ブラームス/交響曲 第3番

昨日の東京は雲ひとつない、素晴らしい秋晴れの一日でした。でも、天気予報によるとこれから雨。寒くなるかもしれませんので風邪には注意が必要ですね。そういう私は先日さっそく風邪ひきました(*_*)

さて、いつもお世話になっているensembleさんのブログで「秋はブラームス」キャンペーンをされていますが、私もそれに賛同して、ブラームスの「交響曲第3番 ヘ長調 Op.90」でいきたいと思います。演奏は、ジョージ・セル指揮/クリーヴランド管弦楽団

この音楽には、落ち着いた紳士の魅力みたいなものを感じます。それは、この曲にスケルツォやメヌエットといった舞曲のお祭り気分がないこともあるでしょうし、どの楽章も弱い音に始まり、弱い音に終わることが貫かれているからかもしれません。フィナーレでさえも慎ましく終わるほどです。

それでいて退屈するような平坦さはなく、感情の起伏が心地よくセーブされながら美しく響いてきます。これを見事に引き出しているセルの演奏も素晴らしいですし、この味がブラームスの渋さたる所以なのでしょうか。激しく目を見開いて快感を得るようなベートーヴェンの音楽も好きですが(笑)、そうでない気分の時もあるからこそ、この音楽は大切な存在です。

第1楽章のアレグロ・コン・ブリオは、颯爽としているけど突き抜け過ぎない快適さ。私の好きな、クラリネットのソロもすがすがしく美しさに花を添えています。第2楽章は、そのクラリネットが気品のある演奏を披露してくれますし、木管と弦の穏やかな対話が心地よく。第3楽章は、旋律の美しさが有名なセンチメンタルな楽章ですが、セルが引きだすのは透明感のある音色。終楽章は劇的な輝き。葛藤を表現したような、ダイナミックな掛け合い。最後は解き放たれたような安らぎとともに幕を閉じます。

この第3番は、ブラームスが若きアルト歌手に思いを寄せていた頃作られたそうです。セルの演奏からは、そんなブラームスの慎ましやかな思いが伝わってくるかのようです。秋にぴったりの穏やかで味わい深い音楽です。

Tags:セル 
posted by stonez | 2005.10.14 00:39 | Comment(16) | TrackBack(9) | 音楽 - 交響曲
この記事へのコメント
TB有り難うございました。
3番は、セルのブラームス全集の中では最も成功している演奏なのではないかと思います。確かにクラリネットが素晴らしいですね。(マーセラスのClでしょうか)。
当方もTBさせていただきました。有り難うございました。
Posted by mozart1889 at 2005.10.14 06:03
ブラ3はいいですねー。僕はブラームスの4曲の交響曲の中では一番好きかもです。僕が最近聴いたのはザンデルリンク盤ですがこれもなかなか伝統を踏まえた好演でした。。。
Posted by リベラ33 at 2005.10.14 06:21
3日ほど前、CS放送を見ていたら偶然、ブラームス/交響曲第3番を放映していました。
2000年3月、ヴィクトリア・ホールでの演奏録画で、ファビオ・ルイージ指揮/スイス・ロマンド管弦楽団でした。

演奏は私が特に好む第3楽章に入りました。感情込めてチェロが主題を奏でていきます。この情感籠もる楽章で、ブラームスが訴えようとしているものが分かりそうな気もするのですが。それが正解かどうかはもちろん未知数です。
Posted by アスカパパ at 2005.10.14 10:58
mozart1889さん、どうもありがとうございます。
手持ちのCDには、他に第2番もありますがこちらもいい演奏ですね。第1番、第4番のセルの演奏もゆくゆくは聴きたいと思っています。このクラリネットの音色を最初に聴いた時に、ドヴォ8でのクラリネットを思い出しました。ブラームスも多くの作曲家に影響を与えたんだなと実感します。
Posted by stonez at 2005.10.14 12:25
リベラ33さん、どうもありがとうございます。
第3番いいですよね。リベラ33さんにもそういって頂けると嬉しいです。ザンデルリンクの演奏もよく話には聞きますが、今度是非確かめてみようと思います。ブラームスの交響曲は少ないですし、味わってよく楽しもうと思います(^^ゞ
Posted by stonez at 2005.10.14 12:32
アスカパパさん、どうもありがとうございます。
この演奏を映像で楽しむ、魅力的ですね。個人的には木管と弦の掛け合いのところや、第3楽章の指揮者の表情など、見てみたいところがたくさんあります。それにしても、ブラームスの曲でのチェロの音色も印象的ですね。ブラームスの渋さというのは、この低音の響かせ方の巧みさにもあるような気がしました。私からもTBさせて頂きますね。ありがとうございます。
Posted by stonez at 2005.10.14 12:40
stonezさん、TB&コメントありがとうございました。
関連エントリーをTBさせていただきましたが、よろしくお願いします。
セルも亡くなってからずいぶん経ちますが、名声・評価が下がりませんね。
こういうあたり、巨匠・名匠の証明と考えてよいと思います。
Posted by ensemble at 2005.10.14 13:02
ええっと・・・、
記事の内容にはあまり関係なくて恐縮なのですが、

