さて、ここしばらく聴いていた音楽です。ブルックナー作曲、交響曲第8番ハ短調。よくブルックナーの最高傑作という言われ方をすることもある交響曲ですが、彼の交響曲の例に漏れずと言っていいのでしょうか、初演までの紆余曲折により複数の版が存在しています。詳しいエピソードはあちこちで解説されていますが、結局のところ、生前のブルックナーはその才能の割には随分と不当な扱いや評価を受けていたという印象を持ちます。内気なキャラクターだったことが災いしたのかもしれませんが。
そのややこしさに加え、もともと長大でスケールの大きいブルックナーの作品に触れるためのまとまった時間が取れなかったこともあって多少疎遠になっていました。でも最近往復の通勤時間が伸びたので気楽に聞き始めたところ、すっかりその虜に(笑)。気持ちを落ち着けて、じっくりと音楽に身をゆだねる、という音楽の楽しみ方を味わっています。深い瞑想、そして静かに湧きあがる闘志。それらがすべて、悠久の流れの中にあります。
のめり込んだついでにいくつかの演奏を聴きましたが、結果的に一番聴いているは、ギュンター・ヴァント/北ドイツ放送交響楽団(1993年、ハース版)です。音質が良く、なにより巨匠によって見事に統率されたオーケストラのくっきりした見通しの良い演奏、程よいテンポと堂々とした鳴りっぷりが作り出す心地よさがたまりませんです。
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ブルックナーの第8番、随分と聴きこなされてますね。私は、敬遠のフォア・ボールが多くて、お恥ずかしい次第です。どうもブルックナーは、その気が起こり、心定かな時にしか聴けません。宗教的でもあり、大宇宙を感じさせるような哲学的な響きですもの。それだけ偉大な音楽なのでしょうね。以前の書込をTBさせていただきました。
こちらこそ、ブルックナーはなかなか敷居の高い作曲家ですが、じっくり聞いてみるほどに味わい深く、どっぷりと浸れるものですね。敬虔なクリスチャンで、オルガニストだったということもあるのでしょうか。頭上から降り注いでくるような響きですね。聞いているうちにさらに新しい発見が楽しめそうです(^^
ブルックナーは本当に「ああ聴いたー」という実感が持てますね。まだ彼の交響曲は、聴いていない数の方が多いですから、これからの楽しみがまだまだあります(^^
通勤距離の長さも、過ごし方次第でなんとかなるものですね(笑)