群馬交響楽団 第487回定期演奏会

群馬交響楽団 第478回定期演奏会<日時・場所>
 2013年1月26日 (土)
 群馬音楽センター(高崎市)

<曲目>
 シューマン/ ピアノ協奏曲 イ短調 op.54
 (アンコール:シューマン/
      子供の情景より、詩人は語る)
 マーラー/ 交響曲 第5番 嬰ハ短調

<演奏>
 指揮:沼尻 竜典
 ピアノ:萩原 麻未
 群馬交響楽団

久しぶりのコンサート、そして久しぶりに生で聴くシンフォニーということで、心待ちにしていた日がやってきた。会場の群馬音楽センターはほぼ満員。

まずは、2010年のジュネーブ国際コンクールピアノ部門で優勝した、萩原麻未さんのシューマンのコンチェルト。劇的な幕開けから始まる叙情的なメロディに引き込まれる。流麗なピアノと、オーケストラの息のぴったり合った掛け合いがとにかく美しく素晴らしかった。カデンツァも情感たっぷりで、ずっと聴いていたい演奏だった。アンコールでは余韻も余すとこなく楽しませてくれた。

つづいてマーラーの第5番。大編成のオーケストラによる圧倒的な迫力にしびれつつ、トランペットやホルンを始めとした高度な個人技は見ていて凄いのひと言、そして低弦をはじめとした印象的なメロディ、弦楽器の主席奏者だけがピチカートをしたり、打楽器群が個性的な音色で彩りを添えたりと、沼尻さんのきびきびした指揮に導かれてめまぐるしく展開が変わっていくので、オーケストラを見ていて本当に飽きなかった。P1261074気がつけば手に汗握っていた(笑)。アダージェットは、残響の少ないこのホールでさえ豊かに響き、天国のようだった。時折ハンカチで目を拭う人も見られた。鳴り止まない拍手とブラヴォーの嵐だった。

演奏後のアフタートークで印象的だったのは、指揮者の沼尻さんがホルンの主席の方を絶賛していたこと。指揮をしていてしびれたそうだ。今後もまたマーラーを取り上げることもあるそうだし、楽しみ。写真は2階ロビーにて。
posted by stonez | 2013.01.26 23:59 | Comment(4) | TrackBack(0) | 音楽 - コンサート

神奈川フィルハーモニー管弦楽団を応援します

お世話になっているyurikamomeさんより、神奈川フィルを取り巻く状況が厳しいとのメールをいただいた。確かに自分も、この数年仕事がいくつか変わる中で社会情勢の厳しさを肌で感じているところ。やはり先の大震災後は顕著だと思う。

神奈川に住んでいた頃には度々足を運び、その素晴らしい演奏で音楽の世界に誘ってくれた神奈川フィルハーモニー管弦楽団。最近はサボりがちだけど、これまでブログを続けながら音楽にのめり込むきっかけを与えてくれたことは間違いないわけで、本当に微力ながら応援させて頂きたいと思う。

神奈川フィルハーモニー管弦楽団 第218回定期演奏会「フランスのエスプリ」
神奈川フィルハーモニー管弦楽団 第220回定期演奏会「名手たちの饗宴」
神奈川フィル特別演奏会 シュナイト音楽堂シリーズVII「フィルハーモニーの原点」
神奈川フィルハーモニー管弦楽団 第228回定期演奏会「響きのポートレイト」
神奈川フィルハーモニー管弦楽団 第232回定期演奏会『ブラームスの「祈り」』
posted by stonez | 2011.12.09 23:59 | Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽 - コンサート

群馬交響楽団 第476回定期演奏会

コンサートに行くのは実に2年半ぶり。母への誕生日プレゼントと称して自分も楽しむ機会を得て、わくわくしながら群馬音楽センターに向かった。このホールは、チェコの建築家アントニン・レーモンドが設計し、昭和36年竣工当時としては斬新なモダニズム建築としても知られているので、それも楽しみの一つだった。

<日時・場所>
 2011年10月22日 (土)
 群馬音楽センター(群馬・高崎)