お大事に・・・☆
Posted by おさかな♪ at 2005.10.14 17:18
ensembleさん、コメント&TBどうもありがとうございます!
TB頂いた記事を楽しく拝見しました。こういう落ち着いた季節に、落ち着きのある音楽。第3番はセルでしか聴いたことがありませんので、是非色々な演奏(生演奏含む)に触れてみたいと思っています。
おっしゃる通り、セルが亡くなったのが1970年でしたよね。私が生まれる前ですので、聴いている演奏は私の人生よりも長いこと愛されてきているのか、と思うと不思議な気分です(^^ゞ
Posted by stonez at 2005.10.14 17:49
おさかな♪さん、どうもありがとうございます。
ていうか、どうもありがとうございます(^^ゞ 風邪はだいぶ良くなりました。逆に今は妻が風邪真っ最中。まだ寒くなる前からこれじゃいけませんね。もっと健康でいなくては・・・
Posted by stonez at 2005.10.14 17:58
セルのブラームスは、格調高く味があって、ほんとにいいですね。秋の休日にブラームスのシンフォニーを聞く人は、たぶん攻撃的な人ではないはず(^_^;)
風邪の回復期などに聞いたりすると、しみじみと寂寥感があって、人恋しくなるのでは?
Posted by narkejp at 2005.10.14 21:23
 こんばんは。トラックバックをありがとうございました。

 昔、ブラームスの交響曲をバルビローリの廉価盤LPで揃えることができましたが、その頃、何かで読んだ批評には「偶数番はバルビローリがよい、奇数番はセルがよい」と書かれていました。しかし、今になって思うのは、バルビローリでもセルでもケルテスでも「同じ指揮者で聴き通すのがよいかも知れないなあ」などと・・・ブラームスが交響曲を書いたのは年齢的に遅かったわけですが、そのぶん、全曲を共通して貫いているものがあるように思ったりしますので。いずれにしましても、「秋はブラームス」ですねえ。
Posted by クラシカルな某 at 2005.10.14 23:29
narkejpさん、コメントありがとうございます。
そうですね(^^ゞ 自分で言うのもなんですが、攻撃的ではないと思います(笑) しみじみと、というと単純にピアノ曲ばかり聴いていましたが、こういう楽しみ方もあることを知り得した気分です。おっしゃる通りしみじみとして、実家にでも電話したくなるような気分です・・・
Posted by stonez at 2005.10.15 01:34
クラシカルな某さん、コメントありがとうございます。
バルビローリ。私にとって未知の指揮者さんです。また興味の幅が広がっていきそうです。確かに、ブラームスは交響曲の数もそれ程多くありませんし、その気になれば一つの演奏で聴くことはできそうですね。まずは今の手持ちのCDでの演奏を楽しみ、気に入った演奏を追求していく・・・どんな聴き方にしても、楽しみですね。限られた予算(笑)と相談しながら、気長に楽しんでいきたいものです。今もブラームスを楽しんでいます(^^ゞ
Posted by stonez at 2005.10.15 01:41
私も少々風邪気味、、、喉が痛いです。
奥様にうつさないようにお気を付け下さいませ〜。お大事に。
Posted by iketomosan at 2005.10.17 00:28
iketomoさん、どうもありがとうございます。
妻には風邪がうつってしまいました(^^ゞ が、ようやく落ち着きほっとしました。どういうわけか、この時期風邪が流行ってますね。私の周りでもマスク姿の人を良く見かけます。iketomoさんも無理なさらないよう、お大事に(^^
Posted by stonez at 2005.10.17 10:06
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