シューマン/ピアノ三重奏曲 第3番

ずいぶんご無沙汰してしまいました。何から書こうかという感じですが、まずは今月から新天地で仕事しています。といっても以前お世話になった東京・五反田での開発の仕事。もうひとつは息子が熱を出しました。しかも9日間。さすがにバタバタした日々でした。扁桃腺炎という近頃流行りの症状だそうです。そんなわけで写真は五反田の夕景、そして息子です(^^ゞ

さて、このところ聴いている音楽から。シューマン作曲、ピアノ三重奏曲第3番 ト短調 Op.110。演奏はボザール・トリオ。

シューマンが精神を病むことになる、晩年にさしかかった時期に作曲されただけあって内省的でドラマティック。楽章が進むにつれて増していく緊張感も聴きものです。不穏な雰囲気をもって始まる充実した第1楽章。穏やかさの中を突然切り裂くような動揺が印象的な第2楽章。激情をもって疾走する第3楽章と、間髪入れずに力強く開始され、喜びや苦悩、黄昏が次々に表情を変えて現れる劇的な第4楽章。

このボザール・トリオの室内楽2枚組、曲目も演奏も充実していてお気に入りなのですが、残念な点が一つだけ。収録時間の関係でしょうが、このピアノトリオだけ2楽章までと3楽章以降が別々のディスクになってしまっています。私のようにリッピングしてiPodで楽しむ分には問題ないのですが・・・。持続する緊張感が魅力の作品なだけに、それだけが惜しいところです。

夏休みの後半はようやく行動開始、群馬と栃木に帰省してきます!


posted by stonez | 2007.08.17 01:19 | Comment(4) | TrackBack(1) | 音楽 - 室内楽曲

ベートーヴェン/弦楽四重奏曲 第5番

ここしばらくは週末の夜間作業の比重が高く、でも平日の比重はさらに高く、やってるうちになんだか分からなくなったりしますが。とにかく代休とって家族と過ごしています。最近いたずらっ子のジュニアは「いないいないばぁ」がお気に入りなのでマウスオンは。。。(笑)

今日は、少しづつデザインの違った素朴な音の小箱たちを開けていくような、そんな音楽にしてみました。ベートーヴェン作曲、弦楽四重奏曲第5番 イ長調 Op.18-5。1977年のスメタナ四重奏団。

快活な第1楽章は程よくでてくるユニゾンや、ヴァイオリンが音階を駆け上がりながら一方ではチェロやビオラが下降していったりと、メロディよりも音符遊びの趣が印象的。次のメヌエットはしなやかに、少しクセのあるトリオがアクセント。シンプルな変奏曲は可愛らしく形を変えていきます。フィナーレはビオラを先頭に追いかけっこ、でもコラールのような穏やかな旋律がやはりアクセントです。

聴き終えてみると、なんとなくいろいろな小品を楽しんだ気になります。頭をからっぽにしてなんとなく聞いていても心地よい、そんなほのぼのとした若い頃のベートーヴェンの作品、スメタナSQのすがすがしい演奏でした。
posted by stonez | 2007.07.13 00:44 | Comment(4) | TrackBack(0) | 音楽 - 室内楽曲

ハイドン/弦楽四重奏曲 第17番「セレナード」

今年の夏も暑いですね。と言いそうになる今回の梅雨。今からこんなでこの先どうなってしまうんでしょう。先日息子を連れて公園に行って、何十年ぶりに逆上がりをしたら「めまい」が。今からこんなでこの先どうなってしまうんでしょう。。。

毎度ご無沙汰ですが、今日はハイドン作曲、弦楽四重奏曲第17番 Hob3-17「セレナード」です。イタリア弦楽四重奏団で聴いてます。

青々とした初夏を思わせるように、ヴァイオリンがすがすがしく伸びやかに歌う。ヴァイオリンが日の光をいっぱいに浴びた木々や草花、そして陽だまりそのものならば、ビオラやチェロはそこにしなやかに映し出される陰。音質が良く、明朗で溌溂としたイタリアSQの音色も聴きものです。