<曲目>
 ヴェルディ/
 歌劇《シチリア島の夕べの祈り》序曲
 チャイコフスキー/
 弦楽のためのセレナード ハ長調 op.48
 チャイコフスキー/ロココ風の
   主題による変奏曲 イ長調 op.33
 レスピーギ/ 交響詩《ローマの松》

<演奏>
 指揮:ガエタノ・デスピノーサ
 チェロ:ルイジ・ピオヴァノ

まずはホールについて。建物全体の大きさ自体は比較的コンパクトと思われるが、玄関の開口がとても広いうえに、全面に貼られたガラスから内部の壁面イラストが一面に見えるのでスケールが大きく感じられる。三角形や山切りデザインが随所に見られるのは上毛三山など「山国」群馬を象徴しているのだろうか。木の暖かみを感じるホール内部のデザインも含め、当時の斬新さを肌で感じることができた。

群馬音楽センターではまず、1曲目のヴェルディの序曲から。イタリアらしい明朗な曲調で、盛り上がった時の勢いにさっそく圧倒される。金管の華やかさが感じられる楽しい曲だったが、つづいてのチャイコフスキーは逆に弦を心ゆくまで堪能。前々から生で聴きたかった「弦セレ」は、CDで聴いていたよりもさらに情熱的に感じたし、繊細なフレーズも本当に美しく素晴らしいものだった。イタリア人指揮者デスピノーサさんの情熱的な指揮にオーケストラが気持ちよく応えているのが目でも耳でもしっかり感じられた爽快な演奏だった。

休憩を挟んで後半。これまたイタリア出身のチェロ奏者ピオヴァノさんが登場。チャイコフスキーらしい、のびやかで美しいメロディを、独奏チェロがひときわ暖かく包み込んでいくような演奏だったが、それだけでなく技巧的で熱いパッセージも見応え十分。私たちの座席が中央最前から3列目という砂かぶり席だったこともあり、臨場感も十分。演奏後の大拍手に応えてくれて、この度の震災へのお見舞いメッセージと「赤とんぼ」をアレンジしてチェリスト全員で演奏してくれた。心暖まる素晴らしい演奏だった。

IMG_9169最後はこれまた聴きたいと思っていた「ローマの松」。煌びやかなボルゲーゼ荘の松と、反対に不穏な静寂に満ちたカタコンブ付近の松の落差に驚き、ジャニコロの松では鳥の声に目を閉じ、アッピア街道の松のド迫力は圧巻、鳥肌の連続だった。ちなみに金管の鳴り響くバンダはステージ左手だった。起伏に富んだこの音楽がどうやって作り出されていくのか、じっくり見ることができたことにも大満足。群響の技術とパワーを再認識したコンサートだった。母も楽しんでくれたようで何よりだった。
posted by stonez | 2011.10.22 23:59 | Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽 - コンサート

県民音楽のひろば 群馬交響楽団特別演奏会

町に群響がやってくる、ということで部屋の片付けも、就職活動も、何もかもとりあえず今日はお休み。息子を実家に預けて妻と行ってきました。今回は山形交響楽団でもおなじみ、才気あふれる若きマエストロ飯森範親さんです。

<日時・場所>
 2009年2月8日(日)
 利根沼田文化会館 大ホール(群馬)

<曲目>
 モーツァルト/歌劇「フィガロの結婚」序曲
 メンデルスゾーン/ヴァイオリン協奏曲ホ短調
 (休憩)
 シベリウス/交響詩「フィンランディア」
 エルガー/愛のあいさつ
 ラヴェル/亡き王女のためのパヴァーヌ
 ブラームス/ハンガリー舞曲第1番ト短調
 ドヴォルザーク/スラヴ舞曲第10番ホ短調
 シュトラウスII世/ワルツ「美しく青きドナウ」
 ボロディン/歌劇「イーゴリ公」より「だったん人の踊り」
 (アンコール)
 ハチャトゥリアン/組曲「仮面舞踏会」よりワルツ

<出演>
 指揮:飯森 範親
 ヴァイオリン:米元 響子
 管弦楽:群馬交響楽団

本当に、地方公演のためによく考えられたプログラムでした。まず前半では、名刺代わりに山響との活動でも知られるノンビブラートのモーツァルトを、続いてメンコンを聴かせます。メンデルスゾーンは今年メモリアルイヤーを迎えた旬な作曲家ですし、作品の知名度も抜群、しかも楽章間に拍手の余地がない(これポイント・笑)。まさに三拍子揃った素晴らしいチョイスですね。

