兵庫・小野の実家で一泊お世話になり、車に乗せてもらって再び神戸に戻ってきた。カワサキワールドも楽しんで、今日は兵庫で過ごす最後の夜。たまたま予約したホテルで観光タクシー周遊プランというのがあり、迷わず「六甲山の夜景コース」をお願いする。タクシーの運転手さんは、もちろん神戸にお住まいで当時の阪神・淡路大震災で被災されており、六甲山までの道中、街並を見ながら当時の様子を教えてくれた。大手企業のビルが、震災後にはショッピングセンターに姿を変えた場所もあり、この震災が街や人々に与えた影響の大きさを少しではあるが知ることができた。灘のお酒や、阪急や阪神、南海などの球団経営の話など、地元の人でなければ聞くことができなそうなものばかりで楽しかった。
タクシーは順調に進み、六甲山頂の展望台に到着。神戸から大阪にまたがる絶景を目にして息をのんだ。宝石箱をひっくり返したような、というのはこのためにある言葉なんだろう。残念ながら三脚がなかったのと腕前の関係(笑)で思ったような写真が撮れなかったが、また是非訪れたいと思わせるのに十分な光景だった。
運転手さんはこのあと、ヴィーナスブリッジに連れて行ってくれた。恋人たちがここを訪れ、モニュメントに鍵(南京錠)をかけると永遠に結ばれるのだとか。確かにカップルを多く目にしたが、それにしてもここも眺めが素晴らしかった。六甲山とは違って、神戸の街がより間近に迫って見え、街の息づかいを肌で感じることができる。妻も息子たちも興奮の様子。日本三大夜景の中でも随一の規模と眺め、と胸を張る運転手さんの表情は誇らしげだった。今度来るときは三脚も持ってこよう。運転手さん、素晴らしい体験をありがとうございました。