ところで、第2楽章はこの作品のタイトルとなった有名なセレナード。ゆっくり、密やかに奏でられる1stヴァイオリンと、ビオラをはじめとしたピチカートが、心地よく過ごしやすい木陰を作り出していくようです。

この作品、実はハイドン本人が作ったかは謎なんだとか。だとしても、こんなに心地良いそよ風のような音楽を、こうして聴けることに感謝したいと思います。
posted by stonez | 2007.06.27 23:30 | Comment(8) | TrackBack(1) | 音楽 - 室内楽曲

ベートーヴェン/チェロ・ソナタ 第1番

今日も雨。風邪っぴきの息子は一週間たってやっと熱が下がりましたが、通院6回、血液検査4回、点滴2回、大学病院も体験しました。収穫といったら治療の過程で貧血が判明したことくらいでしょうか。今度はこちらを治療中。確かに顔青白いもんなぁ、そんなとこ似なくてもなぁ、将来日焼けできなくて悩むんだろうなぁ。。。

さて。チェロというと、その音色から哀愁をおびた秋がイメージされますが、なかには明朗快活で今の季節によく合う作品もあります。ベートーヴェンのチェロ・ソナタ第1番 ハ長調 Op.5-1 もその一つ。全2楽章からなるベートーヴェン初期の作品。ミッシャ・マイスキーのチェロ、マルタ・アルゲリッチのピアノで。

チェロ・ソナタといいつつも、実はベートーヴェンが弾いたピアノの方が存在感を発揮するあたりは、ロマン派のさきがけことベートーヴェンのオレ様ぶりを知る格好のエピソード。でもそれがアルゲリッチの情熱的な演奏にぴったり。そして優しく受けとめつつ躍動するマイスキー。チェロに感じる春の息吹。

ベートーヴェンにしてはめずらしく甘い香りもただよったりするのは、息の合ったパートナー同士の成せる技でしょうか。
posted by stonez | 2007.04.25 00:06 | Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽 - 室内楽曲

モーツァルト/弦楽四重奏曲 第14番「春」

息子が1歳になりました。さっそく群馬の実家でお祝いの儀式をしてもらいました。30年前は自分もこんなだったのかと感慨深いですが、いかんせん記憶がないもので(笑)。まあいよいよこれから大変だなあと神妙になったりして。マウスオンは一年前のワンショットです。

今日はモーツァルト作曲、弦楽四重奏曲第14番 ト長調 K.378。モーツァルトがハイドンから影響を受けて作曲し、そして直接ハイドンに捧げたという「ハイドン・セット」の1曲目にあたるこの作品は、最近になって「春」と呼ばれるようになったんだとか。

若々しさの中に躍動感が息づく第1楽章。朗らかで伸びやかな第2楽章、メヌエット。しっとり深みのある第3楽章、アンダンテ・カンタービレ。うきうきと軽快なステップのフィナーレ。聴けば聴くほど感じる解放感、これを「春」と呼びたい気持ちがよくわかります。

演奏はiTunes Storeであれこれ試聴していてみつけました。ザロモン弦楽四重奏団。飛び抜けて澄んだ音色、豊かな抑揚、まるで静寂を切り裂くようにしながら立体的に聞こえてきます。調べてみたらなんと1stヴァイオリンはサイモン・スタンデイジ。先日驚いたばかりでした。

ピリオド楽器のイメージがガラッと変わった彼らの演奏に、これからも注目してみます。

<追記>翌日にリベンジを果たしたので、写真を差し替えました(^^ゞ
posted by stonez | 2007.04.14 22:05 | Comment(4) | TrackBack(0) | 音楽 - 室内楽曲

フォーレ/ピアノ五重奏曲 第1番

パッケージのバーコードをセンサーにかざすと数十秒の試聴ができる、という通信機器のあるCD屋さんが増えていますが、あれはいいですね。迷った時はもちろん、未知の音楽に触れるチャンスにもなります。