後半は、飯森さんの解説つき「音楽によるヨーロッパ旅行」という趣向で、フィンランド→イギリス→フランス→ドイツ→チェコ→オーストリア→ロシアと、雰囲気たっぷりの小品を次々に繰り出してお客さんを飽きさせません。おまけにアンコールはもう一つロシア、しかも浅田真央ちゃんでおなじみ仮面舞踏会でサプライズ、という具合です。

そんなわけで演奏ですが、最初のモーツァルトでは重厚な群響サウンドが飯森さんによって颯爽と料理されていく感じがまず新鮮でした。メンコンでも比較的きびきびとしたテンポをベースにしながら、あたたかく米元さんのヴァイオリンを引き立てていきます。米元さんは、技巧的でありながら音色がなめらかで瑞々しかったのが印象的で、今後が楽しみなソリストさんでした。

IMG_8912そして、音楽によるヨーロッパ旅行はオーケストラの本領発揮、ここでも心地よいテンポに乗ってダイナミックな演奏を楽しみました。シベリウスでは熱気が、エルガーでは甘美さが、ラヴェルでは翳りが、ブラームスでは奔放さが、ドヴォルザークでは悲哀が、シュトラウスではみなぎる自信が、そしてボロディンでは幻想と興奮がそれぞれ思い出されます。まさに飯森さんと群響によるひと時の旅行、堪能しました。

これだから生演奏は最高、そんなことを改めて思ったコンサートでした。就職を決めた暁にはまた聴きに行きたい、と思わずにはいられません。最後に、写真は実家でやりたい放題だった息子です(笑)
posted by stonez | 2009.02.09 02:27 | Comment(4) | TrackBack(0) | 音楽 - コンサート

ハーゲン弦楽四重奏団演奏会

ハーゲン四重奏団の来日公演に行ってきました。さすがに名の知れたカルテットだけあってホールは満員、私も期待に胸を膨らませながら2列目右側で待っていたわけですが・・・

<日時・場所>
 2008年9月30日(火)
 浜離宮朝日ホール(東京)

<曲目>
 モーツァルト/弦楽四重奏曲第16番変ホ長調 K.428
        <ハイドン・セット第3番>
 ラヴェル/弦楽四重奏曲ヘ長調
 ドヴォルザーク/弦楽四重奏曲第14番
         変イ長調 Op.105
 (アンコール)

<演奏>
ハーゲン弦楽四重奏団

モーツァルトの最初の一音を聞いた瞬間に思わず目を見開きました(笑)。絹糸のように繊細ながら、豊かで色彩に富んだ音色。ただただ美しいの一言。適度なレガートと強弱のメリハリを大胆につけた演奏には圧倒されるばかりです。アンダンテでのしなやかさと、メヌエットの快活さ、そして彼らの熱演もひっくるめてこの静と動の対比は鮮烈でした。

そして次はいつか聴きたいと思っていたラヴェルです。想像以上に楽しいものでした。奏者は4人のはずなのに、それ以上に感じられるほど実に多種多様な音が作り出されていたし、大胆なピチカートや随所に顔を見せる怪奇的な旋律には目を見張るばかり。フォルテでのテンポを上げつつたたみ掛けるパッセージにもただ息をのむばかりでした。

さて、こちらもひそかに期待していた一曲。休憩を挟んでのドヴォルザークです。メロディの饒舌さは第12番「アメリカ」に譲るかもしれませんが、ドヴォルザークらしい美しいメロディと技巧的なフレーズがバランスよく散りばめられていて、かなり聴き応え十分。こちらを休憩後に持ってきた理由が分かったような、エネルギッシュで充実した作品・演奏でした。

もともとハーゲン兄弟がベースになっているだけに(メンバー交代した2nd以外)親密で息の合った(しかも顔そっくり・笑)演奏は絶品モノ。1stのルーカス氏の迫真の演奏はライブならではのものでしょう。アンコールにベートーヴェンのセリオーソの第1楽章をやってくれましたが、怒涛の迫力に圧倒されっぱなしでした(笑)。室内楽がレンジの広い興奮できる音楽だったと知ることが出来たのは、新たな発見でした。
posted by stonez | 2008.10.01 06:25 | Comment(6) | TrackBack(0) | 音楽 - コンサート

