モーツァルト/弦楽四重奏曲 第17番「狩」

ずいぶん暖かくなりました。モノトーンだった田舎の景色は、すっかり青々とした新緑へと変わりました。

一方で、仕事と受験勉強に追い込んだ体がちょっと息切れしたか、昨日は朝から頭痛がひどく、1日お休みしましたが、ぼんやりと眠りながらそんな季節の移り変わりを肌で感じたのでした。写真は先日、家のまえにて。久々にマウスオン写真入れてみました。

聴いている音楽です。モーツァルト作曲、弦楽四重奏曲第17番 変ロ長調 K.458「狩」。演奏はアルバン・ベルク弦楽四重奏団です。

颯爽と始まる第1楽章の第一主題が、狩で使われた角笛の響きに似ていることからつけられた副題のとおり、溌剌としていてふくよかな音色が心地よいですね。そしてそれはアルバン・ベルクSQの得意とするところ、精緻でメリハリの効いた演奏の魅力でもあります。第2楽章はあたたかく優雅なメヌエット。まぶしいながらも時折陰りが差し込むような表現がまたモーツァルトらしくて、たまらない美しさですね。。

その美しさは第3楽章に引き継がれ、そして昇華していき、瞑想にも似たアダージョとなりますが、もう言葉もなくうっとり。第4楽章ではまたあの元気いっぱいな旋律が帰ってきて、軽やかに幸せのうちに締めくくられます。アルバン・ベルクの洗練された演奏が光ります。そして全体を通してメロディが耳馴染みよくハミングしたくなるような、春らしい1曲でした。
posted by stonez | 2009.05.23 01:33 | Comment(2) | TrackBack(0) | 音楽 - 室内楽曲

サン=サーンス/七重奏曲

週末は息子のための絵本を買いに、家族そろって絵本専門店に行ってきました。とはいっても息子はまだ2才ですし、店内で目を輝かせていたのはどちらかといえば親の方で(笑)。息子は別のフロアのおもちゃとか、行き帰りに乗った電車に興奮の様子でした。写真は店先にて。久々にマウスオン対応してみました(^^

今日はピアノ+トランペット+弦五部という、室内楽でもかなり珍しい編成の一曲です。サン=サーンス作曲、七重奏曲 変ホ長調 Op.65。演奏はアンドレ・プレヴィン&フレンズ(アメリカを代表する室内楽の名手たち)ですが、去年プレヴィンが8年ぶりに再来日した記念に発売されたCDです(録音は1993年)。

古風な曲調でありながら新鮮な響き、しかもメロディーラインが美しく親しみやすいところはいかにもサン=サーンスといった感じです。抑えるべきところではぐっとテンポを落として密やかに、そして最後の第4楽章では私も好きなあの、キラキラと輝くように美しいピアノの和声が顔をのぞかせ、華やかさを一層引き立てています。

それにしても、室内楽の調べに心地よくアクセントを加えるトランペットはやはり鮮烈ですが、それを要所要所でまとめ上げるプレヴィンのピアノ、そして呼吸の合ったアンサンブルはさすがの一言ですね。

ジャケットデザインが内容にぴったり。
とても洒落てます。
posted by stonez | 2008.09.08 22:21 | Comment(2) | TrackBack(0) | 音楽 - 室内楽曲

モーツァルト/弦楽四重奏曲 第16番

toy fireworks今年の夏休みは土曜、日曜に1日付け足しただけの「ややリッチ」な週末が2回あるのみですが、まずは栃木の実家に行ってきました。日頃行けない自然一杯で広い公園に行ったり(駐車場タダ!)、親戚が集まって和気あいあいと花火を楽しんだりしてきました。そうそう、今回はあの首都高を破壊した大事故で道が混んだせいで、久々に長距離電車を楽しみましたよ:P

このところよく聴いている音楽。モーツァルト作曲、弦楽四重奏曲第16番変ホ長調 K.428。「ハイドン・セット」の3番目の曲になります。演奏は、アルバン・ベルク弦楽四重奏団です。