たまたまそこで試聴して即座にレジに持っていったCDがあります。フォーレのピアノ五重奏曲集です。まずはその中から第1番を取り出してみました。演奏はフィリップ・コラールのピアノと、パレナン四重奏団。

こんなにも美しい音楽を私はまだ他に聴いたことがありません。清らかな水が湧き出る泉のような音楽。そしてそれらがつくりだす儚くも幸せに満ちた世界。いい作品に巡り逢えました。あまり知られておらず演奏機会が少ないとのこと。残念です。

第1楽章。ひときわ輝くピアノのアルペジオ、それに弦が導き出されていく。神秘的で澄んだコラールの音色。第2楽章は祈りの音楽。弦がトゥッティで描いていくメロディの美しさ。そしてピアノとチェロの対話の天国的なこと。第3楽章は不思議な浮遊感。自由で伸びやかな弦にピアノのアクセント。どこまでも続きそうな幸せな音楽。

色彩が豊かな上に深い精神世界に支えられたこの作風からは、フォーレがドイツロマン派音楽と、印象派の音楽をつなぐ架け橋であることを感じさせます。フォーレを得意とするコラールとパレナンSQの、感情までも渾然一体となった響きに惹かれてやみません。
posted by stonez | 2007.03.16 22:35 | Comment(6) | TrackBack(2) | 音楽 - 室内楽曲

ブルッフ/七重奏曲

昨日は小春日和でした。と言ってはみたものの、まだ2月ですよ。。。まあそれはさておき、このところはお昼休みを過ごすのにぴったりな場所を見つけ、もっぱらそこに行ってます。リーズナブルなレストランに静かなラウンジまで完備。いつもお世話になり感謝しています。区役所様。

そんな昼下がり、ラウンジで聴きました。ブルッフ作曲、七重奏曲 変ホ長調 遺作。ベルリン・フィルハーモニー八重奏団員。クラリネット、ホルン、ファゴット、ヴァイオリン×2、チェロ、コントラバスという編成。

ブルッフのセプテット、一度聴いただけで好きになりましたが、それから何度聴いても色褪せることがありません。春を思わせる若々しさ、広がる色彩感、シンフォニックな構成。これを11歳(!)でつくったブルッフの早熟ぶりもさることながら、最近まで発見されずにずっと冬眠状態だったという事実が凄い。

第1楽章は瑞々しく、晴れやかな田園風景を思わせる。第2楽章はしっとり穏やかなアンダンテ。第3楽章は飛び跳ねるような可愛らしさがあって、でも優雅なスケルツォ。第4楽章はラルゴの序奏に、充実したアレグロ・ヴィヴァーチェが続く。快活な疾走感、充実したハーモニーとともにクライマックスへ。

室内楽的にはちょっと変わった、しかも大きめな編成ということになりますが、風通しの良さはそのままに豊かな響きがプラスされた演奏はさすがBPO。それぞれ全部の楽器にある見せ場も鮮やかに楽しませてくれます。それにしても、楽器ができたらこんな楽しい曲を演奏してみたいなぁ!
posted by stonez | 2007.02.28 00:45 | Comment(2) | TrackBack(0) | 音楽 - 室内楽曲

シューマン/ピアノ三重奏曲 第2番

ついにきました!。アップルの『iPhone』。でもまだ日本ではお預け。日本がGSMでは世界の孤児だということを思い出す瞬間です。それにしても、今ある携帯電話の延長線からはまず期待できないデザインに操作性、本当にアップルらしい。Apple TVもそうだけど、確かに社名から「コンピュータ」を外す時が来たのかもしれません。嬉しいような寂しいような・・・

今日は、私は日頃の仕事で、妻は日頃の育児で積もった疲れが出たからか、一日中家にこもったままのんびり過ごしました。積み木遊びに夢中になりました。子どもより親の方が(笑)。それからシューマンのピアノトリオを聴きました。第2番 ヘ長調 Op.80。演奏は1971年、ボザールトリオ。