都響スペシャル『千人の交響曲』

奇跡的にチケットが取れてからというもの、この日を心待ちにしてきました。人生初の「千人の交響曲」です。しかも指揮はCDで親しんだエリアフ・インバル。コンサートは彼の、都響プリンシパル・コンダクター就任披露公演と銘打って行われました。

<日時・場所>
 2008年4月29日(火、祝)
 ミューザ川崎 シンフォニーホール

<曲目>
 マーラー/交響曲第8番 変ホ長調
     「千人の交響曲」

<演奏>
 指揮:エリアフ・インバル
 ソプラノ:澤畑恵美、大倉由紀枝、半田美和子
 メゾソプラノ:竹本節子、手嶋眞佐子
 テノール:福井敬
 バリトン:河野克典
 バス:成田眞
 合唱:晋友会合唱団
 児童合唱:NHK東京児童合唱団
 東京都交響楽団

いや、筆舌に尽くし難しというのはこれを言うのでしょう。これがマーラーなのか、これが夢にまで見たあの千人かと、もう大満足の極致です。今まで聴いたこともない巨大なパワーに圧倒されました。ステージ上の大編成のオーケストラを筆頭に、うしろの児童合唱、さらに正面客席に陣取る大合唱団にソリストたち。果ては最上段のオルガンから、バンダの金管別動隊に至るまで、ミューザのホール全方向から見事なまでに降りそそぐ響きと一体感を存分に堪能しました。

当然ながら冒頭のオルガン、大合唱からボルテージは最高潮で、その勢いはソリストさんたちの声をかき消してしまうほど(笑)。インバルさんは想像よりも恰幅がよい感じですが、時おりジャンプするほどのダイナミックな指揮ぶりで演奏・合唱もそれによく応えていました。

それからCDでは気がつかなかった、舞台上で実際にどうやって音が作られていくのかを視覚的に楽しめたのもよかったです。管楽器・打楽器はパワフルでした。そういえば、コンマスのソロ+声楽という場面が意外に多いことにも気がつきましたが、迫力だけがマーラーなのではなく、シンプルな響きの中にも美しさと奥深さがありますね。第2部前半の瞑想の部分の響きが神秘的だったこと、その後の児童合唱の天国的で可愛らしかったこと。癒されました。

そして最後は再び全方向からの大スペクタクル、終わったあとの割れんばかりのブラボー&拍手は長いこと鳴り止みませんでした。オーケストラや合唱団が退場してからも拍手に応えて登場してくれたインバルさんに人間的魅力も感じたのでした。最後に、私が楽しんでいる間ショッピングセンターで待っていてくれた妻と息子に感謝です。
(上の写真はお土産にもらったカードです)
posted by stonez | 2008.04.29 23:59 | Comment(6) | TrackBack(1) | 音楽 - コンサート

群馬交響楽団特別演奏会

<日時・場所>
 2008年2月10日(日)
 利根沼田文化会館大ホール(群馬)

<曲目>
 カールマン/喜歌劇「チャルダッシュの女王」より
      「山は私のふるさと」
 黒人霊歌/「アメイジング・グレイス」
 プッチーニ/歌劇「ジャンニ・スキッキ」より
      「私のお父様」
 シュトラウス2世/喜歌劇「こうもり」より
      「公爵様あなたのようなお方は」
 横山青児編曲/日本唱歌による「日本の四季」より
      「冬」「春」
 (休憩)
 ドヴォルザーク/交響曲第8番 ト長調 op.88
 (アンコール)
 エルガー/エニグマ変奏曲より 第9変奏「Nimrod」

<演奏>
 指揮:ケン・シェ
 ソプラノ:鵜木絵里
 児童合唱:沼田ユネスコ少年少女合唱団
 群馬交響楽団

実家近くのホールで群馬交響楽団のコンサートがあるという情報を入手しまして、さっそくプログラム構成を見ると。。前半は気軽に名曲に親しむ内容、なるほど地方公演ですからね。では後半はというと。。なんと本格的にドヴォルザークの8番ではないですか。さっそく母に息子を頼み(笑)、5回目の結婚記念日のプレゼントと称して妻と行ってきました。