曲の雰囲気は、夏の翳りというか、秋の穏やかさというか、そんな落ち着いた風情が感じられます。跳躍するような旋律の中にも、憂いに満ちた旋律の中にも、楽しそうな旋律の中にも、絶えずその奥底をため息が支配しているように思えてきます。6曲からなる「ハイドン・セット」ですが、それぞれの曲に随分違った表情があって、それがまた面白いところです。弦楽四重奏曲へのモーツァルトなりの試行錯誤が随所に散りばめられている、ということもあるかもしれません。

アルバン・ベルクの艶やかで流れるような演奏はここでも健在です。貫禄があって、聞き所もしっかり抑えたこの安心感はまさに彼らの真骨頂とでもいうべきものでしょうね。
posted by stonez | 2008.08.15 01:34 | Comment(2) | TrackBack(0) | 音楽 - 室内楽曲

ハイドン/弦楽四重奏曲 第77番「皇帝」

お祭り近所の夏祭りに行ってきました。駅前で敷地も狭く、ごくごく小さいローカルなお祭りですが、こういう雰囲気も楽しいものですね。息子があまり乗り気ではなかったので盆踊りは見るだけにして、長時間並んで焼き鳥を食べて帰りました。

今日は涼な音楽、ということでハイドンの室内楽にしてみます。ハイドン作曲、弦楽四重奏曲第77番ハ長調「皇帝」。颯爽としていて明快な第1楽章。落ち着いた中に、芯のしっかり通ったメロディが印象深い第2楽章。涼しそうに気品漂う第3楽章メヌエット。第4楽章フィナーレは一転して夏の嵐のように激しく情熱的です。

聴いている演奏は、コレギウム・アウレウム四重奏団による録音です。全体的にテンポを落とし、ビブラートをかけ情感たっぷりに聴かせます。いわゆる厳密な古楽器&古楽器奏法ではないのかもしれませんが、これはこれでしっとり爽やかでお気に入りです。対照的に鋭利で軽快なクイケン四重奏団もよく聴きます。

第2楽章の変奏曲が旧オーストリア国歌「皇帝讃歌」だったことから「皇帝」というニックネームがつき、現在ではドイツ国歌として使われているそうですが、もうすぐ始まる北京オリンピックで聴くことができそうです。まあそうは言っても気がついたときには日本を応援しているでしょうけど・・・
posted by stonez | 2008.08.04 02:42 | Comment(2) | TrackBack(1) | 音楽 - 室内楽曲

ベートーヴェン/ヴァイオリンソナタ 第5番「春」

Happy Birthday息子が2歳の誕生日をむかえました。本当にあっという間でしたが、きっとこれから先も、ふと立ちどまった時におんなじことを思うんでしょうね(笑)。まあ元気が余り過ぎるほどですが、とにかく健康なことに感謝しています。

今日のための1曲。ベートーヴェン作曲、ヴァイオリンソナタ第5番 ヘ長調 Op.24「春」。アルテュール・グリュミオーのヴァイオリン、そしてクラウディオ・アラウのピアノで。

染みひとつない青空、といわんばかりに底抜けに幸せなこの音楽がベートーヴェンの作品ということに妻が驚いていましたが、どこを切り取っても若々しい生命力を感じられるところは、まさに愛称どおり春にぴったりですね。まあうちの息子の場合は元気いっぱい「魔の2歳児」ですから、どちらかといえば、光る青春の喜びと稲妻といいながら演奏していた「のだめカンタービレ」の峰くんに近いかもしれません(笑)。

ともあれ今聴いている演奏、美しく弾むようなグリュミオーのヴァイオリンと、肩の力が抜けたアラウのピアノは、軽やかな春の日によく合いますね。
posted by stonez | 2008.04.14 01:01 | Comment(4) | TrackBack(1) | 音楽 - 室内楽曲