なんだか奔放で気まぐれなのかと思ったら、心優しいところがある。実はロマンチストな面もあって、でもそれを隠して無邪気に饒舌に振る舞っているような。移り気なところがシューマンらしいけど、あたたかさも伝わってきてホッとするのです。そして瑞々しい、一本一本の繊細な感情が折り重なるようにして浮き上がってくるアンサンブルが素晴らしい、ボザール・トリオ。


明日は外の空気をすいにいこう。
いよいよ歯が生えてきたジュニア君の写真をいっぱい撮ってあげよう!
posted by stonez | 2007.01.14 03:14 | Comment(6) | TrackBack(1) | 音楽 - 室内楽曲

ハイドン/弦楽四重奏曲 第67番「ひばり」

晴海 → 日本橋 → 五反田と流れてきて、今月からは中目黒で仕事することになりました。よしよし徐々に家に近づいてきたゾ、と思っていたら、いきなり午後出勤の終電まで。休憩なし。この業界、年々景気が悪化してきたなと思っていたけど、特に年度末が近づくにつれて惨状を目の当たりにすることが多くなってきました。この先大丈夫かと思案する毎日・・・

そんな生活が始まり、朝起きて、ジュニアに離乳食をあげて、自分もお昼を食べていざ出発。こういう時はたいていお天気がいいわけで、例に漏れず昨日も晴れで、ふつうに海方面の電車に乗っていってしまおう、という気分をそのまま置いといて、磁石を近づけられた砂鉄のように、何となしに東京方面に吸い寄せられていくわけです。

iPodから流れていたのは、ハイドン作曲の「ひばり」。弦楽四重奏曲 第67番 ニ長調 Op.64-5。スメタナ四重奏団。1966年録音。

これはまさしく、昨日みたいな晴れた日の昼下がり、公園のベンチにたたずんで聴きたくなるような音楽。ハイドン本人がつけた訳ではないにしても、第1楽章の主題がそれっぽい鳴き声ということで、ついたニックネームが「ひばり」というのもなんだか微笑ましいじゃありませんか。

スメタナSQの演奏も素敵で、第2楽章には穏やかな日常を慈しむような深い味わい。第3楽章の落ち着いた軽やかさは、人がまばらに行き交う「通り」の風景。終楽章は、通りに立って異彩を放つ大道芸人という感じでしょうか。この息つく暇ない第1ヴァイオリンの至芸は生で見たら興奮するに違いない!

と、怒濤の仕事を終えて帰宅したら、のだめアニメ版やってました。おお、まだまだ見捨てたもんじゃないですね。
posted by stonez | 2007.01.12 02:15 | Comment(6) | TrackBack(3) | 音楽 - 室内楽曲

ブラームス/ヴァイオリン・ソナタ 第2番

色々と用事が重なり、週末は家族で群馬の実家に行ってきました。まだ若干早かったものの紅葉も楽しめました。写真は片品(かたしな)にて。あと数週間で絶景へと変わることでしょう。

そんな秋の美しい自然に触れたとき、やはりブラームスの音楽が聴きたくなります。今回はヴァイオリン・ソナタ第2番 イ長調 Op.100です。ヴァイオリンはピンカス・ズーカーマン、ピアノはダニエル・バレンボイム。1974年の録音です。

とても息の長いヴァイオリンと、それを支えつつ時にはリードしていくピアノの見事なまでの調和。ブラームスがのこした3つのヴァイオリン・ソナタの中でも、とりわけこの2番には、穏やかな秋の気候と、落ち着きの中にどことなく漂う寂しさを慈しむような気分にあふれています。

楽曲の構成としては急−緩−急ということになりますが、それはあくまでも形式上という感じで、全体を通して変わらず流れるゆったりした時間を楽しむことができます。

ズーカーマンのヴァイオリンには凛とした線の太さがありますが、そうであるだけにひとたび消え入るような弱音になったときの独特の哀愁は際立っています。それから、ズーカーマンとバレンボイムのコンビには、感情が押し寄せるように厚みが増すところまでもぴたりとした一体感があります。
posted by stonez | 2006.10.31 23:36 | Comment(2) | TrackBack(0) | 音楽 - 室内楽曲
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