前半はオペラやミュージカルでご活躍のソプラノ・鵜木(うのき)さんの魅力満載で、チャルダッシュが流れる中を颯爽と登場して熱唱したかと思えば、澄みきった歌声で情感たっぷりにアメイジング・グレイスやジャンニ・スキッキの娘ラウレッタを歌い、それはそれは鳥肌ものでした。それでいて演奏が終わるとスパッと切り替えて卓越した司会進行。さすがというほかありません。それから日本の唱歌での子供たちの歌声にも癒されました。

そしてお待ちかねの後半・ドヴォルザーク。前半に引き続いての指揮者、ケン・シェさんは1980年カナダ生まれという若さながら、堂々とした明快な指揮ぶり。気持ち速めのテンポに乗って作り出される群響の音色は、立体的でダイナミック。ドヴォルザークの8番でこれほど圧倒されるとは思ってもみませんでした。

これだけでも十分満足でしたが、アンコールでさらにやられました(笑)。大好きなエルガーのニムロッドです。限りない安らかさが、次第に感動の渦へと変わっていくダイナミックな演奏にはため息が出るばかり。junior妻は感涙状態でした。是非このコンビの全曲演奏聴きたいです。確かに楽章間で拍手は出ましたが、これに懲りずまた充実した演奏会をお願いします。群響さん。そして素敵な結婚記念日をありがとうございました。

最後に、いい子で留守番をしていたジュニアの写真を1枚。トラックのハンドルをつかんでご満悦(笑)。
posted by stonez | 2008.02.13 02:45 | Comment(4) | TrackBack(1) | 音楽 - コンサート

オーケストラアンサンブル豊島 第4回 定期演奏会

<日時・場所>
 2007年9月23日(日)
 文京シビックホール 大ホール

<曲目>
 ベルリオーズ/ローマの謝肉祭
 グノー/歌劇「ファウスト」よりバレエ組曲
 ベートーヴェン/交響曲第7番

<演奏>
 指揮:小森 康弘
 オーケストラアンサンブル豊島

おさかな♪さん所属のオーケストラから招待をいただき、家族3人で行ってきました。息子はまだ1歳5か月ということで初めての親子室です。1階の左奥の防音ルーム(写真)からステージを見つめます。

まずはベルリオーズ。生き生きとした快活な演奏。息子も膝の上でじっと聴いているようで、まずまずの滑り出し。スピーカーから熱気あふれる演奏がよく伝わってきました。つづいてグノーは、徐々にボルテージの上がってくる楽しい曲たちでしたがここで問題が。ついに息子がグズり始めました(笑)。

私と妻とでなだめるも不調、他のお子たちにもそれが伝染し始めたところでついにロビーに退却です。幸い演奏はモニター(写真B面)と小音量スピーカーを通して聴くことができましたが、息子は窓の外に見える車の列に気を奪われ興奮気味。まあちょうどそういう時期、仕方がないですかねぇ。

休憩を挟んでメインはお気に入りのベト7でしたが、ロビーで走り回る息子を追いかけながら耳を傾けるという感じで。でも弦の美しさと熱気は伝わってきました。面白かったのが、前半で親子室にいた人たちもロビーで子守りに追われていたところ(笑)、みんな同じなんですね。

そんなわけで興奮のベト7が終わったところで、後ろ髪をひかれる思いでホールを後にしたのでした。しばらく子連れは厳しそうです。とはいえ今回も貴重な体験ができたわけで、おさかな♪さんどうもありがとうございました!
posted by stonez | 2007.09.24 23:55 | Comment(4) | TrackBack(0) | 音楽 - コンサート

