
トラックバックをありがとうございました。一般に、古い録音はあまり音が良くないものが多いわけですが、まれに素晴らしいものに出会うことがあります。こういう曲だけに、録音は良い方がいいので、ありがたいですね。私は、歴史的録音は、資料的な価値を中心に考えて、日常的に楽しむのはステレオ録音以降のものにしています。
Posted by narkejp at 2005.09.24 05:57
narkejpさん、どうもありがとうございます!
確かに、ステレオ録音であることができれば望ましいですよね。私は、家で聴く以上にヘッドフォンステレオに頼っている時間が長いので、やはりステレオであるかどうかは重要です。それに、現代の演奏でもいい録音に出会えるといいなと思っています。ありがとうございます。
Posted by stonez at 2005.09.24 13:05
こんにちは。
サンサーンスのお洒落で上品なところが好きで、ときおりふと聴きたくなるお気に入りの作曲家です。この曲もオルガンが入っているので、オーディオチェック用に使われたりしますが、本来は敬虔な雰囲気の作品だと感じています。最後は壮大ですが・・・。
でもアランの名前を見るのは久しぶりだったので、とても懐かしく思いました。
そのほか、バイオリンやピアノの協奏曲、各種楽器のソナタにも良い曲が多いですよね。
Posted by romani at 2005.09.25 17:19
romaniさん、どうもありがとうございます!
サン=サーンスの音楽をどう説明しようかな、とおもっていましたが、まさにromaniさんがおっしゃる通りですね。ドイツものの重みのある音楽をたくさん聴いた後は、このお洒落な上品さに触れたくなります。それでも、この第3番は1番2番に比べるとオルガンがある分、重みはあるかもしれませんが(^^ゞ アランさんの演奏されている録音、探すと結構出てきますね。
Posted by stonez at 2005.09.25 20:17
このディスク持ってます。僕はテンポを動かすプレートルが好きでいくつか持っていますがこの演奏は特にいい演奏のうちだと思います。特にフィナーレのめくるめくような盛り上がりはこの作品の魅力を存分に描ききっていると感じます。
それにしてもアップの写真がマバユイ、アランの自己顕示欲の強さといったら・・・。若い頃は美人だったとは思いますがね。。。
Posted by リベラ33 at 2005.09.26 00:38
リベラ33さん、いつもどうもありがとうございます!
私はプレートルさんは初めて聴きましたが、確かにテンポ感と盛り上がりを上手くコントロールされていて、興奮を操っているという巧みな演奏を感じました。プレートルさんのほかの演奏や、この曲の別の指揮者・奏者による演奏を是非聴いてみたいと思ってしまいますね。アランさんも、私には未知の領域ですが(笑)なるほど、写真見てみたいですし、他の演奏も是非聴いてみたいですね。このところ、本当に聴きたい演奏ばかりで困ります(^^ゞ
Posted by stonez at 2005.09.26 13:00
TBとコメントありがとうございました。

ところで、先にTBさせて頂きました私の文中に誤りがありました。フランクはベルギー人でしたね。失礼しました。
サン=サーンスのCDを買った日に、貴兄のブログを拝見したら偶然発表されていました。その場で自分の誤った記憶でコメントしてミステイクした次第です。

ハイドンが確立した交響曲体系は、四楽章あって、第○楽章は○○・・と論理的であり、楽器もオルガンやハープ、音声などは差別化されているような感じです。(ベートーヴェンの第九やマーラーのような例外はあるにしても)

対して、サン=サーンス、ベルリオーズ、ドビュッシー、ラヴェル、(フランクもフランス系なんでしょうね?)などフランス人作曲家に、自由な感性のようなものを感じるのは、音楽以外の世界、映画界でも見られます。往年のフランス映画には、クラシック音楽のそれとよく似た自由な感性がありましたもの。

何れにしても、サン=サーンスのオルガン活用はヒットですね。
お詫びに伺って、また横道に逸れてしまいました。では、また。
Posted by アスカパパ at 2005.09.27 12:27
アスカパパさん、こんにちは。わざわざお教え頂き、どうもありがとうございます!
ハイドンによって体系立てられた交響曲は、どうしてあの形になったのかと疑問に思いますが、ハイドンの作品自体にまだそれほど触れていないこともありますし、今後じっくり聴いてみようと思っています。
フランス音楽の魅力は、技術的なことはよくわかりませんが、聴くとドイツ系音楽とは明らかに違う響きがありますよね。聴く方の選択肢としては、なくてはならない存在です。こういった曲でなければ聴きたくないという時もある程です。ちょうど、「オルガン付き」を聴きたくなったのはそういう時でした(^^ゞ フランス映画でもきっとそうなんでしょうね。是非見てみたいものです。ありがとうございます。
Posted by stonez at 2005.09.27 15:55
stonez様 こんばんは。
TBを頂き、ありがとうございました。私は残念ながらプレートル氏を知らないのです。早速、HMVのサイトを覗いてみましょう。
 それとこの曲の記事も素敵な内容で、参考になります。これからも、宜しくお願いします。
Posted by みー太 at 2005.11.22 23:49
みー太さま、どうもありがとうございます!
実は私もプレートルさんのお名前は知らなかったものの、手に取ったら素晴らしかったという結果でした(^^ゞ クリアな響き(録音状態でしょうか?)それと、そこから響いてくるようなオルガンの響きが印象的です。こちらこそ、よろしくお願いいたします!
Posted by stonez at 2005.11.23 01:14
早速、TBさせて頂きます。マリー=クレール・アランさんは有名なオルガン弾きなんですね。私がエントリーした演奏でもオルガンはこの方です。
それにしても本当に壮大で感動的なクライマックスですよね。そんじょそこらの映画よりよっぽど凄いです。
Posted by shinsaqu at 2006.01.12 19:18
shinsaquさん、コメントとTBどうもありがとうございます!
実は私も、このサン=サーンスの3番で初めてマリー=クレール・アランさんを知りました。こういう快感系の音楽はなかなか好きな方ですが(笑)。ところで、shinsaquさんのエントリーを拝見していて思ったのですが、私の選んだこの演奏もオルガンだけ別取りという可能性もありますね。オルガンの強さが絶妙すぎるんです。
Posted by stonez at 2006.01.13 00:15
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