ヴィヴァルディ/協奏曲集「四季」より「秋」

秋分の日も過ぎ、日中でもすっかり涼しさを感じる今日この頃。秋といえば、東京・JR大井町駅の2番線では、電車発車時にヴィヴァルディの「秋」より第3楽章が流れます。なんでも、メロディ導入当時の駅長さんが自ら編曲を手がけたとか。これはもう、この時期に触れない訳にはいきますまい。

大井町駅を利用されている方には既にお馴染みでしょうが、滅多に利用しない私にとっては、ふと都会の喧騒を忘れさせてくれるようなナイスな選曲です。惜しい点を挙げるとしたら、夏でも冬でも一年中「秋」が流れることくらいでしょうか。ちなみに、ホームの反対側1番線では「春」の第1楽章が聴けます。

今日はこのヴィヴァルディ作曲の名曲、協奏曲集「四季」より「秋」op.8-3 を、イツァーク・パールマン指揮&ヴァイオリン/イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団による演奏で。iTunes Music Store(有料音楽配信サービス)にて選択できるいくつかの演奏の中から、チェンバロが強すぎず、弦の響きがふくよかに感じられる、ゆったりしたテンポのものを試聴して選び、ダウンロードしました。

はじめは収穫を祝う宴。ヴァイオリンの快活さが、食欲まで引き出してくれるような音色です。やがて酔いが回って眠りだすときには、一転して優しい調べが心地よく響きます。つづく夜更けは、チェンバロが奏でる子守り歌。その儚さのあるやわらかな旋律を、弦が優しく包みこんでくれます。そして、夜明けとともに狩りの開始。弾むような旋律が、獲物を追いかけて仕留める様子をダイナミックに聴かせてくれます。

余談ですが、大井町駅のメロディがヴィヴァルディになる前は、バッハの平均律クラヴィーア第2巻の5番と、ベートーヴェンの交響曲第8番・第1楽章が流れていたそうです。さすが駅長さん、いいセンスでいらっしゃいますね。
posted by stonez | 2005.09.30 12:53 | Comment(14) | TrackBack(4) | 音楽 - 協奏曲
この記事へのコメント
溝付きレコード盤時代から、クラシック音楽界における売り上げヒット盤は、ヴィヴァルディの「四季」と、ホルストの「惑星」の一騎打ちだったことを思い出しました。

ヴィヴァルディの「四季」は、一般的には「春」がよく聴かれますが、「秋」もいいですね。

そうですか。「秋」の第3楽章ですか。JR大井町駅のクラシック音楽に纏わる話、ほんとに微笑ましいですね。

Posted by アスカパパ at 2005.09.30 15:55
アスカパパさん、いつもどうもありがとうございます!
バロック時代でも最初に出てくるほど昔の音楽と、比較的現代に近い新しい音楽が両雄というのも、対照的で面白いですね。
春夏秋冬それぞれが、日本と共通している部分、おや?と思う部分と場所と気候と風土が違っている部分も楽しめて面白いです。私もいずれレコードを聴く環境が欲しいと思っています。さっそく、私もTBさせて頂きますね!
Posted by stonez at 2005.10.01 00:35
こんばんは。
大井町駅の発着ベル代わりに「ヴィヴァルディの秋」ですか。
いいなあ。こういう独自性って本当に素晴らしいと思います。
私も大井町の駅の近くにお客さんがありますので、年に数回ですが大井町の駅を利用しています。近いうちにまた行ってみようと思います。
Posted by romani at 2005.10.01 21:49
昔の彼女が大井街でした。一年中「秋」も疲れますが僕が以前住んでいた兵庫県の街は朝6時、昼12時、夕方17時、夜22時と一日4回も「赤とんぼ」が流れました。さわやかな朝、いきなり「ゆうやーけこやけーの」も大概です。
しかし一日4回とはいくらなんでもやりすぎ!
Posted by リベラ33 at 2005.10.01 21:52
romaniさん、どうもありがとうございます!
一部のJRの駅の独自性はいいな、と思います。例えば蒲田駅は蒲田行進曲だったりとか、恵比寿駅はヱビスビールのCM曲、高田馬場駅は鉄腕アトムのテーマ(アトム発祥の地らしいです・・・)といったあたりが印象に残っています。
こんどJR大井町駅にお立ち寄りの際には聴いてみて下さいね。ちょっとマニアックなお話で失礼しました(^^ゞ
Posted by stonez at 2005.10.01 23:52
リベラ33さん、どうもありがとうございます!
大井町はリベラ33さんにとって想い出の街だったんですね。この駅は今ではりんかい線に湘南新宿ラインに、と交通の要に様変わりしましたね。
ところで、よく夕方などにチャイムが鳴ったり「赤とんぼ」が流れたりするのは聴いたことがありますが、これから会社に行くぞっ!、という時に聴いてしまったらなどと想像してしまいました(笑)
Posted by stonez at 2005.10.02 00:00
stonezさん
こんばんは。ブログのほうにコメントありがとうございます。今回は残念な結果となりましたが、stonezさんご夫妻は無事にその日を迎えられますよう、心からお祈り申し上げます。

大井町駅の発車メロディ、知らなかった。あれは駅長さんの趣味で決められるのですかね?楽しそうだなぁ。
Posted by iketomo at 2005.10.04 10:23
iketomoさん、
こちらまでコメントいただき、本当にありがとうございました。私たちも大切に受けとめ、これから過ごしていきたいと思います。どうか、今後ともよろしくお願いします。
大井町の件でもコメント恐縮です。大井町のような趣向の駅は珍しいですね。
Posted by stonez at 2005.10.04 13:40
ところで、和声と創意への試み(作品8)としての後半はあまり聴く機会がないのですが、名曲はあるのでしょうか?一度聴いてみたいなぁと思ってます。
Posted by ヒカル at 2005.10.06 03:26
ヒカルさん、こちらにもありがとうございます。
ヴィヴァルディは四季しか聴いていないのですが、他にも魅力的な曲もあるようですね。いつもお世話になっている、yurikamome122さんのブログでエントリーされていました。ご参考までに(^^
http://yurikamome.exblog.jp/2571974
Posted by stonez at 2005.10.06 13:01
こんにちは。ヴィヴァルディの「四季」、もっぱらデンオンの1500円2枚組全曲集で聞いています。なんで合奏協奏曲って12曲なんだろう?って疑問だったので、こんな記事を書きました。トラックバックしますので、よければ読んで下さい(^_^)/
Posted by narkejp at 2005.10.09 05:52
narkejpさん、コメントとTBどうもありがとうございます。
さっそく記事を拝見しました(^^ 私は普段何気なく聴いていましたが、12という、いろいろな意味で区切りとも思える数字にフォーカスされてのお話には目からうろこでした。私からもTBさせて頂きますね。どうもありがとうございます!
Posted by stonez at 2005.10.09 23:02
イ・ムジチ盤でTBさせていただきました。
カルミレッリ独奏盤です。私見では、この演奏、「秋」があまり面白くありませんでしたが(汗)。
パールマンの四季は聴いたことがないのですが、彼の弾く協奏曲は、明快で美音で大好きです。
Posted by mozart1889 at 2005.10.12 05:49
mozart1889さん、コメント&TBどうもありがとうございます!
パールマンは初めて聴きましたが、厚みのある豊かな音色というのが印象的でした。
私は、この「四季」はアーヨ/イ・ムジチ合奏団が最初に聴いた演奏なので思い出深いですし、それだけにカルミレッリ独奏による演奏の方も是非聴いてみたいですね。
Posted by stonez at 2005.10.12 13:12
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