第1回オペラ・アクターズ公演「道化師」「ジャンニ・スキッキ」

<日時・場所>
 2007年8月3日(金)
 滝野川会館 大ホール

<演奏>
 指揮:飯坂純
 演出:細岡雅哉
 エレクトーン:山木亜美、柿崎俊也
 出演:オペラ・アクターズほか

<演目>
 レオンカヴァッロ/歌劇「道化師」
 プッチーニ/歌劇「ジャンニ・スキッキ」

今日はオペラを楽しんできました。演目は、さほど時間を必要としない悲劇と喜劇の傑作を2つ。レオンカヴァッロの「道化師」とプッチーニの「ジャンニ・スキッキ」です。

まずは、人々の生活感を楽しみつつ衝撃的な殺人シーンで幕となる「道化師」から。「せむしの道化役者」ことトニオの長い前口上を見せられ最初からいきなり重たい気分になりますが、音楽は劇的でゴージャス、胸騒ぎと緊張感がずっと続いていくオペラでした。そういうわけで、こまごました笑いはあるものの気付いたら目を見開いて前のめりに(笑)。座長カニオの悲痛な「衣裳をつけろ」をはじめ迫真の演技、そして可憐でおどけた妻ネッダは特に印象的でした。

お次は「ジャンニ・スキッキ」。と思いきや、なんとここでショートコントが。オペラのテーマでもある莫大な遺産を遺す老人の最期を日本語で見せて、本編にスムーズに導入しようという粋な心遣い。ついでに笑わせてもらいました。

そして本編。まあ現代でもさして変わらぬ、遺産相続にまつわるゴタゴタ話をおもしろおかしく描いているわけですが、策士ジャンニ・スキッキの娘ラウレッタが、ひとたびあの名アリア「私の大好きなお父さま」を歌った瞬間に舞台ばかりか客席の空気まで一変させてしまうという、まさにオペラの魔法をこの目で見たのです。いや感動しました。とにかく演じている歌い手さんたちが真剣に笑わせてくれる楽しい舞台でした。

今回の公演では、指揮者と2名のエレクトーン奏者による演奏ということで盛り上がりはどうかなと思いましたが、なかなか豊かで美しい音色だったと思います。
posted by stonez | 2007.08.03 23:50 | Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽 - コンサート

神奈川フィルハーモニー管弦楽団 第232回定期演奏会『ブラームスの「祈り」』

<日時・場所>
 2007年1月21日(日)
 横浜みなとみらいホール

<演奏>
 指揮:ハンス=マルティン・シュナイト
 ソプラノ:澤畑恵美
 バリトン:福島明也
 神奈川フィル合唱団 
 神奈川フィルハーモニー管弦楽団

<曲目>
 ブラームス/ドイツ・レクイエム Op.45

日曜日は神奈川フィルのコンサートにいってきましたが、その間に息子が熱を出してしまいまして・・・。遅くなりましたが、忘れないうちにその感想を。

今回は、久々のシュナイトさんのドイツ魂あふれるブラームス、しかも初めて生で触れるレクイエムの世界ということで楽しみだったのですが、期待以上のコンサートになりました。この上ない細やかさをもった安らかな響きを土台に、生気みなぎる迫力や、生死を超越してしまった神秘的な空間、謙虚さ、心に染みるあたたかい歌声と、全てが心に残る貴重な体験でした。

シュナイトさんに導かれて、神奈川フィル、そして合唱団やソリストさんが創りだす全てのものには、宗教的な敬虔さとか恭しさよりも、今まさに生きている私たちの「心」に直接届く力がありました。演奏が終わって訪れたかつてないほど長い静寂がその証。それがやがて盛大な拍手へと変わったのは言うまでもありません。これがブラームスの伝えたかったレクイエムなのかと感嘆せずにはいられません。

シュナイトさんは御年77歳だそうで、いつも通り椅子に座って指揮している中でも、音楽が高揚するところで思わず立ち上がる場面が度々あって、ついついこちらも釣られて立ち上がりたくなってしまうほど(笑)。それにしても、穏やかにゆったり歩く姿にも、粛々としつつ時に厳しい指示の飛ぶ指揮姿にも『この音楽を伝えるのが私の使命』という確固たる信念がにじみ出ているようでした。

コンサート終了後は、今回もお世話になったyurikamomeさんをはじめ、ブロガーの皆さんと「新年会」ということで、他では聞けないような音楽話など、楽しい時間を過ごすことができました。本当にありがとうございました!
posted by stonez | 2007.01.24 16:49 | Comment(2) | TrackBack(3) | 音楽 - コンサート