ハイドン/弦楽四重奏曲 第79番「ラルゴ」

相変わらず寒い日がつづきます。うちではもうじき車検の期限がやってきます。当初はユーザー車検に初チャレンジ、と意気込んでいましたが、時期が重なる確定申告の準備が遅々として進まず。怪しい雲行きになってきました。当然、自分の時間も減ってゆく。。。

ささやかに聴いている音楽。ハイドン作曲、弦楽四重奏曲 第79番 Op.76-5, Hob.III-79 「ラルゴ」。コレギウム・アウレウム弦楽四重奏団です。

人生の酸いも甘いも知り尽くした、ハイドンが辿り着いた諦念の境地。なんて、何も知らない若輩者が決めつけるのもなんですが、それほどに穏やかで、深いシワが幾重にも刻まれたあたたかい眼差しに見守られているような、そんな気分になる音楽です。それは快活な第1楽章や第4楽章でも然り。

愛称となっている第2楽章ラルゴはそれはそれは、ひときわ優しくて、なんだか少し寂しさすら漂っています。第3楽章のメヌエットも気品をたたえた深い味わいです。コレギウム・アウレウム四重奏団は、古楽器にしてはふくよかな音色、そして緩急のメリハリがついた比較的感情移入しやすい演奏です。Marron聴き比べたクイケン四重奏団の細くて軽妙な演奏とは対照的でした。

写真は実家にいる愛猫のマロン。実は不治の伝染病にかかっていて、余命いくばくもないそうです。家でも外でも自由に過ごすことができた代償は大きいものでした。メスですが去勢していたというのに。。元気な姿を少しでも撮ってあげたいと思います。その向こうのシルエットは鎖につながれた愛犬ベルです。
posted by stonez | 2008.02.19 01:24 | Comment(2) | TrackBack(0) | 音楽 - 室内楽曲

メンデルスゾーン/弦楽八重奏曲

IMG_6501空気がピンと張りつめた厳しい寒さながら、ぬけるような青空の下。従兄弟の結婚式に招かれてきました。新郎新婦の人柄そのままの、ほのぼのした素晴らしい式でした。お二人とも末長く幸せに。

で、今回は式のカメラマンに指名されまして、つまりデジイチによる初の実戦登板ということで、もしかしたら新郎新婦以上に緊張していた私です(笑)。シャッターだけはいっぱい切ったので記録としては少しは残ったでしょうか。ただ記憶に残るような写真はまだまだですね。

今日は結婚したお二人に、私のお気に入りでもあるこの曲を贈りたいと思います。メンデルスゾーン作曲、弦楽八重奏曲 変ホ長調 op.20です。

若々しくて、瑞々しくて、喜びにあふれ、そして春の息吹のように伸びやかな響き、聴いていて元気をもらえる音楽です。編成が弦楽四重奏を2倍にしているということもあって、室内楽とは思えない豊かな音色です。

よく聴いている演奏はブランディス弦楽四重奏団&ヴェストファル弦楽四重奏団のもの。適度なスピード感と一体感からくる心地良さが魅力の演奏となっています。
posted by stonez | 2008.01.19 23:59 | Comment(10) | TrackBack(3) | 音楽 - 室内楽曲

メンデルスゾーン/ピアノ三重奏曲 第1番

このところのお気に入りです。メンデルスゾーン作曲、ピアノ三重奏曲第1番 ニ短調 Op.49。才気爆発、これぞメンデルスゾーンの世界です。ほとばしる情熱、つい鼻歌で歌ってしまう美しい旋律、室内楽にもパワーをもらえる作品があることを知りました。シューマンはこの作品を激賞したらしいです。ああ、そんなシューマンも素敵です(^^ゞ

憂いを帯びつつ情熱的な第1楽章、儚くて切なくなってしまう第2楽章、可愛らしくて楽しい第3楽章のスケルツォ、自信に満ちあふれた快速な第4楽章と、ぱっと印象を書いてみただけでも宝石箱のような気がしてきます。

