2013年1月26日 (土)
群馬音楽センター(高崎市)
<曲目>
シューマン/ ピアノ協奏曲 イ短調 op.54
(アンコール:シューマン/
子供の情景より、詩人は語る)
マーラー/ 交響曲 第5番 嬰ハ短調
<演奏>
指揮:沼尻 竜典
ピアノ:萩原 麻未
群馬交響楽団
久しぶりのコンサート、そして久しぶりに生で聴くシンフォニーということで、心待ちにしていた日がやってきた。会場の群馬音楽センターはほぼ満員。
まずは、2010年のジュネーブ国際コンクールピアノ部門で優勝した、萩原麻未さんのシューマンのコンチェルト。劇的な幕開けから始まる叙情的なメロディに引き込まれる。流麗なピアノと、オーケストラの息のぴったり合った掛け合いがとにかく美しく素晴らしかった。カデンツァも情感たっぷりで、ずっと聴いていたい演奏だった。アンコールでは余韻も余すとこなく楽しませてくれた。
つづいてマーラーの第5番。大編成のオーケストラによる圧倒的な迫力にしびれつつ、トランペットやホルンを始めとした高度な個人技は見ていて凄いのひと言、そして低弦をはじめとした印象的なメロディ、弦楽器の主席奏者だけがピチカートをしたり、打楽器群が個性的な音色で彩りを添えたりと、沼尻さんのきびきびした指揮に導かれてめまぐるしく展開が変わっていくので、オーケストラを見ていて本当に飽きなかった。気がつけば手に汗握っていた(笑)。アダージェットは、残響の少ないこのホールでさえ豊かに響き、天国のようだった。時折ハンカチで目を拭う人も見られた。鳴り止まない拍手とブラヴォーの嵐だった。
演奏後のアフタートークで印象的だったのは、指揮者の沼尻さんがホルンの主席の方を絶賛していたこと。指揮をしていてしびれたそうだ。今後もまたマーラーを取り上げることもあるそうだし、楽しみ。写真は2階ロビーにて。