聴いている演奏ですが、ピアノがアンドレ・プレヴィン、ヴァイオリンがチョン・キョン・ファ、チェロはポール・トルトゥリエという豪華ソリストたちの競演です。この顔ぶれだけでも才気爆発といったところでしょうが、それぞれがもつパワフルさと包容力がぴたりと噛み合った聴き応え十分の演奏でした。

・・・さてこのところですが、富士山を見に行ってきたのですが、親兄弟みんなそろって大家族での楽しい1泊旅行になりました。あとは、よく走り回る息子を被写体にするのは難しいですね、撮る側も奮闘中です。ということで(笑)
夕暮れ富士山
smile
posted by stonez | 2007.11.28 01:25 | Comment(2) | TrackBack(0) | 音楽 - 室内楽曲

ブラームス/弦楽六重奏曲 第1番

秋だというのに、このままだとブラームスが登場しないうちに終わってしまう、というわけでブラームス作曲、弦楽六重奏曲第1番 変ロ長調 Op.18。

もう第1楽章の冒頭ワンフレーズを聴いただけで、そこはひらひらと落ち葉の舞い降りる静かな散歩道。弦楽四重奏にさらにビオラとチェロが加えられているだけあって、より重厚で落ち着いたたたずまいです。

第2楽章はチェロが活躍して情熱的に歌い上げる美しい変奏曲。この作品の顔、まさにブラームスの真骨頂だと思います。それに第3楽章や第4楽章ではヴァイオリンをはじめ快活で心地よいパッセージと、作曲当時27歳という若さを感じさせるに十分な、はつらつとした雰囲気があります。

聴いているのは、メニューイン、マスタース(以上ヴァイオリン)/アロノヴィッツ、ウォルフィッシュ(以上ヴィオラ)/ジャンドロン、シンプソン(以上チェロ)による録音です。IMG_4319メニューインをはじめ、(恐らく)ソリスト達が集まっての個性的な競演といった趣ですが、全体として見事に調和しているところはさすがです。

・・・先日さっそく手にしたばかりのEOS 20Dと、千葉の京成バラ園に行ってきました。秋のバラが見事でしたが、こちらはカメラの操作にばかり気をとられて、肝心の被写体や写りはイマイチになってしまいました(笑)
posted by stonez | 2007.11.13 01:35 | Comment(6) | TrackBack(0) | 音楽 - 室内楽曲

グリーグ/チェロ・ソナタ

ちょっと薄暗い天気のせいもあるでしょう。日に日に涼しく、過ごしやすさを感じるようになってきました。写真は東京・晴海通りの勝鬨橋にて。屋形船も見えます。月末に客先へ報告に行くときは、少しのんびり外の空気を吸うのが楽しみです。B面は初めて浴衣を着たときの息子です。

今日はグリーグ作曲、チェロ・ソナタ イ短調 Op.36。チェロはフィンランド・チェロ界の重鎮エルッキ・ラウティオ、そして舘野泉さんのピアノです。

どちらかといえば小規模な編成による抒情豊かな作品を多く残したグリーグ。このチェロ・ソナタもそうした中の1曲ですが、編成からは想像もできないほどスケールが大きくてシンフォニックです。情熱がほとばしるようなラウティオ氏のチェロと、舘野さんの繊細で透明感のあるピアノとが絶妙です。


第1楽章、北国の厳しい自然と、グリーグの情熱とが交錯するようなダイナミックな響きが印象的。第2楽章、密やかに奏でられるピアノと情感のあるチェロ。奥行きを感じる本当に美しい調べです。第3楽章は舞曲風の旋律が小気味よく、徐々に興奮を増していき幕を閉じます。

舘野さんは、先日テレビを通じて拝見することができましたが、脳溢血で倒れ右半身がマヒしてから左手のピアニストとして再出発していくまでに大変な苦悩があったことを知りました。このCDに収められているグリーグの3つのソナタはもう聴くことができないかもしれませんが、いつか彼のために生まれた左手のための作品を聴いてみたいものです。
posted by stonez | 2007.09.02 02:10 | Comment(2) | TrackBack(0) | 音楽 - 室内楽曲